第11話 虫インザハウス

文字数 713文字



2021/3/30
春になり、暖かくなってきた。
嬉しいことも沢山あるが、それだけではない。そう「虫問題」がある。

札幌の外れにある我が古民家では、続々とわらじ虫が集まってきていて、あれ?うちって、虫に大人気のラーメン屋でしたっけ?あるいは、うちって虫にとって渋谷ハチ公前でしたっけ?と聞きたくなるような状況である。

最初は一匹ずつ外に投げるという対処法を取っていたのであるが、途中からは無視するということが最善なのではないかという結論に行き着いた。

ただひとつだけお願いしたいのは、ヨガマットにだけは立ち入り禁止の看板を立てたいということであり、それだけは守ってほしいのである。しかしこれが、なかなか難しい。仮にヨガマットに侵入した場合は電気が流れるだとか、突風が吹くというようなシステムを施工しようと業者に見積りを出すも、意外と高額なのでやめようかと考えている。

最後の手段はもちろん手話を習い、虫と対話をすることですが、その為には虫も手話を習う必要があり、そのことを伝える術がないわけであり、極めて八方塞がりな今日この頃だ。

しかし、ここはシェアハウスと割り切り、住民たちとより良い生活を堪能すべく、協力できることを証明をし、人間の有能さを神に証明することを小生の生き様として、白日の下、証明したい。

しかし、私にだって時折、虫の居所が悪い気分の時があり、その場合は危害を加える可能性もなきにしもあらずなので、そういった気分の変調があるということをぜひ、お見知りおきいただき、その中で、できる限りの協調を進めていくことが小生に課せられた使命、及び神からの指名なのではないかと日々うなされているので、できる限り早めの引っ越しを考えている。
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