玉置レナ (1)
文字数 1,204文字
一人目の名は
四人目の名は華歯。五人目の名は黒歯。六人目の名は多髪。
七人目の名は無厭足。八人目の名は持瓔珞。九人目の名は
十人目の名は奪一切衆生精気。
この十羅刹女は鬼子母神とその子供達・眷属らと共に仏の元に詣でた。
私達の呪文に
説法者を悩ませ続ける者が居たならば
その者の頭は破れ、阿梨樹の枝のように
七つに割れる事でしょう。
私達に助けを求めた僧侶に危害を加える者は
肉親を殺した者や
他人を騙して利益を得た者や
仏を裏切った提婆達多のように
然るべき報いを受けるでしょう。
法華経・陀羅尼品より
この感じは……初めて、あたしと同じ「力」を持った人と会った時と同じ……でも……。
「ま……まさか……」
あたしと同じ「力」を持ってる瀾の妹も、その「何か」を感じたようだ。
「神」を名乗る化物の力を得てしまった「誰か」。それが、この近くに新たに2人も現われた。
1人は……どこからともなく、方向と距離からして、島のほぼ中央に突然出現し……。そうだ……瀾が、今、居る辺りに……。
もう1人は……この島に、今、近付きつつある。
「聞いた時は……冗談だと思ったけど……」
「何か知ってんの?」
「1人は瀾ちゃん……。もう1人は……『国防戦機・特号機』とかのパイロット……みたい」
「どう云う事なの?」
「あたしの先祖が……あたし達みたいな『神の力』を普通の人間に移植する方法を見付けたらしいの……第二次世界大戦の少し前にね……」
「ど……どうやって?」
「わかんない……」
『あの……「お姫様」……そんな事って……?』
『可能かどうかさえ判りません。少なくとも……可能だとすれば……それは……人間が言う所の「魔法」でも「科学」でも無い方法である可能性が高いとしか……』
あたしに取り憑いてる「神様」から返って来たのは答にならない答。
「あたしの先祖は……『神の力』を移植した改造人間を作り……そして、二一世紀になって、あたしの親類が、その方法を改良して……改造人間じゃなくても、一時的に『神の力』を使えるようになる『鎧』を作った……」
そうか……そう言う事か……。
今年の夏のあの事件の時に見た、本土の御当地ヒーロー「護国軍鬼」の写真……バッテリーその他のエネルギー源らしきものが見当らない
「な……何が起きるんだよ、これから、この『島』で……」
「まぁ、良く有る事かな? あたしと瀾ちゃんは初体験じゃないし」
「はぁっ?」
「クサい言い方だけど……『
一つ言える事が有る。瀾の妹は、瀾以上の変人だ。
さもなくば……瀾の妹だけじゃなくて、あたしも含めて、「『神様』に取り憑かれた」と云う異常な状況に順応すると……必然的に変人になってしまうだけなのかも知れない。