緋桜 (3)
文字数 1,897文字
リーダーらしい作業用
「えっと……それは……その……あたしは……その……
「はぁ?」
「私達の流派だと、
「あの……何が言いたい……?」
「あれを呼び出す術を完全に知る事が出来るのは、
「だから……その……」
「心身の状態や魔力が万全じゃないと、
「ごめん……説明してくれる気が有るなら……変なネット・スラングやオタ用語抜きでやってもらえる?」
……数分後……。
いや、もっと長かったかも知れないし、もっと短かかったかも知れないけど……とりあえず、あの悪霊達の数が一・五倍になる程度位の時間だ。
「ええっと、つまり、こう云う事か? あんた達の流派では、
「はい」
「で、一番下っ端のあんたでも、あれの存在だけは知ってると……」
「ええ」
「しかし、その7階級か8階級だかの内、上の3階級しか、あれの正体は知らなくて、召喚方法を完全に知る事を許されてるのは、一番上とその次の階級のヤツだけ」
「ええっと……あたしの流派では……一般的に召喚と言われてる術は『召喚』と『喚起』に分けられてて……」
「その説明は、今起きてる件で重要なの?」
「いいえ……」
「ああ、そう。で、あんたが、あれの正体を良く知らないのは……頭が良かったり、才能だけは有ったりするけど、
「はい、その通りです」
「初めから、そう言えよ……」
「ああ、時間を無駄にした……」
「これだから『魔法』オタク上がりの『魔法使い』は……。大体、ぽっと出の怪しい流派だから、しょ〜もない事を変な横文字使って胡麻化したり、あんな危険な術を安易に……」
「おい、私は……あれが見えないんだが……ただでさえ時間を無駄にしたんなら、この上、ウダウダ苦情を言ってる余裕は有るのか?」
「よし……じゃあ、魔法を使えるヤツ、手伝ってくれ……。一時凌ぎでいい、あれを封じ込める結界を張る」
「でも……困ったな……ボクは……ここでは……」
ボクは、「魔法使い」らしいのに、何故か、阿呆っぽいペイントの作業用
「どうしたんだ……ええっと……?」
「
「魔法使いとしての名前とか、ヒーローのコードネームとか、そう言うの?」
「いや……本当の名前を漢字に翻訳したの」
「へっ?」
「台湾出身だけど……中国人が台湾に来る前から住んでた民族の出身だって……」
おね〜さんが、そう説明してくれる。
「で、何かマズい事でも有るのか?」
「ここ、人工の島でしょ? ボクの術は、漢人の云う『龍脈』から力を取り入れるモノなんで『龍脈』がほとんど無いここだと……」
「ああ……でも、『気』の量は……私と大して変らないみたいだから……」
「でも、普段の何分の一かの力しか出来ない」
「全くの役立たずって訳じゃないだろ」
「うん……まぁ、そうだけど……」
「あのさぁ、ちょっとネットで調べたんだけど、海流も龍脈の一種……」
名前を知らないショートカットの眉の太い女の子が
「却下だ」
全部言い終る前に反応したのは、戦闘用
「何をやる気か想像は付くが、この『島』ごと沈んでも仕方ないようなもっと酷い事態にならない限りやるな」
続いて、リーダー格っぽい作業用
って、何をやる気だったんだ?
「とりあえず、ここに居る『魔法使い』3人でも何とかなる手を思い付いた」
今度は、馬鹿っぽいペイントの作業用
「ええ? そんなの有るの」
「そ……そうですよ……。だって……」
続いて、眼鏡の女の子。
「質問が有るなら、手短かつ意味不明な魔法オタク用語無しで頼む」
「えっと……」
「とりあえず、この
「えっ?」
「どう云う事ですか?」
「隠すんだよ……これから張る『結界』の外の全世界を……あの悪霊どもから」