25日 姉さん、待ってろよ。

文字数 396文字

 一人の少年が天界を目指していた。
 少年の名前はラエフォート。竜人の村から旅をしている。
 突然、姉が原因不明の病に犯され、苦しみだした。姉思いの彼は薬を求めて、世界を旅することにした。

 頭にあるのは、笑顔の姉。それを取り戻すためなら、どんな困難も乗り越えていく。グレートヒェンの持つ薬なら、姉の病気は治るんだと信じて、歩き続けている。

 街に着くと聞き込みを開始。フラスコを持つ少年に出くわした。
「この街にグレートヒェンさんは、いるかい?」
「あぁ、いるよ。何の用だい?」
 彼の名前は、ファウスト君。
「姉のために薬を分けて欲しいんだ」
「それなら僕が診てあげるよ」
 ラエフォートは驚いた。半信半疑だったが、村へ連れ帰った。自分でも信じられないが、「僕が診てあげるよ」という言葉が、嘘でも嬉しかったらしい。
「どうかしているぜ! ラエフォート」
 姉思いの彼に言えなかった。藁=ファウストだったのだろう。

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