第46話:2012年から2014年の出来事

文字数 1,858文字

 2012年の9月7日にブエノスアイレスで開かれた国際オリンピック委員会総会で、東京がマドリード、イスタンブールを破り、2020年夏季五輪・パラリンピックの招致に成功した。政府は10月1日の閣議で、現行5%の消費税率を2014年4月から予定通り8%に引き上げることを決めた。

 東京都の猪瀬直樹知事が、2012年の知事選前に医療法人「徳洲会」グループから現金5000万円を受け取っていたことが11月に発覚した。二転三転する答弁に反発を強めた都議会各会派は、より強い権限を持つ百条委員会の設置方針を決定。追い込まれる形となった猪瀬氏は12月19日、「都政を停滞させるわけにはいかない」として、辞職を表明した。

 その後、月日の流れは、早く年末を迎え、2013年が明けた。この年は、株高の年になり、城山太蔵会長も茂山健太社長も株の含み益が億単位で増えて、今年のボーナスは、年間100万円、和也には200万円を支給してくれた。和也と照子さんは、2013年6月17日土曜日、沼津のステファニーの実家の教会で結婚式を挙げた。

 そして、沼津RSホテルで披露宴を来場者60人で行い、義理の父が神父として、結婚の儀式を取り仕切ってくれた。新婚旅行は、山中湖、御殿場、箱根観光の2泊3日とした。やがて暑い夏、お盆休みが終わると、9月が足早にすぎ、朝晩、冷える季節となり、年末を迎え、2013年を終え、2014年を迎えた。

 この年は、2月のウクライナ危機から始まった。親ロシア派のヤヌコビッチ政権が反政権デモで崩壊し、親欧州連合派政権が発足したのをきっかけとして、ロシア系住民が多数を占める南部クリミア半島にロシアが軍事介入。3月に南部クリミア半島をロシア領内に編入に踏み切った。武力を背景に領土拡大を強行したロシアの行動に冷戦後の国際秩序は大きく揺らいだ。

 その後ウクライナ東部でもロシアが後ろ盾の親ロ派武装勢力と政府軍が激しい戦闘を続け死者は4千人を超えた。7月には東部上空でマレーシア機が撃墜され298人が死亡する悲劇も起きた。欧米や日本は、ロシアが事態収拾に応じていないとして制裁を発動。次にイスラム過激組織「イラク・シリアのイスラム国」が6月、イラク第2の都市モスルを制圧。

 指導者のバグダディ容疑者をカリフ「預言者ムハンマドの後継者」とする「イスラム国」の樹立を宣言した。一方、日本では、2014年8月20日、広島市北部で豪雨に伴う土石流が複数箇所で起き、多数の住宅が流された。未明の発生で被害実態がすぐに把握できず、断続的に降り続いた雨のため捜索も難航。

 最終的には安佐南区の八木、緑井の2地区を中心に死者は74人に達した。避難指示・勧告は一時15万人以上に出され全面解除までに3カ月かかった。広島地方気象台は災害当日の午前1時49分に非常に激しい雨を示す「1時間70ミリ」の予測を発表するなど、広島県全域に土砂災害への警戒を促していた。

 しかし、広島市は災害発生後の同4時すぎに避難勧告を出すなど、情報が生かされず対応の遅れが指摘された。その1ケ月後の9月27日午前11時52分、長野、岐阜県境の御嶽山「3067メートル」が突如、前触れもなく大噴火した。紅葉シーズンの週末で被害は大きく逃げ遅れた登山客に噴石が直撃し57人が死亡、6人が行方不明。

 1991年に起きた雲仙・普賢岳の火砕流での死者・不明者43人を上回り戦後最悪の火山災害となった。火山噴火予知連絡会の各検討会は、噴火を数分以内にメールで登山客に知らせる「火山速報」の導入や気象庁が常時観測する火山を47から50に増やす事を提言。入山者特定に手間取った事を踏まえ活火山や遭難多発の山を持つ自治体では、登山届義務化の動きも出た。

 2014年末、日本人として名誉な出来事が起きた。それは、日本人3人にノーベル物理学賞が授与された事。青色発光ダイオード「LED」の開発で、赤崎勇名城大教授と天野浩名古屋大教授、中村修二米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授がノーベル物理学賞を受賞した。世界の消費電力の4分の1が照明に使われる中、LEDが資源節約に貢献したと高く評価された。

 赤崎さんは基礎研究をリード。天野さんは開発のカギ「窒化ガリウム」の結晶を作製。中村さんは実用化を推進した。「今世紀中は不可能」とされた青色LEDの登場で、光の三原色がそろい用途が拡大。消費電力が少なく、白熱電球や蛍光灯に代わる照明のほか携帯電話のディスプレー、交通信号などに広く使われている。
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