第28話  漫画喫茶に愛を

文字数 608文字




漫画喫茶に来ている。3ヶ月前、私はこの漫画喫茶でアルバイトをしていた。しかし、実質1ヶ月で不甲斐なくも退職する運びになった。そこに今度はお客として顔を出した。なんの役にも立たず、ただ給料を1ヶ月分受け取り、何食わぬ顔で過ごしてきたが、そのお金と汚名を返上しにやってきたというわけだ。しかし、流石に働いていた店舗にはどの面を下げて行けばいいのか、ググっても出てこず、仕方なく、いつものやや不細工で醤油顔をぶら下げて系列他店舗に向かった。

す、素晴らしい。アルバイトさんの接客、ソフトクリーム食べ放題、飲み物も豊富、トイレも綺麗、Wi-Fi完備!!どこをとってもレベルが高く、素敵なひとときを送らせてもらった。

私に出来ることは今後もこの素晴らしい漫画喫茶を十二分に満喫し、なるべくスタッフの負担が増えないよう、カップやコップをあまり汚さず、ゴミはきちんとゴミ箱へ、そういう当たり前のことをやっていこう!と心に決め、そこを後にした。

それにしても、正社員、社長、次長、アルバイト、料理人、南国料理人、パーソナルトレーナーに関わらず、相手を喜ばせるようなことができる人は素晴らしいなぁと心から思い、そういう人になりたいなぁと感じた昼下がりの午後だった。

しかし、よくよく考えたら今日アルバイトをズル休みしていたことを思い出し、まずは目の前のことをしっかりやらなくてはと、束の間の反省をするいつも通りのしょーもない午後なのであった。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み