関口 陽(ひなた) (2)
文字数 837文字
「
「今のは威嚇だ。止まれ」
前方では、横向きになった2台のバスが道を塞いでいた。
そして、そのバスの更に前には、十数台の人間サイズのロボット。
おそらくは遠隔操作式だろう。
ロボット達の手には軽機関銃や散弾銃やグレネードランチャーが握られていおり……。
「下れ」
後方のトラックがバックを始める。続いて、私達のバイクも向きを変え……。
「えっ?」
「何これ?」
「聞いてないぞ……」
「言ってなかったか?」
「……あたしも聞いてない……」
「まぁ……言ってても、練習してなきゃ無理だしな」
他のバイクがUターンする中、「
一方、遠隔操作式のロボット達も、足に車輪か何かが付いているようで、ローラースケートのような動きで、私達を追って来る。
「『ルチア』頼む。全部吹き飛ばしてくれ」
「
次の瞬間、轟音。
「む……無茶苦茶だ……」
何が起きたのかは判らない。
少なくとも「魔法」では無いようだ。「気」や「呪力」の
そもそも、既知の「魔法」の多くは、生物……特に人間相手や、霊体相手に特化している為、純粋な物理的破壊力が有る「術」はほとんど無い。
つまり、こんな真似が可能な「魔法」は聞いた事が無い、って事だ。
遠隔操作式のロボット達は、1つ残らず屑鉄と化していた。
おい……まさか……そうか……これが夏に起きた騒動で、「九段」の「国防戦機」と遠隔操作型のロボットを倒した「力」なのか……。
そして、またしても轟音。
「おい……お前……何やった?」
「見ての通りだ」
「見ての通りって……」
「あのバス、邪魔だろ」
「いや……邪魔だろじゃなくて……その……」
「
そのロケットランチャーから煙が立ち登っており……前方に有ったバスは粉々に砕けていた。
しかし、その時、更に別の音がした。