第35話 猫でヘックショイ

文字数 764文字




姉の家で留守番をするという任務についた。姉の家は一軒家で猫が2匹いる。明日まで、その世話をせねばならぬ。やるしかねえ。絶対にこの任務を成功させてみせる。

昼過ぎに任務開始。既に糞尿を垂れ流してあった猫用トイレからそれらを片付ける。よし、これでしばし自分の時間だ。すかさず、本を読み、音楽を聴いた。すると、1匹目の猫が甘えてきた。ちっ、しょうがあるまい。此奴も今回は顧客である。少し構ってあげよう。適当に撫でたりすることで、キャッツも満足したようだ。よし、寝おった。すかさず、読書。

夕方。「へっくしょい!」クシャミが出た。仕方あるまい。たまにはクシャミの一つや二つ。へこたれるな!自分を叱咤し、なんとか読書に戻る。すると先程のキャッツがまたも新生かまってちゃんと化し、我が右腕に身体を擦り付けてくる。美女であれば嬉しいが、此奴はキャッツだ。自分を戒め、軽くあしらうとキャッツは2階へ消えた。よし、映画を観よう。おっとしかし、目が異常に痒い。涙が出てきた。「ヘックショイ!」クシャミもまた出た。

これはまかさ!?そう、何を隠そう私は猫アレルギーなのだ。実家の猫1匹でもたまに辛い。今回の敵は2匹だ。体内ではアレルギーとの闘争が激化していた。「ファイト!」と中島みゆきさんの唄で我が細胞にエールを贈る。しかし、劣勢だ。目がどんどん腫れていく。クシャミが止まらない。私は完全に白旗を上げ、外に飛び出した。今日は車の中で眠るしかあるまい。

車ではその名曲が流れ続けていた。「ファイト!闘う君の細胞。闘わない奴は目が腫れるだろう。」

「ファイト!」思わず口ずさみ、車にあったロイズのチョコレートを暴食。目を瞑ると、目からは大量の涙が零れ落ちる。くしゃみも出る。「ヘックショイ!冷たい車の中で震えながら眠っていけ。」と、替え歌し、そのまま不貞寝した。
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