玉置レナ (2)
文字数 887文字
瀾から、そう連絡が入った直後に、2人1組の「こいつら」と遭遇。
「こいつら」こと、空に居るVTOLから降りてきた白いレンジャー隊は、手当たり次第に次々と人を殺していた。
私は白いレンジャー隊員の両手両足の付け根をピンポイントで熱する。
嫌な臭いと共に……その2人の手足は胴体とさよならし……。うそ……まだ……動こうとしてる……。
続いて聞こえてきたのは……色んな言語だけど「助けてくれ」の意味なのは判る無数の叫びと懇願。
私と「副店長」は、成り行きで、外国人観光客や、この町の「一般職員」を助けて、避難誘導をやる羽目になった。
「おい、そこのボケ。それは自動運転モードになってる。お前が運転しようとしても反応しない」
「えっ?」
「降りろ、降りないと撃つぞ」
あたし達が乗ってたバイクや4輪バギーを奪って自分だけ逃げようとするヤツも、当然出てくる。
「副店長」は、怪我人の映像を医療チームに送信し……時に首を振った。助かりようが無いらしい何人かは見捨てるしかなかった。
『あんた達はゴジラみたいなモノだ。「強い誰か」と戦う事には向いてても、「弱い誰か」を護る事には向いてない。ゴジラには平気でも、人間には致命的な「何か」を見落してしまう危険性が有る』
8月の事件の時に、瀾に言われた事を嫌でも思い出してしまう状況だ。
「こっちだ」
副店長は避難者達を、とりあえず「島」の中央に有る公園に誘導しようとしていた。
その時……。
「マズいな……こっちにも『魔法使い』が居た方が良かったか……」
「副店長」は立ち止まり、空を見上げた。
「何が、起きてんの?」
「そうか……あんたには見えないんだったな……」
だが……次の瞬間……。
「う……うそ……あたしにも見える。どう云う事?」
『簡単な事です。あれの支配権を「神の力」を持つ者が奪ったのですよ。……ただ、あれが何かは……
あたしに取り憑いている自称「神様」が、前半は有益だけど、後半は、あんまり役に立たない助言をしてくれた。