高木 瀾(らん) (1)
文字数 689文字
「護国軍鬼」を作った「工房」のスタッフの1人がそう聞いてきた。
表の顔は、
「判ります?」
「マズいよ。先読みの成功率が八〇%台にまで落ちてる」
言われてみれば、そうだ。
この「鎧」を使うのは数ヶ月ぶり……。
そして、「鎧」の制御AIには、私の動きを事前に予測する機能が有るが、そのAIからすれば、私の
「鎧」のAIの学習データと、今の私の動きの間に相違が生じてきている。
「ちょっと……新しい技を……まだ、成功率は5発3中ぐらいですが……」
「その『新しい技』を身に付ける為の訓練のせいで、君の動きのパターンが変った可能性が高い、って事?」
「ええ……」
「『先読み』は切っておく? 多分、一番シビアな状態の時こそ、先読み失敗で事態が大きく悪化するよ」
「このまま行きます。マズいと思ったら、そっちの判断で切って下さい」
数ヶ月ぶりに着装した私の「分身」は、最早、「今の私の分身」ではなく「過去の私の分身」と化していた。
私は、一緒に「秋葉原」に殴り込みをかける他の4人の元に歩いていった。
私の兄貴分で先天的超身体能力の持ち主であるコードネーム「
私の同級生で身体能力だけなら「
そして……。
「ところで、何て呼べばいいんだ?」
私は「