第14話 海老名海老丸
文字数 605文字
2021/04/10
今日は展示会4日目。
今日は生まれて初めて調理前の巨大なエビを見た。展示会場であるカフェギャラリーオマージュにて、仕入れたてのオマールエビを見せていただいたのだ。オマールエビはジャンル分けすると、モデルの蛯原友里さん(通称エビちゃん)、歌舞伎役者の市川海老蔵さん、漫画家の蛭子能収さんと同じ部類に入る。
このオマールエビという種類は非常に大きく、ある種アグレッシブ過ぎるが故に爪が開かないようにストッパーが付けられていた。あれを取ると、長州力のように周りの人間相手にリキ・ラリアットを連発するらしい。
彼(エビ)はその大きな身体とは裏腹に非常に健やかな瞳で、非常に和やかな雰囲気を纏い、カウンターに腰掛けていた。オマージュマスター曰く、「カナダからの長旅で疲れている」とのことであった。
なぬ。なるほど。旅人、いや旅海老であったか。カナダには未だ行ったことがない。どんな国であったか、感想を聞きたく、心の中で話しかけてみた。
私「ハロー」
エビ「日本語で構わないよ」
私「こんにちは」
エビ「まだおはようじゃないかな?」
私「意外と細かいんだね、エビなのに。」
エビ「エビが細かくなさそうというエビデンスはあるのかい?」
私「エビデンスって何?」
エビ「証拠だよ。英語も分からないのかい?」
私「…………。」
エビに論破されたので、今日は英語の勉強をしてから明日の展示会5日目に備えようと思う。ご来場お待ちしとります。