関口 陽(ひなた) (2)
文字数 1,778文字
それが、今の「秋葉原」だ。
早速、自動小銃を乱射している河童と、それに何かの魔法をかけようとしていた「神保町」の「魔法使い」の戦いの場に遭遇した。
「ちょっと行って来る」
「
轟音。
「
いや……炎じゃない……。何だ、アレは……?
霊的なモノらしいので、他の人間も同じに見えるとは限らないが、私には、それが炎に焼かれる無数の死霊に見えた。
もの凄いスピードで、自分達に接近している「
しかし、それが終らない内に、「
「わ……我が……前方にラファエル……。我が後方にガブリエル」
それを見た「神保町」の「魔法使い」は呪文を唱える。動き易くラフな格好の三十前後の男だが、ダークグレイのフード付のブルゾンには防御魔法が、手に持ってる実用性皆無のデザインのナイフは明らかに「魔法武器」「焦点具」、そして、そいつの「気」も、そこそこの「量」で、しかも「気」を武器として操れる者に特有の「
「
「まさか『呪文を唱えてる最中に卑怯だぞ』なんて言わないよな?」
おい、何、呑気な事を言ってる?
ヤツの「使い魔」……オレンジ色の巨大なコブラに見えるモノは既に召喚が終って……。
「うわあああっ‼」
とは言え「魔法使い」も、どこの誰か判んないヤツが、いきなり現われた挙句に銃撃してきて、流石に慌てているようだった。
オレンジ色のコブラは口を開け、かなり強力な「気」を「
何も起きなかった。
そして、一瞬の後、「神保町」の「魔法使い」の方も、
「うわあああっ⁉ 何でだっ⁉ ぎゃぁっ‼」
「
「おい、どうなってる?」
顔は見えないが、一瞬、キョトンとした事だけは推測出来た。
「えっ?……ああ、こいつが何かやったのか?」
「み……見えなかったのか?」
おかしい……。あの使い魔は、そこそこ程度のヤツで、しかも、気配を隠すような真似はやっていなかった。霊感
「この『鎧』は……大概の霊的攻撃を防げる……代りに、着装してる間は、大概の霊的存在を認識出来なくなる……らしい」
「どう云う『鎧』だ?」
妙な「鎧」だ……。まるで、チート能力を与える代りに、「何か」を奪ってしまうような……。
「科学」の産物では無いのは確かだ。同時に「魔法」の産物でも無い。こんな「鎧」を作る「魔法」など聞いた事は無い……。
まさか……与太話だと思っていた、あれは、本当だったのか?
「魔法」に似て非なる……そして「科学」とも異なる「何か」……「魔法使い」にとっての「魔法使い」……「超能力者」にとっての「超能力者」……そうとしか呼べない「何か」が存在している、と云う……。
「説明は後だ。この手のモノを使った事は?」
「
「ごめん……無い……えっ?」
「また……てめえか……」
「
「元気そうで何よりだ」
「こ……こいつ……まさか……」
「そうだ。味方じゃない方だ」
呼吸を整え、平常心に戻るまで、何秒かかっただろう。
心の中で、私の守護尊・金剛蔵王権現の「種子」を描く。
「オン・バキリュウ・ソワカっ‼」
下腹部に「気」を溜める。
「吽っ‼」
気弾は、その「狼男」に命中した。
続いて、「
私に見えたのは3つ。
まず、銃撃。続いて蹴り。更にフックのように狼男の首を殴り付け……いや違う……「
轟ッ‼
もの凄い風切り音と共に狼男の蹴り。
「