高木 瀾(らん) (1)
文字数 748文字
私は女王でも化物でもない。
私こそが死を司る神だ。
ところで教えてくれ、弟よ。
お前は何の神だったっけ?
タイカ・ワイティティ監督「マイティ・ソー バトルロイヤル」より
久米達が持ち込んだ武器の中でめぼしいモノを、これまたヤツらが乗って来たトラックに積み込み終った。
対物ライフル。
大口径の機関銃。
迫撃砲。
グレネードランチャー。
ロケットランチャー。
「あれ」にダメージを与える事は可能だろうが……「人工の浮島」の中の更に人の多い観光地で使うのは……最後の手段だろう。
「兄貴、これの運転を頼む」
「……結局、僕か……」
「なぁ……これから……何が起きるんだ、一体全体?」
関口がそう聞いてきた。
「多分……さっき以上の大騒動だ……」
『「国防戦機・特号機」とバンとトラックが各1台。さっき「有楽町」に到着した船から上陸した。「昭和通り」を「九段」方面に向っている』
後方支援チームから無線連絡。
「で……作戦は?」
私は、そう、
「……想定外の事が起き過ぎた……。あからじめ考えてた手は、全部、無意味だ」
最大の想定外……それは……「死霊を
「出たとこ勝負か……」
「ああ……だが、『本当の関東』の例の犯罪組織のボスが船の外に出てたなら……必ず生け捕りにしろ……。そいつの今までの手からすると……そいつの
「敵」に知られていてこそ意味が有る手か……。その犯罪組織のボスも、案外、使い勝手が悪い手を選んだのかも知れない。
ヤツの「敵」である私達から見ても、かなり迷惑な手だが。