２０日　火炎の舞い

　神器は、次のターゲットを発見した。
　旅の一座の女性、カフネ。火炎というスキルを持つ。ヘカトンケイルは遠くの物体を焼くことができるスキルを恐れていた。移動先を焼かれてしまうと炎の中に飛び込むようなもの。

　誰にも気づかれない空間移動でカフネを急襲。今回の目的は、火炎を発動する前に息の根を止めること。

　カフネが一人で練習している時に、ヘカトンケイルは現れた。
「キャー」
　カフネは悲鳴をあげた。ヘカトンケイルは渾身の力で彼女を握り潰す。ボキボキと骨の折れる音。
「ウグッ。カハッ」
　血を吐き、息もできないカフネ。最期の声を振り絞った。
「双剣よ。アークワンの元へ飛べ・・・」
　彼女の声に剣が応えた。光となり、上空に消えた。カフネの鼓動が止まる。ヘカトンケイルは、目的を達成した。亡骸を地面に捨てた。
　辺り一面を焼き尽くす。ヘパイストスの命令は達成し、ヘカトンケイルは活動を停止。スリープモードへ移行した。