12日 洋服記念日なんだよ。

文字数 391文字

 会議室で口論が聞こえる。
 ミシェイリアスとレディ・シトラス。
 二人のデザイナーが、お互いの意見をぶつけ合っているようだった。今日も二人の意見は、食い違う。私には、何で揉めているのか分からなかった。

「レディ・シトラス。もう魂を抜き出す衣装を止めないか?」
「そんなのダメに決まっているじゃない! バカなことを言わないで・・・」
「俺は、あんたの作品を認めているんだ。美しさの秘密も知っているんだぞ」
「私も貴方の作品を認めているわよ。・・・でもね。それだけじゃないのよ。私の作品はね」

 若作りをするために、若い魂を少しだけいただいているなんて言えない四十代の美魔女、レディ・シトラス。
 そして、今日も若い魂を魔力へ変換し、蓄えていくのであった。

 今日のターゲットが私だったなんて・・・。
 ヨシノとカグラは、想像していなかった。記念撮影だと信じていた。ドレスに袖を通す時間が迫ってきていた。
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