20日 毛皮の日の出来事

文字数 380文字

 この日は、いつもより震えていた。
 今日は、毛皮の日という我々にとっては厄介な日。さらに、もう少しすれば肉の日だ。
 我々は、人間に食べられる。皮も使われる。こんなことでいいハズがない。俺は人間のために生きていない。

 ・・・でも、ダメだ。次は俺の順番だ。一緒に産まれた兄弟達は、もういない。俺は末っ子だった。身体が小さいから後回しにされていた。

 そんな時に、アイツが人間と戦える力をくれた。確か・・・カイルと言った。
 その王冠を被り、身に付けると身体の奥から力が溢れてくる。俺は歓喜した。
 柵を破壊し、見事に脱出。
 (やったぜー、俺は自由だー!)

 草が生えている野原へ急いだ。たどり着いた場所には、柵の中に同胞がいた。
 (待っていろ! 今、助けてやる!)
 俺は柵を破壊した。それ以降、柵を見れば破壊を繰り返した。いつしか王《キング》ナンディと二つ名がついていた。
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