3日 アロマの日よ。そこの貴方・・・。

文字数 398文字

 「ここは、いい場所ね・・・」
 自前の新作アロマを、微笑みながら無料配付するドキシール。
 しかし、それはサービスという名の実験場。
 今日も新たな犠牲者が・・・。

 彼女は全く気にしない。たとえ、それによって犠牲者が出ても、お構い無し。実験データが取れたと喜んでいる。反省など一切しない。頭にあるのは、次のアロマのこと。

 せめて、被害者が少なくなるように、私は祈るだけだ。
 「ちょっと、そこの貴方・・・」
 (えっ?)
 ドキシールは、知らない間に目の前に立っていた。
 「私のアロマを使ってちょうだい」
 「えっ? お金を持っていないので、買えません。ごめんなさい」
 「そうなの・・・。残念ね。・・・では無料でこれを配っているの。こちらを使ってちょうだい」
 「・・・ごめんなさい」
 私は慌てて逃げ出した。新たな犠牲者となるところであった。その後、無料で受け取った人達がどうなったか・・・。今は考えたくない。

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