第17話 憂鬱デイの対処法2

文字数 891文字



前の前の日曜日の話。

今日は絶望的な状況であった。外は雨だし、身体は怠いし、寝不足だしで、起きた瞬間にもう疲れていた。しかし、前回とは異なり少し成長している私は、ふむふむ、今日はこういう日か。と納得し、その上で、今日をできる限り平和に過ごすべく動き出した。

まずは、「憂鬱だぁ〜」と叫び散らしてみた。数回叫び、時折、メロディも混ぜてオペラ歌手しくよろ、高音でビブラートを利かせた上で叫んだ。「ユウ〜ウ〜ツーーーーダアァァア〜↑」と。するとどうだろう。

気分は全く変化せず、むしろ死にたくなり、貴重な自己肯定感という成分が小生の身体から多少蒸発した。

このままではまずいと、トレーニングジムに向かった。ジムに入る時に店員さんから「こんにちは〜」と言われたが、あまりの不調さに無視してしまった。無視してしまった罪悪感から運動する気が全く起こらず、お風呂のみにした。

お風呂に入っていると、ガングロのお爺さんから「同じ向きで入れ!」と注意を受けた。3人ほど入れるお風呂で、私だけ逆向きで浸かっていたからだ。腹わたが煮えくりかえる想いであったがなんとか堪え、出来る限りの反抗的な態度を示しつつ、従った。

その後、ガングロ爺ちゃんはサウナに入って行った。サウナの中で帰化していることを願いつつ、「炙りちくわ」というあだ名を付けることでなんとか意識を保った。

ま、まずい。このテンションでこれ以上人と関わるのは危険だ。もしまた「炙りちくわ」と出会った場合、プロレスラー天山選手の十八番、モンゴリアンチョップを繰り出してしまう可能性だってある。急いで家に帰り、寝た。なんと!18時から7時半まで眠った。

翌朝、心地よい気分で目覚め、まるで昨日のことが夢であったかのように調子が良くなったのだ。

その日もジムのお風呂でまた「炙りちくわ」と遭遇したが、同じ向きでお風呂に入る柔軟性を発揮し、調子が良ければこれくらいわけがない。と、心の中で「ふはははははは!見たか!炙りちくわ」と高笑いし、自己肯定感を高め、家に帰り布団に入った。しかし、今日の自分の素晴らしき柔軟性に興奮し、寝付けず、次の日、寝不足により不調に陥った。
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