１０日　ビーチで、はしゃぐ女神様

　戦場を駆ける勝利を司る女神で、ニケのライバル。名前は、ヴィクトリア。
　よく同じ女神のニケと、いがみ合っているが、互いに相手がいないと、どことなく寂しそうにしているなど、仲がいいのか悪いのか。よく分からない。

　張り合う相手がいないことを、ちょっともの足りなく思いながら、「まあ、ニケさんが『どうしても』と言うなら、今度連れてきてあげてもよいですわ。オーッホッホッホ！」
　高飛車な声がビーチに響く。美しく優雅なビーチに満足し、バカンスを満喫すべく、のんびりとくつろぐ。

　ド派手に水しぶきを上げながら、海の上を疾走するグアトリガ。
　ありえない光景に、ビーチの視線も独り占め。彼女は、とても上機嫌の様子で、海上を駆け抜けるのだった。
「オーッホッホッホ！　水平線の彼方まで走りますわよ！　グアトリガ」
　テンションの高い彼女に、渋々付き合うグアトリガ。早く帰って水洗いをしてほしいと思っていた。