関口 陽(ひなた) (3)
文字数 953文字
『いや……ここまで上手くいくとは思ってなかった……。やってみるもんだな』
「なぁ……どうやったら、いくらチート級でも、人間サイズの
『向こうのパイロットは素人で……パイロットを補佐するAIは、ここ十年更新されてない骨董品だ。AIの裏をかけそうな手を思い付く限りやってみたら……ほぼ、悉く成功した。3割命中すれば御の字だと思ったら……命中率が9割超えてた』
だが……問題が1つ。
私と台湾から来た女の子は、どさくさに紛れて「英霊顕彰会」に奪われたモノを取り戻すつもりだったのに……肝心の「どさくさ」が、あっさり終了しちまったのだ。
「どうすりゃいいんだよ、これから……」
『何か妙な感じだな……。予想より上手くいったのに……そっちは怒ってて、こっちは謝ってる……』
「そっちからすりゃ、最大の問題は片付いたんだろうけど……私達は、どうすりゃいいんだ? 今回は諦めて撤退か? ん?……何だ?」
次の瞬間、ヘルメット内のヘッド・マウント・ディスプレイに見慣れないアイコンと「Hakata 4th team Supporter 05」と云う文字が表示される。
『ニ〇分ほど前に、こっちに集結してた「レコンキスタ」のVTOLが飛び立たけど……行き先がようやく判った。Neo Tokyoの「千代田区」方面に向かっている。そろそろ……』
その時、空から光。
「その連中……こっちに……到着したみたい……」
私達と一緒に行動してる「
『そうか……。乗ってるのは……「レコンキスタ」本部直属の……』
「ねぇ……あれ……なに……?」
台湾から来た女の子が、光の源を指差す。
そこには……まるで……昔の子供向け特撮にでも出て来そうな変な形のプロペラ機が……
「拡大……。『レンジャー隊』の中の更に精鋭……『
『判ってる限りでは……五チーム……約五〇人……』
その……変なプロペラ機から……光るロープが地上に降され……それを使って……白い何かが次々と地上に降りて来ていた。