8日 刃物の日だからだと・・・。帰れ!

文字数 391文字

 「用が無いなら、放っておいてくれ。俺は鎚を振るっていればそれでいい・・・」
 ヘラは、相手をされない。鍛冶屋として有名人となった息子を迎えるためにやって来ていた。
 それもそのはず。彼は過去に捨てられたのだ。実の母親であるヘラに・・・。

 テティスに助けてもらわなければ、今頃、海の藻くずと化していただろう。母親に捨てられた悲しみが貴女に分かるのか? そんなことだからゼウスの親父は浮気をするのだろう。
 (反省するんだな)

 ヘパイストスは、神器を作り出していた。有名な神器は、ゼウスに渡した雷霆、アイギスの盾。それとアルテミスの矢。
 アルテミスは最近、オリオンというストーカーに好かれているらしい。

 「過去のことは水に流して帰ってきなさい」
 「あんたと話すことは何も無い。帰ってくれ!」
 ヘラを追い返すと工房に引きこもった。
 (・・・くそっ!)
 今日は厄日だと思うヘパイストスであった。

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