緋桜 (4)
文字数 611文字
もっとも、両方とも霊力は完全に失なわれていたけど。
「な……何が……起きたんだよ、これ?」
神社の本殿は火に包まれていた。
その中から出て来たヤツが1人。
ガンっ‼
そいつは……あるモノを地面に叩き付けた。
小柄な女の子が着けていた白銀の
「ふ……ふざけた真似を……」
ヤツは……孫悟空のヘルメットの人の方を向いて言った。
「……あの小娘は……やはり、高木
「へっ?」
「ヤツと同じだ……。あの小娘は、とんだ狂人だ……。あの小娘には……普通の人間の心の中に有る何かが欠けている」
「え……っと……あいつは……?」
日本の魔法使いの女の子が戸惑ったような声で訊ねる。
「知るか……。だが……もし生きていたなら……次に会った時は、お前の敵になると伝えろ。あの小娘は……危険過ぎる。あのような狂人が、力を手にしている状態など……到底容認出来ん。俺も焼きが回ったようだ……。日本を滅ぼしてくれると見込んで生かしておいた男の子孫であろう小娘に、日本の未来を託そうとするなどな……」
そして……苛立たしげに、倒れていた遠隔操作式のロボットを踏み付けると……。
「なるほど……この手を使ったか……」
けど……さっきまで、そのロボットの