30日 鏡の日

文字数 395文字

 カレフティスは、うっとりとしていた。
 彼女の持つ神器ディ・ガット。見たいものを鏡に写すことができる。

 今日も覗くのは猫王国。鏡に写った可愛い猫達に癒しと萌えをもらっている。王様の無茶ぶりに振り回される猫妖精達。眺めていると退屈しない。笑いが込み上げてくる。
「あぁ、今日も最高ね。もう一層のこと私が猫王国で暮らそうかしら」
 引っ越しを検討するカレフティス。荷物をまとめ始めている。空き家の物件が無いことを祈るばかりだ。

 彼女の笑顔を消したく無いが、「そんな楽しいことばかりじゃないよ!」と彼女に教えないといけない。
 遠目で見ている分には、面白いかもしれないが、思い出すだけでもイライラする。

 王様は、悪戯好きだ。誰彼構わずに行う。ただの暇潰しなのは知っている。王様が暇なのは部下が頑張っている証拠だ。
 まさか、彼女にまで悪戯をすることはないだろうが、止めた方がいいだろう。理想と現実は違う。
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