12日 漢字の日

文字数 395文字

 筆神は、腕を組んで考えていた。
 (今年の漢字は何だろう?)
 太陽先生は、別世界には今年を表す漢字を一字で書く日があると言っていた。それが今日だ。
 以前、京都という地名にある清水寺で、住職が書き上げると教えてくれた。

 別世界では、感染症が流行っている。「covid'19」という名前らしい。太陽先生は、今頃何をしているのだろう。先生は、大丈夫だと信じている。きっと、流行り病には負けないハズだ。

「あっ、筆神先輩。今日はどうしたんですか?」
「マルフィーザさんか・・・。ちょうどいい。今年の漢字を一字だけ、書いてみないか?」
 マルフィーザは、何のことか分からなかったが、筆を持ち、サラサラと書いた。
「今年は、これでしょう」
 そこには、「炎」と書かれていた。
「さすがだ。ラニ火炎と獄炎の『炎』だな」
「そうです。これしかないでしょう。一択じゃないですかね」
「そうだな」
 筆神は、負けじと書き上げた。
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