5日 ド天然の天使と骸骨

文字数 400文字

 ド天然の天使と骸骨。不思議な組み合わせの二人がいる。アズリエルと骨三郎。

 骨三郎は、死霊族の名門出身。由緒正しき骸骨。スカルデロン=デ=モンテ=ショスタコビッチ三世という本名があるが、長いという理由から彼女に骨三郎と呼ばれている。

 百年前、数多の名家が王位を争って戦を起こした。存分に漏れず、ショスタコヴッチ家も参戦。
 その争いで、骨三郎は戦死。無念のあまり、魂が召されずに死霊と化した。

 理由は分からないが、百年ぶりに本来の姿に戻った彼は、微笑んでいた。普段とは違う姿に戸惑うばかり。
 次の瞬間、彼女は静かに鎌を振り上げた。
「骨三郎。・・・元に戻してあげる」
 (何で・・・)
 彼女は死を司る闇の天使・アズリエル。クールで極めて天然。100%の親切心で、安らかな死を与えに来るので、「ド天然の死神」とか、「とても親切な厄災」として恐れられていた。
 今頃、二人は賑やかに仕事をこなしていることだろう。
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