第16話 親バカであれ
文字数 1,088文字
2021/04/17
私の言う親バカとは、私の子供かわいいでしょ?うふふふふ。という親バカではない。
単純に親はバカであるべきだ。ということだ。特殊な例を除き、子供は生まれてから親によって育てられる他ないわけであるから、親を神のように思ってしまうことがある。しかし、それは幻である。
親は人間として未熟である。いや全ての人間は未熟である。よって、親はあまり余計なことはする必要がないように思う。
だがしかし、過度な常識や社会性を説いてしまうケースも少なくない。その場合の子供に関しては、小学校3年生を境にして、ご飯を作ってくれる時と、お小遣いをもらう時にだけ、媚を売り、それ以外はまったく空返事をするという状況が好ましい。
お前は子供がおらんから、大変さが分からんやろがい。というクレームは是非、チョコレートと共に送っていただきたいが、その点に関しても、同様である。
私が親になった場合はそもそも存在がバカである故、むしろ馬の方が賢いという状態なので、馬鹿馬鹿しいことを子供に押し付け、やがて嫌われるはずだ。そしてむしろ、子供が学校で学んだことを教えてもらいたいほどバカであるが故に、子供は私に勉強を教える羽目になり、子供はさらに賢くならざるを得ないという状況になる。アウトプット即ち、教えることは一番の勉強である。
ところで、もし拙者が里親になった場合、早めに日本から脱出させてあげるのも一つの方法かも分からない。日本だと周りに気を遣い過ぎて子供の才能を殺してしまうこともありうるからだ。
海外で英語を学びつつグローバル性を身につける子供に対し、私は「かつのり!拙者どえらいバカやけんの。英語教えてーなー。プリーズテルミー!」などとバカにバカを上塗りし、子供の靴を舐め、どんどん成長する子供に「可哀想・・」「僕が守らなきゃ」という感情を植え付けるのである。もちろん親の威厳はなくなるし、金もなくなる。
しかし、これは投資である。20歳を過ぎ、帰国した時には、「かつのり、これが日本という国だ。ふっふっふ。オチャメな国だろう?良い所も悪い所も沢山ある。君の価値観と能力でうまく乗りこなしたまえ。」と野に放つのだ。すると、海外でのびのび育ち、バレエ、ジャズ、射的、演劇、乗馬に存分に嗜んだ息子は、5年以内に売れに売れ、発売したCDは入荷待ち、開催したバレエ教室は、生徒が殺到し、窒息状態になり、生徒同士が殴り合いをおっぱじめるほどの売れっ子に成長。いずれ両親に莫大な財産か借金をもたらすはずだ。
しかし、まずは高望みせず、近くのパチンコ屋かホームセンターに子供を置き去りにすることから始めるべきだ。