高木 瀾(らん) (4)
文字数 697文字
関口は、私が飛ばした小型ドローンの映像と
港湾施設は、物理的には無事なようだ。しかし、そこで働いている人員……特に警備員や警官は、それどころの騷ぎじゃなかった。
マズい……確実にマズい。
「港」の人員が、ほぼ壊滅している、と言う事は、裏を返せば、港から通常の方法で上陸するのは不可能に近いが、無理矢理上陸するのなら逆にやり易くなった、と言う事だ。
「あれ」が、この「島」に無理矢理上陸する気なら、それを阻める……いや阻むのは無理だろうが、上陸を多少なりとも遅らせる事が出来る……公的な武装集団は今は居ない。
どの道、この「島」で唯一、警察がマトモに機能していた地区は……一転して治安を維持する組織が機能不全に陥いった地域と化した。
たった1つのヤクザの組……いや……たった1人の狼男のせいで……。
あの狼男に対抗出来るモノは……この「島」に向かっている途中だが……。
この「島」最大の港……残りの3つは漁港みたいなモノらしい……が使えなくなった以上、どうやって、私の手元に……待てよ……。
丁度いいのが居た。それも、私の家に。
「あのさぁ……そのトラック用の
私は「護国軍鬼・4号鬼」を運んでいるトラックに連絡を入れる。
『おい、今度は、どんなとんでもない手を思い付いたっ?』
「もし、冬用タイヤが手に入ったら……途中で、久留米チームと合流して唐津に向かって」
『……だから、何をさせる気だっ⁉』