第15話 悪徳業者

文字数 717文字



2021/04/16
展示会が終わり、これからは平和で退屈なオチャメ生活が待っていると安心していた所、「ピンポーン」とチャイムがなった。そういえば、水道屋さんが見積もりに来ることになっていた。我が家は水道管が水漏れを起こしていてお風呂が使えない。

「はーい」とよそ行きの顔で出迎えた所、お爺ちゃん連中が2人。片方が「社長」で、片方が「社員」のようだ。文字は1文字違いであるけれど、態度は大きな違いだ。そんなに差があるのだろうか。見積りなので、すぐに帰るかな?と思ったが、なんだか仰々しく、ガス台を動かし、調理台を動かし、なんと、床を機械で削り始めた。

おいおいおいおい。と、「あれ?見積りだけと聞いてましたが?」「ん?いや、工事をしながら見積りと聞いてるよ?」「えっ?」と私は凍りつき、なんだそれは、と混乱状態に陥った。しかし、怪しすぎると脳が判断し、大家さんに電話。大家さんと水道屋さんの電話は一触即発の雰囲気だったが、水道屋さんは作業をやめ、帰っていった。非常に怖かった。悪徳業者というのは、存在するものなのだなぁと感慨深く思った。

今後の対策として悪徳業者検査キッドを購入し、玄関に設置する必要があるなぁと、Amazonで検索をかけたが、見つからない。ならば、自作するしかあるまい、とDIYで作ることにした。完成したものは、熱を測る体温計にテプラで作成した「悪徳業者検査」というシールを貼り付け、今後来る業者にこれでまず熱を計ってもらおう。

恐らく、悪徳業者はこれで測ったらまずい、バレると感じ、すぐに撤退するだろう。ふっふっふ。悪徳業者の訪問が楽しみだ。まさに「虎穴に入らずんば虎子を得ず」である。ふっふっふ。どういう意味かは忘れたぜ。
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