11日 折り紙の日なんですって・・・。

文字数 390文字

 小高い丘に一本の大きな木が立っている。
 そこに不思議な一人の少女がいた。
 (どうしたの?)

 少し離れた場所から、その少女を目で追った。彼女は鞄の中から紙を取り出し、それを笑顔で折っている。
 (・・・さて、何が出来たのかな?)

 鳥の形をしている。
 (そうか、折り鶴だ!)
 でも、外で折る必要があったの?
 普通は家で折り紙を折るよね。外は風で、折り紙自身が舞うじゃない。変だなと思っていた。

 その疑問は直ぐに解決した。
 (何で・・・?)
 折り鶴が勝手に動き出し、空を飛んでいる。しかも、一羽だけではない。折り鶴の全てが、あたかも生きているかのように動いていた。
 (こんなことがあるなんて・・・)
 目を疑った。まぶたを擦ってみたが、夢ではない。現実のようだった。

 ハッとし、我に返った。
 (金魚を守らないと・・・)
 鶴に食べられるといけないので、金魚をソーッと隠す「おこん」であった。
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