第106話 高津退場

文字数 7,037文字

「三論宗の開祖は龍樹(りゅうじゅ)さまなるぞ!

龍樹さまは大乗仏教の大成者にて法相宗をはじめとする南都の宗派及び天台宗と真言密教でも開祖とされている。

それに比べて法相の教えは龍樹さま没後二百年を経て遺された論考から派生した宗派ではないか。
よって、三論は君親、法相は臣子なり!」

弘仁四(816)年五月、
張りのある声を響かせて論敵を退けたはこの年五十九になる三論宗の僧侶、勤操(ごんぞう)

彼はこの年、嵯峨帝の勅命により僧の最高位である伝燈大法師(でんとうだいほうし)(貴族の三位に相当する)に就き、
大極殿にて聖武朝より続く金光明最勝王経(こんこうみょうさいしょうおうきょう)全十巻を朝夕二座、1巻ずつ講じさせて、天下太平・国家安穏を祈る国家祈祷行事である最勝会(さいしょうえ)を律師として執り行い、

その後完成したばかりの紫宸殿で天皇の御前で行われた宗派対決の論争で見事他宗派全てを論破したことにより、

「勤操の言やよし、実に見事なり」

とその場で嵯峨帝にお褒めの言葉を賜り、少僧都、西寺長者、さらには建設中の東寺長者にも任ぜられこの時期、最澄や空海よりもめざましい出世を遂げた。

「さすがは勤操さま。周囲を圧倒する音声(おんじょう)は健在ですな」
ぞろぞろと宮中を後にする高僧たちの列の中、空海が勤操に話し掛けると勤操は「当たり前や」と帽子(もうす)の下でにやり、と笑い、
「三論の教えを守るために今まで何百の他宗派の坊さんを口でぼてぐりくさってきた思うてんねん?『この』勤操の前に論で敵無し!」

わっはっはっは!と胸そびやかす勤操に空海は、

このおっさんの喧嘩好きの童みたいな気質、出会った時から全然変わってへんな…と会う度に思うのだが、どんなに位が高くなっても決して偉ぶらないのが彼の美点なのだ。

大学寮を出奔してすぐに出会った僧侶がこの型破りの勤操さまで本当に良かった。でなければ自分は仏教にも失望して行き場を無くしていただろう。

と空海は初夏の空の下、彼の後ろ姿に合掌するのであった。

この年の夏に嵯峨帝の正妻で妃の高津内親王が初めての子を出産。

帝側近の貴族や後宮の女たちは

皇子(みこ)
皇女(ひめみこ)

と高津の母の実家である坂上家からの報せを今か今かと待ち「お妃さま無事にご出産…皇女さまであらせられます!」と坂上家からの使者の報告を聞いた時、皆一様に、

ああ、良かった。と胸撫で下ろしたものである。

嵯峨帝生まれた皇女に業子(なりこ)とお名付けになり、ひと月後に後宮に戻った高津から赤子を受け取ると黒々とした艶のある眼、透けるように白い肌に「こんなに小さいのになんて美しい子なんだ…」と感動なさり、結婚以来仲があまり仲が良くなかった正妻を殊の外ご寵愛なさった。

そして翌年の初冬、その寵愛の内に高津は第二子を懐妊して出産に臨んだもののこれが難産であり生まれた子がなかなか産声を上げない。

まさか死産なの?

産屋に居た女たちがしん…と黙り込み高津が両手で顔を覆って泣き出す中、
高津づきの命婦で義理の叔母でもある三善高子が赤子の両足を掴んで逆さ吊りにし、もう片方の手で体を叩いて何度か気付けをすると赤子は弱々しい産声を上げた。

お妃さまに皇子誕生。

の報を受けた嵯峨帝は
「そうか、めでたい」
とほっとなさっていたがその表情には複雑なものがある事を藤原冬嗣は見逃さなかった…

七日後、皇子は業良(なりよし)と名付けられた。

「母子ともども大変なお産で弱っておいでなので回復には三月(みつき)ほどかかるそうだ」

「よりによってご正妻に皇子とは…これはまずい事になったぞ」

「めでたい事なのに一体何がまずいのです?」

と火鉢から顔を上げたのは橘逸勢。閉めきった部屋で共に火鉢を囲んでいた藤原冬嗣と橘氏公(たちばなのうじきみ)は、

こいつは宮仕えしてもう五年にもなるというのに、帝の外戚という自分の立場がまったく解っていない。

まあ、帝の侍講扱いで直接の政に関わっていない逸勢だから…

仕方がないか。

と小さなため息を付いた。

「あのですね、正良親王(まさらしんのう)は側室の橘の夫人さまのお子で業良さまは正室のお妃さまのお子です。ならば後継の皇子として格上になるのはどちらですか?」

と冬嗣が噛み砕いて説明すると逸勢は

「そ、それでは嘉智子さまのお立場が脅かされるではないか!」

とやっと状況を理解した。

「そうです逸勢どの。皇太弟大伴さまの次の天皇には、橘の夫人さまのお子である正良さまに即位していただき橘家から皇后を出すという十何年も掛けた我々外戚の計画が、正妻の皇子一人の存在で危ぶまれるのです」

困ったものだ、と嘉智子の兄の氏公は重ね着した単衣の中で大きなため息をついた。

「なれど正良親王を後継になさりたい帝の御真意は少しも揺るぎませぬ。帝の近臣である我が言うのですからそうご心配なさりますな」

つとめて柔らかな口調で冬嗣は名族橘家の男たちを慰めた。

何を根拠にそう言いきるのだ?
と橘家の男たちは怪訝な目で冬嗣を見るのだが野心を抱き帝と同じく猛禽の眼をした冬嗣には、解るのだ。

最も愛する女を皇后に立て、彼女が産んだ皇子を天皇にする我儘ぐらい自分には許されていい筈だ。

という我欲は帝王の座に就いた男なら必ず抱くものだから。

僭越ながら俺が帝のお立場なら必ず美都子を皇后にし、長良か良房を後継に据えるさ。帝が困ってらっしゃるのは…今後のお妃さまと業良さまのお取り扱いについてなのだ。

男とはそういうものだ。

火鉢の中で白く崩れた隅から継ぎ足した黒い炭に火が紅く燃え移り、冬嗣の瞳の中で勢いよく火花が散った。

皇子誕生から五月経ち年も弘仁六年に改まった。

が、妃の高津内親王は一向に後宮に帰る様子を見せないし帝からの再三の呼び出しにも「お産が重かったのでまだ床上げできません」とか「陰陽師にしばらく動かぬ方が良いと言われましたので」と返事の文でそう言い訳して後宮に戻るのを引き延ばしていた。

その間、坂上家に頻繁に通う医僧がいるという噂が立ったががひときわ警備が厳重な坂上家の者が隠すものだからそれが誰なのか解らない。

医僧らしき者が入る度に生まれて以来病弱と言われてきた業良に急変でもあったのか?と気を揉む嵯峨帝が都に勤める正僧一人一人に聞き込み調査をしようか?

いや、それでは都に住む僧侶たちの反感を買ってしまう…と思い悩んでいる中彼の最愛の妻、嘉智子も三人目の子を産むために実家に帰りやすやすと皇女を産んだ。

七日後に皇女は芳子(よしこ)(芳子内親王)と名付けられ産後の経過もよく母子とも産屋から橘家の母屋に移って間もなく、嘉智子づきの宮女明鏡に、

高津内親王、廃妃。

の報せが届いた。

「廃妃って…それは本当ですの?」

あの帝が女人に対してその様な酷な沙汰を下すなんてとても信じられない。

「帝の勅だから事実だ。なんでもお妃さまが後宮にお戻りなられてすぐに乱心なさり、帝に無礼を働いたそうな。その日の内に廃妃、二人のお子ともども実家の坂上家に帰された」

と後宮の一大事を語る橘弟氏(たちばなのおとうじ)は神妙な顔はしているもののその口元は緩みっぱなしで、こんなあけすけなお方に宮中の要職務まりますまい。と明鏡は思った。

「とにかく、姉上にはこの件絶対にお耳に入れないでくれよ」
「まずは弟氏どのから距離を置かれるのがよろしいかと」
弟氏は明鏡の嫌味にも気づかずそれもそうだな、と立ち上がり廊下の向こうに去った。

高津さまがご乱心?そんな筈は無い。明鏡はかぶりを振った。
幼少の頃から高津さまにお仕えしてきて確かに神経質なところはおありだけれ誇り高く決して乱心などなさるお方ではない。

きっと深い理由(わけ)がおありなのだ。

正子と正良に囲まれて芳子にお乳を含ませる嘉智子の笑顔を見守る明鏡は、
ここにいる間は決してお妃さまのことは嘉智子さまのお耳には入れるまいと決心した。

それから三日後、内裏からのお祝いの品の中に後宮の女御、貴命手縫いの産着を見付けた明鏡はまあなんて丁寧な縫製なんでしょう!と感嘆しながらいつも通りに検品しているとわざと縫われていない襟口の中に結び文を見付けた。

これは私への密書に違いないと確信した明鏡は周りに誰も居ないのを確かめると結び文を解き、素早くそれを読んだ。

明鏡さまへ

あなたが後宮に戻るまでに私が見た事の仔細をお伝えします。
あれは吉日を選んだ業良さまお披露目の場で起こりました。
高津さまは皇子さまを随分と慎重に帝にお渡しになり、
「…うむ、いい子だ。我が子業良である」と宣言なさり周囲の女御や御簾の外にいた近臣たちからお祝いの言葉を受けている時でした。

突然高津さまが己が手で前髪の(かんざし)を引き抜き、帝に襲いかかる狼藉を起こされたのです。

幸い間に入っていた女御が帝を庇ったので事なきを得ましたが帝は「長年あなたを正妻として遇して来たのにこの仕打ちは何だ!」と激怒なさりその場で廃妃と後宮からの追放を言い渡されました。

皇子さまを己が手に奪い取った高津さまが飾りを取った長い髪を垂らして廊下で激しく泣き叫ぶお姿、まだ瞼に焼き付いております。

元々ご繊細であられた高津さまはお産により心気の病を悪化されたのでしょう。

あれをご乱心と云わずして何と云いましょうや。

長年お仕えしてきた高津さまとこのような突然の別れに胸を痛めております。

貴命

夜の事だったので細かく裂いた文を少しずつ灯火にくべて燃やした明鏡の手は震えていた…

なんということだ。そのような大事が仁寿殿の廊下で起こっていただなんて!

心に落ち着きを取り戻すまでしばらくの間胸を押さえて深呼吸する必要があった。

もうどう当て推量しても事は起こり全て過ぎ去ってしまったのだ。これで我が主、嘉智子さまは実質帝のご正妻になる。

これはあなたも覚悟しておくように。という貴命さまからの助言の文なのだ。

とにかく事の真相は後宮に戻って確かめてみるまでは解らない。それまで密書の内容は考えるまい。

と気持ちを切り替える明鏡だった。


遡ってひと月前、やっと坂上家に通う僧侶の正体を突き止めた嵯峨帝は彼の者を夜御殿にお呼び出しになられた。
「成る程な、坂上家が唯一信用している僧とはお前だったか、僧都」と帝の御前で形だけ神妙にしている少僧都勤操の…

たとえ相手が天皇であろうと何を言われても患者を守り通す。という覚悟をその面構えに見てお怒りになるどころか、

さすがは奈良仏教にこの男あり、だ。とむしろ頼もしくお思いになり。笑みをこぼされた。

「どこから秘密が漏れたか、と訝っているのだろう?智泉だ」

とご自分から情報元を告げると勤操はあ、智泉なら仕方ないか。とかつて自分の秘密の庵で困窮した妊産婦の世話係をさせていた元弟子、智泉の全く邪気の無い笑顔を思い浮かべてすとん、と肩を落とした。

「智泉のことだから自分から『皇子さまのご容態がご心配なら赤子の療治に長けた医僧を知っています』と我の名を出したのでしょうな…」

「全くその通りだ」と嵯峨帝が苦笑なさるのを見た勤操は「悪意より善意の方がより人をお喋りにする。この年でようやく思い知りましたわ」と帽子ごしに頭を掻いた。

そこでようやく心の構えを解いて改めて膝を揃えた勤操は「申し上げます、お妃さまと皇子さまお体はご健康そのものであります。が…」その先言いにくそうにしているので帝が「業良の生性(うまれじょう)を隠しているのだろう?」と自ら代弁なさった。

「そこまで察しておいでだったとは…」

「血族結婚が当たり前な皇族には時々起こることだ。ましてや朕と高津は母は違えど兄妹、血の濃さゆえの生性を持つことは何処かで覚悟はしていた」

「皇子さまは生後半年近くになりますが人よりご成長が遅うございます。樹々が何年もかけてやっと苗になるようにゆっくりとお育ちになられますか、と」

「つまりは体が大人になっても心は(わらべ)のままということか」

「…その通りでございます」

畏まる勤操に嵯峨帝は「やっぱり妃は宮女による()分けを恐れているのだな」と後宮で古くから秘密裏に行われてきた…

先天的に身体や精神に疾患を持って生まれて来た赤子や幼児の口と鼻を押さえて息を止める。あるいは微量の丹の毒を飲ませて殺すいわゆる「間引き」が行われていたのを蚕の繭から良質な絹糸とそうでない糸に選り分ける作業になぞらえて蚕(子)分けという隠語を用いて、

後宮に帰ったら業良が殺される可能性を示唆なさった。

「なれど皇子として認知するには公衆の面前で業良を抱いてお披露目をしなければならない。
一度だけ…一度だけでいいからあの子を腕に抱きたい!父親としての朕の本音、妃に伝えてくれるか?」

心の底からの帝の本音を聞いた勤操は「心得ました」と深く頭を下げてから退出するとその足で坂上家に赴き、高津内親王に業良の今後を保障するために後宮に戻るのはお披露目の一度だけでいい。という約束を告げた。

半月後の吉日、高津は義理の叔母で田村麻呂の未亡人、三善高子と長女の業子と共に御車に乗りお披露目の場には勤操も立ち会わせて帝による認知の場に臨んだ。

思えばお兄さまと私の婚約が決まったのは母(田村麻呂の妹、坂上又子)が亡くなった五歳の時。お兄さまは一つ年上の六歳であられた。

初めての面会で緊張してうつむく私に向かってお兄さまはおもむろに芍薬の花を差し出して面食らっている私に「私は神野、花は好きですか?」とお尋ねになられたので思わず花を受け取り「ああ良かった…これからは仲良くやってゆきましょう」と笑って下さったので、つい私も笑い返して打ち解ける事ができた。

十二と十三で結婚してからお兄さまの度を過ぎた浮気に苦しめられて来たがそれでも正妻として私を大切にして下さったし、嘉智子への並々ならぬご執心も藤原北家と橘家からのやんわりとした外圧も無視して過ごしてきた。
業子さまが生まれて一年、本当に幸せだった…なれど。

仁寿殿の廊下で待ってくださった嵯峨帝は「体は大丈夫かい?」と高津を労ってから白いおくるみに包まれた業良を受け取った。

生後半年だというのに首がまだ座っておらず、目の焦点が定まらない我が子に向かって「うむ、いい子だ。我が子業良である」
と宣言なさった。
と御簾の外に控えていた三位以上の公卿たちにおめでとうございます。と(ことほ)ぎを受けている時だった。

嵯峨帝と高津の間に背後から滑り込み業良を抱き取ろうとする女御がいた。

高津は咄嗟に業良を嵯峨帝から奪い取り、簪を引き抜いてその女御に切りかかった。

あ!と声を上げて女御の手の平が付け根から先端に向かって裂け、鮮血が迸る。

機会はこの時しか無いと思って予定に無い行動をする者がいたら、それが蚕分けの女だ。

嵯峨帝と高津は本能的に分かっていたのだ。だって自分たちも業良のように生性に障りあれば間引かれていたかもしれない皇族の命なのだから…
廊下の内と外はお妃さまご乱心、ご乱心!帝に狼藉あり!と一斉にざわめく。

業良の体が高津から勤操の腕にしっかりと抱き取られると高津は血の付いた簪を落とし、張りつめていた緊張の糸が切れて泣き叫んだ。
「長年正妻として大切にしてきたのにこの仕打ちは何か!?高津内親王に廃妃を申し付ける」

業良と高津を無事に坂上家に帰すためには、
母子が二度と後宮に参内しなくて済むには、離婚するしかなかった。

高津と業良は来たそのまま引き返して御車に乗り実家の坂上家に戻って行った。これが十三年連れ添った夫婦の別れであった。

「蚕分けの風習はそんなことをしたら皇族が減るから、と桓武帝が廃止なさったではないですか。なのにあなたはなんてことを!」

桓武帝妃、酒人内親王(さかひとないしんのう)は怪我した女御に怒りを露わにして格子ごしに言葉をぶつけた。左手に布をぐるぐる巻いた女御は悪びれた様子もなく酒人を見返す。

「何とか言ったらどうなの?橘御井子(たちばなのみいこ)

桓武帝女御で橘嘉智子の従姉妹(逸勢の姉)橘御井子は針の刺さった蚕の繭を酒人に突きつけられても狼狽するでもなく「確かにその中には丹の毒が入っております。ええ、確かに皇子さまに手をかけようとしました」

次にふふっ!と笑った御井子は「橘の男たちがだらしないから私一人で邪魔者を排除しようとしたまでのこと。お怒りならば今この場で死んでもよろしいですが?」
とふてぶてしく言い放った。

「…即刻宮中から出ていきなさい、さすれば今までの働きに相応しい扱いをする」

これは自分の振る舞いが嘉智子に障り無し、という事なのだ。と察した御井子は「ではそうさせていただきますね」と僅かに笑うと荷物をまとめて長年仕えた宮中から去った。

橘御井子、弘仁6年(815年)7月従四位下に叙され、仁明天皇の代になった嘉祥2年(849年)閏12月に従三位となった。

高津さまはかわいそうに、橘の夫人の外戚の圧力に負けてしまったのだ。
皇女であらせられる妃を宮中から追い出す帝はなんて冷たいお方なのだろう。

という世間の同情の声も聞こえないところにいる高津は、かつてないくらい安らぎの中にいた。

幼い子二人の育児は共に宮中から辞した叔母の高子と弟の葛井親王(ふじいしんのう)(田村麻呂の孫)が協力してくれるし帝から業良さま親王号の確約をしていただき将来の保障も得た。

今では嵯峨帝との結婚生活も時々遠く思い返すくらい。

所詮、私たちは兄妹だったのだ。帝が私を正妻として立てて下すっても私の方が夫を愛せなかったのだ。

だって、いつも私の心にいた殿方は…

高津さま、お健やかでいらっしゃいますか?

と生きている間ずっと私を気遣って下さった叔父の田村麻呂なのだもの。

このこと決して秘めて言うまい。

「見て!高子。業良さまがこちらを見て笑っておいでよ!」

二十六年後の薨去まで高津内親王は心穏やかに余生を過ごした。

廃妃の理由については良有以也(まことにゆえあるなり)と薨伝に記されているだけで詳しいことは一切不明である。









































































































































































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登場人物紹介

空海、本名は佐伯真魚。香川県善通寺市出身の裕福な豪族のせがれ。学業優秀で長岡京の大学寮に入るが、そこで遭った悲劇が彼を仏門に向かわせる。

嵯峨天皇(神野親王)桓武天皇の第二皇子。

問題だらけの平安京に真の平安をもたらす名君。空海とは生涯の友になる。欠点、浮気性でパリピ。

橘嘉智子

嵯峨天皇に最も愛され、橘氏出身の唯一の皇后となる。仏教への傾倒は人生から逃げる術。

私は和気清麻呂。「これから起こる悪い事全部怨霊のせいにしちゃいましょう」と御霊信仰の悪知恵吹き込みました。

本音?桓武帝が起こした人災だろーが。

藤原薬子です。後に悪女呼ばわりされる私も言い分いっぱいあるんですのよー

嘉智子さまお付きの女童、明鏡です。薬子登場でなんだか不穏な予感…

空海に山岳修行教えた勤操ですぅ〜。時々奈良仏教の中間管理職としてぼやきます。桓武帝と戒明じいさんとの因縁ってなんやろな?


役行者六代子孫にして作中最もヤバいおっさんタツミ登場。わし空海のエグい修行生活のはじまりです。

新キャラ藤原葛野麻呂、空海を唐に連れて行く貴族です。私の顔は東寺の帝釈天像がモデルです。イケメンですよー。

兄貴、自分の息子の誕生祝いで不倫ばれてんじゃねーよ…って親父に対して正論で返してるし!義理の叔父、田村麻呂初登場。

by嵯峨帝

ふっふっふ。俺様は修験者の頭タツミ。真魚よ、よくぞ試練を乗り越えたな…っていつまでも妻の手握ってんじゃねえ!

若き日の坂上田村麻呂も絡む平安ミステリー、藤原種継暗殺事件の真相です。


最新話まで話を読んできた登場人物全員の心の声


「そりゃ祟られるわ!!」

実在した前の遣唐使僧、戒明です。史実上の真魚との接点は不明です。唐から偽経を持ち帰ったとして失脚してた私の名誉回復をしてくれたのは空海だから最初に出会った師として登場。

荒行の末に悟ったもの。仏性、すなわち人の心なり。善行も悪行もそれを行う人の心次第。

やっぱりわたくし、親王さまを好きになっていたのね。(浮気者だけれど)

多治比高子です。嵯峨帝側室として寵愛された理由はインテリだった設定。

あれ?「あの四重奏ドラマ」のエンディングシーンみたいなことしてない?

三行指帰現代語訳コント風、はじまりまじまり〜

何これ⁉︎空海の書いた話おもしれーじゃん!と吠えて宮女に叱られる神野。三教指帰は日本初の小説と呼ばれる。

空海、実家に帰る。真魚が一番可愛いお母さん。激烈お兄ちゃん、実家あるあるな心配するお父さん。

空海の実家をそのまま父親の名前にしたのはオヤジ、ありがとう…グスッ(泣)の気持ちやったんや。

後の法相宗のトップにして東日本に仏教を伝える男、徳一の本心。

高雄山寺プロレス回。奈良仏教の裏番長、実忠しれっと初登場。

やっと最澄登場。美坊主泰範のせいで既に不穏な比叡山寺。

ある意味最強キャラ、朝原内親王登場。

飛べない小鳥、から明鏡の出生の秘密編へ。

尚侍明信の罪は亡国の姫、明信の若き日の過ち。

「陽の下の露」冬嗣の長男、藤原長良誕生。ちなみに薬子と葛野麻呂の不倫関係は史実です。

「風が吹く」遣唐使に選ばれなかった空海に起こったありえへん奇跡。それにしても徳一口悪ぃな。

桓武帝が仏教勢力を叩いた理由は脱税摘発のため。しかし宗教法人を使った脱税って1200年経った今でもやってますなあ。

「受戒」どーもどーも、三論宗のアイドルにして空海の頭を剃った勤操ですぅー…ってじいさんどないしたー⁉︎

最初の師戒明との別れ。わし、行ってきます。

「船乗り星」朝廷も一目置く宗像氏の濃いマダム登場。

どうもー、空海を唐に送り最澄を唐から連れ帰ってながらも後世にほとんど知られていない葛野麻呂。ここでは準主役です。

徳政論争回。現実的にこれ以上の東国進出は無理だった。徳川家康の次に鷹狩り好きな歴史上の人物として有名な桓武天皇の最後の鷹狩り。

仙境天台山、思えばこのひと時が最澄の一番の幸福だったかもしれない。

「崩御と即位」皇帝陛下の崩御と新皇帝の即位に立ち会っちゃった俺って持ってる〜。からの、カネが無いから2年で逃げ帰れ命令。

「聖俗同船」帰国できなかった遣唐使もいるんですよ…葛野麻呂の最澄へのツンデレっぷりをお楽しみ下さい。

「密の罠」帰国した途端最澄に降り掛かる悪意。

平安京を開いた帝の最期。これから不穏な平城朝が始まるー

秀才、橘逸勢にトリプルの悲劇。留学生たちの寂しさを癒す楽の音。

恵果と戒明との邂逅から三十年。やっと後継者に出会えた恵果。

まるで唐密教の滅びを予測していたかのような恵果の発言。実際にそうなります。

「遍照金剛」かくして遍照金剛空海誕生。で、何で俺様がナレーション?

「柳枝の別れ」長安出立前夜に明かされる霊仙の正体。次回から日ノ本、平城朝編。

「平城朝」最後の薬子の表情は読者さんのご想像にお任せします。

「春宮神野」

宮中も 女子回なければ やってらんない

by明鏡 字余り

「天皇の侍医」官僚として、医師として苦労する弘世の人生が始まる。

「謀」とうとう粛清に向けて動きだした薬子。朝原内親王、神野に迫る毒殺の危機。

「比叡山夜話」最澄に迫る危機。平城帝の悪意。

「翡翠の数珠」空海のせいでまた逸勢がヒドい目に遭うお話。

「阿保の本音」父平城帝への不信感が募る阿保親王。後に彼と妻の伊都内親王から生まれたのが在原業平。

前半の薬子の兄、仲成が起こした暴行事件。これ史実です。後半の勤操の述懐は創作ですが。

「咎人空海」空海、やっと帰国。あの三姉妹再び登場。

「海辺のふたり」空海だけを都に帰さなかった藤原縄主の思惑とは。この時代、芋粥は極上スイーツ扱いでした。

「白雪」兄帝の危険性を思い出す神野。

「神泉苑行幸」策謀に満ちた宮中。筑紫で布教を始める空海に届いた悲報…

「藤原家の毒薬」いつの世も女の仕返しって陰湿なのよねえ。

「譲位」嵯峨天皇が即位した夜に明かされる伊予親王の死の真相。冬嗣の胸に去来するのは怒りか、諦めか。

「実ちて帰る」主人公2人がやっと初対面。次回から第3章「薬子」のはじまり。

わたくし藤原薬子が主役の章、「薬子」、開始ですわよ。空海阿闍梨、神野の坊やとの初謁見でいきなりド不敬発言。

「橘の系譜」女性天皇が女性の部下に姓を与えた女性が始祖の橘家。

明鏡、家族と再会し、そして母になる。

「背徳」性描写あり。そして、薬子は悪女になった。

「真言の灯」最澄さまの千利休感と人手不足の密教。ある事で滅多になくブチ切れる空海。

「宮女明鏡」嵯峨後宮ベビーラッシュ。身籠った明鏡がこれまでの人生を振り返る。

「阿修羅」、怒らせるとシャレにならないレベルで怖い空海のダークサイド。

「東国の勇者」アテルイ回前編。13000vs500で朝廷軍にに勝利した巢伏の戦いと田村麻呂との対話。

「王の器」アテルイと田村麻呂の物語、後編。胆沢制圧戦後のアテルイ、田村麻呂、桓武帝。

真の王の器は誰にある?

どぅもー、宮中のイケオジ葛野麻呂です。「負の遺産」、宮女同士のマウントバトルが怖ぇわ…

「征夷大将軍殿の憂鬱」田村麻呂、愛妻とのフルムーン旅→ヒリヒリするような駆け引き。

「小鳥立つ」明鏡、13年ぶりに父との対面で思い切った決断を告げる。そして運命の子は誕生した。

「火の継承」

この時代の年明けのお祭り、修二会。ググった結果検索トップがさだまさしの「修二会」だったので公式の自分がまさしに敗けて悔しい実忠。

「智泉の祈り」

嘉智子さまへのマタハラ案件、「皇子を産め」とのたまう橘家の兄君たちにブチギレる空海阿闍梨。

「豪奢なる遁甲」嵯峨天皇vs平城上皇最後の争いが万葉サーカスの歓声の中始まる。


この回から三人目の主人公、ソハヤ登場。

「私刑」

池波か!とツッコミ上等な回。法具を本来の目的(明王の武器)で使う空海。

「なるほど、これがお役所仕事か」by嵯峨天皇

「隘路」、暗殺者集団土蜘蛛vsタツミ率いる修験者たち。薬子の変クライマックス前編。

「火宅」一万字越えの大作です。嵯峨天皇vs平城上皇最後の戦い後編。


藤原薬子と語らう老婆の正体は…

「徒花散る」失脚がそのまま死に繋がる全然平安で無かった平安初期の、最後の政変。


勝ってもあまり嬉しくない戦いでしたね…


by田村麻呂

第3章「薬子」終わり。後ろ暗い取引をしてもカッコいい俺様であーる。


by修験者タツミ

第54代仁明天皇こと正良誕生でおめでたい事からはじまる弘仁元年。

「弘仁おじさん」と呼ばないで。

by藤原冬嗣

明けましておめでとうございます。嵯峨天皇の叔母にして宮中屈指の美魔女、酒人内親王です。ここぞとばかりに気合い入った命婦たちのファッションと空海vs朝原の新春disり合い回で御座います…

若い頃の実忠さまはやさぐれていたなあ。

この世でやるべきこともやったし…じゃあね!

by和気広世

嵯峨天皇の兄、良岑安世の恋人の真名井でございます。「九条にて」はさあ、これから庶民と渡来人たちが活躍する平安アンダーグラウンドな物語の幕開け。

空海in伊勢神宮。朝原内親王より託されたとんでもない密命。

エミシ最後の戦士、ソハヤの人生のはじまり。

前半、終了。

険しい高野の山道を抜けるとそこは…異文化レベルの集落だった。

「丹生一族」パツキン彫金師、ムラートです。今回は丹生一族と秦一族と高野山のお話。



奈良の大仏建立時の人に言えない過去。老いた僧ほど暗い秘密を抱えているものなのですよ。

by実忠

「集光」実は、この話で作者は話を終わらせるつもりだったのですが、取材で高野参りをし、そこの宿坊でご住職の説法を聞いた時に「物語のラストシーン」が頭に浮かびあと50話位書く事に。

「田口三千媛」今では虐待と言われる育てられ方をされたと思います。訳を聞かされて納得しても、無理に許さなくてもいいのよ。

「弘仁格式」100年ぶりの法改正にとりかかる嵯峨帝。謎の美僧、泰範の師に対する本音。

平城上皇が会いたかった東大寺の重鎮、実忠の昔語り。前編。光明皇后に仕えた日々。

「光の時代、後」実忠の過去の話。

後半は道鏡事件の真相。

遊女真名井の人生の転機。家族との再会と共に恋人との別れを覚悟する。

「軛」

丹生のシリン姫の花占い。「来る、来ない。来る、来ない…来たあー!」

「灌頂」

死んで生まれ変わりたい気持ちで空海に会いに行った泰範。

最澄はんの「泰範、行かないでくれ」

の熱烈な文が歴史的資料として残っておます。

by空海


ぐすっ、ぐすっ…生きながら生まれ変わる事って出来るんやな…


by泰範

「信源氏」日本史最初の源氏、源信です。あのね、四さいの時にお家(宮中)から出されて明鏡お母様と離されてしまったの。


信源氏物語のはじまりはじまり〜。

高野の麓、天野の里に帰ってきたムラートです。妹の結婚式がゾロアスター教通りの儀式だと⁉️


天野わっしょい物語をお楽しみに。

嵯峨帝と正妻高津内親王との離婚の真相に迫る「高津退場」後宮サスペンス回。

橘嘉智子、立后のお話。

「わたくし、覚悟を決めました」

「常の白珠」

延暦十五年四月(796年5月)、日の本初の公然セクハラ&パワハラの記録でございます。

by明信

あの時は恥ずかしい思いさせてごめんよ…まだ怒ってる?

ねえ明信、こっち向いて(焦)

by桓武帝

お二人とも、犬も喰わない痴話喧嘩を板上でやらないで下さいまし。

by葛野麻呂

「わし、とうとう最澄はんと絶交する覚悟決めました」

空海を本気でブチギレさせた最澄の言動。


そして、高野山開基に向けて動き始める弟子たち。

「高野」

私ムラート、生まれも育ちも高野山でございます。このお山の自然の洗礼に遭う実叡と泰範。

高野を舐めちゃあいけねえよ。


なぜか寅さん口調。

「時鳥」

小野篁初登場回。そして、現世での役目を果たした巫女との別れ。

「落花宴」

民を食わせるために働いた藤原、葛野麻呂の最期。日ノ本初の茶事と花見の宴の記録。



「拠り処」

天皇皇后だってもふもふふくふくで癒されたい。徳一、東国に進出宣言。

「橘秀才」

「弘法も筆の誤り、って肝心な時に大ポカをやらかすって事なんだね」

古今随一の芸術家となった逸勢、空海にツッコミを入れる。

「シリン都に行く」

はーい、私は高野山の麓天野の里に住む主婦シリン。夫に下された辞令で子供たち連れて平安京へお引越しですって⁉️ドギマギしちゃう!

…って魔法少女みたいなあらすじ紹介でいいのかしら?

「篁」

ちーっす、小野篁でーす。僕の風評「なんだかすげえ奴」みたいに言われてるけど、嵯峨帝に出会った頃は脳筋の野生児でしたよ。

「一隅を照らす」

最澄、最期のことば。戒壇認可を遅らせた嵯峨帝の真意。


そして、たそがれ空海。



「進士篁」

ちーっす!篁っす!それでは一句。


竹の子(篁)が ドラゴン桜(三教指帰)で サクラサク


物語の主人公空海阿闍梨から僕に交代っす!

白秋の章、「嵯峨野」のはじまり。淳和帝即位。遡って嵯峨帝による黄櫨染御袍プロデュース秘話。

「正子と正良」

嵯峨上皇と嘉智子お母様の息子、正良(後の仁明帝)です。十四で結婚したお嫁さんが可愛過ぎてキュートなハートにズキンドキン!です。

「祈雨(きう)」

元服した源信信です。空海阿闍梨による伝説の雨降らしの祈祷の裏に蠢く大人たちの陰謀に、

うわあああ…

皆さんお久しぶり。田村麻呂です。平安初期の貴族たちは麻呂麻呂っなくて武士武士ってたんですよ。


ごきげんよう、小野篁です。

(官吏になったのでパシリ口調はやめました)

今回は私のルーツとソハヤ、シルベに隠された秘密が明かされる回です。

「在るがまま」

平城上皇の第三王子、高岳親王です。今回は父の最期の想いと私の出家の物語。


◯ウケンシルバーのモデルになった私の人生の出発でしたねえ。

「哀しい哉」

このエピソード書くために作者、高野山にお参りに行き智泉の御廟(お墓)に手を合わせました。

「天長二年の旅立ち」

久しぶりの金髪仏師ムラートです。東寺の立体曼荼羅完成秘話。あの時の空海さんは某劇作家か!って位ダメ出しして来て参りましたよ…


そしてラスト主要人物、在原業平初登場。

「夫人たちの夏」嵯峨帝の側室、藤原緒夏です。後宮で生きる憂鬱と高子さまとの友情の回。


「頭の冬嗣」

今年の◯河はやり過ぎちまった私の愚孫どものいざこざですが一人ちゃんと遺言を守った奴がいたようです。

「心の中の明王」

篁と徳一の出会い。東国にて。

空海と最澄を支援した破天荒僧侶、勤操の最期。さよならだけが人生や。

喫茶去(きっさこ)は禅語で「ま、茶でも一服」の意味。人生最後の対面を惜しむ主人公二人。

「光明」全ての務めを終えた空海の眠り。次回から次世代編へ。

「流人篁」百人一首で有名な「わたの原」から始まる篁の反骨最骨頂行動と流人生活。


ちゃっかり現地妻作ってました。

「落日」

葛野麻呂の息子で遣唐大使、藤原常嗣サイドの最後の遣唐使節の行程。


支援者の張宝高は新羅の海将で外交官で大商人。

この回のゲストは唐代の大文人。

「円仁の旅・使命」

どうも、遣唐使団からバックれた不法滞在僧侶の円仁(最澄の弟子)です。私の9年以上に及ぶ旅はいきなりホラーな展開から始まります。

実質、最後の遣唐使である円仁の旅の後編。空海より託された三つの遺言は果たしたものの武宗による仏教弾圧を受ける苦難の復路。オカルトな場面あり。

「胡蝶」

「胡蝶の夢」になぞらえた常嗣の帰国後の辛い立場と責任を感じる篁。二人とも苦しんだんだ。

「観月」

嵯峨上皇が家族たちにそして遥か未来の子孫に向けて述べた言葉。

人生最後の観月の宴。



「草木のままに」

我が夫、嵯峨天皇の最期。お休みなさい、あなた…


あと10話で完結です。

最終章「檀林」、それはカリスマ嵯峨天皇が去るのを待っていたかのように始まった粛正の嵐。

承和の変。三筆最後の一人逸勢の退場。

「繭」政変で息子、仁明帝の行いと本心を知った皇太后嘉智子の絶望。

「反骨の種子」政変の真相を知った篁の決意と、蹂躙される政変の敗者の家族たち。

昔男、と呼ばれたチャラいクズ。在原業平の奔放な恋の本心は…な回。

「椙山にて」この日、エミシの武人親子三代の真相が知らされ祖父の願いがシルベに託された。

「橋を架ける」

言葉を大事にして秩序を保つのも、言葉をぞんざいにしてこの世を地獄同然にするのも全て、人間の行いなのだと思います。


この国の教えの百年先を見越して禅僧を呼び寄せた国母、橘嘉智子。

「参議篁」

私の少年期から始まる篁四部作これにておしまい。良房の企みなんて知ったことかよ。

「襲撃」

日本初の警察機構である検非違使に務める下級役人、志留辺の人生の転機。

「桜」宮中編「一代限りの橘」の物語、これで終わりでございます。

この長い物語、次回の「平安時代」で完結です。



「平安時代」さてさて、ラストシーンで新しいバディが組まれ、彼らの本当の人生が始まります。


皆が知っている「平安時代」はこれから始まるのです。

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