第3話 漫画喫茶のバイト

文字数 509文字


長年の夢であった、漫画喫茶のアルバイトが始まった。世の中に楽な仕事はないと言うが世界にひとつだけあると言う。そう、それが漫画喫茶である。…とある友人がボクに吹き込んだ言葉を右に書こう。「漫画喫茶のバイトめっちゃいいよ。漫画読み放題だし、飲み食べ放題だから。」ボクは憧れの眼差しを友人に向け、彼はまるで教祖様のように得意げにそう語った。


あれから数年がたち、とうとう憧れのバイトを見つけ、第一次試験の綱引きをクリアし、第二次試験の面接官との口論もなんとか論破、若者達との切磋琢磨の末、第三次試験の借り物競走もギリギリ突破した私はなんとか夢の切符を手に入れた。


しかし、現実は厳しかった。出勤すれば、清掃にお客さん対応に調理。想像していた漫画読み放題の時間はなく、休憩中に控え室の漫画を読んでいただけで「ダメ!それ、お店のだから!」と怒鳴られ、もう心が折れそうで、あの得意げな友人への怒りと殺意が止まらず、電話をかけるもガイダンス。「現在、漫画喫茶のアルバイトは辞めております。用がある方はお腹がピーという発信音の後に……………」…………電話をガチャ切りし、板チョコレート(ホワイト)を3枚暴食した。

2021.02.10 執筆
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