第33話 散歩日和

文字数 776文字




ただ歩くのも気持ちが良いものだ。人は意味を求めたがるし、やらなくてはいけないことを作りがちだが、本当にやらなくてはならないことなどは何もない。ただ今日を気持ちよく過ごしたいものだ。

本日は早めに目覚めることができたし、珈琲を飲むことができたので、もうこれで合格であるから、先輩とランチに行き、お話をした。なんとなく今日は特に喋りたいことがなかったので沢山お話を聴けたことが嬉しかったし楽しかった。

その後、何をしても良かったのだが、先日にいただいた市民ギャラリーの絵の招待状が鞄の中に入っていたことに気付いたのでおもむろに足をそちら側の方向へ向けたところ、勝手に歩き始めたので、それを止めなかった。

市民ギャラリーは広く、沢山の作品があり、オモロかった。絵を描きたくなったのだが、描く必要もないので、暇になったら描くのだろうと思った。沢山観るとなかなかに疲労が溜まるもので、よって1Fのカフェで文章を吐き出したいというような気持ちが起こったので、無事吐露できて、さぞ気持ちが良いだろうと思った。

こいつは何なのだろうと思う時がある。が、それはどうやら自分であるらしく、余計なことばかり話すそいつが腹立たしい場面もある。しかし、そいつはそいつで一応名前が与えられており、それなりにくだらないことも考えているらしかった。とても疲れたような雰囲気をこいつから感じるので帰りはポロクルに乗ることにしようか、などと考えながら外に出るとポロクルが一つもなく、こいつのテンションはだだ下がりしたみたいだった。

歩くことについて、相談したところ、足という部位が反対の声明を上げたが、その他は満場一致で賛成だった為、足は渋々でも歩き出す他なかった。世の中は理不尽である。と、こいつはこの文章で終わらせるだろうと思ったら本当にそうしたので、こいつは本当にワンパターンだなぁと思った。
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