第27話 比叡の山から

文字数 3,457文字

昔、一人の若い僧が真夜中の奈良の寺から逃げ出した。

受戒して三か月経った夜だった。彼は東大寺の僧たち5,6人に因縁を付けられ、当て身を喰らって一室の暗がりに引きずり込まれ…身も心も徹底的に踏みにじられた。

思えばあの時、須弥山を模した戒壇院の壇上でああ、仏と同じ高みに辿り着いた、と法悦した自分は愚か過ぎた…

この国で最も清らかであるべき場所が実は畜生どもがはびこる生き地獄だったのだ。

あちこち痛むからだを引きずって、何処をどう走って来たのか彼には分からない。気が付くと裂かれた僧衣も、顔も手足も泥だらけでとある山の頂に居た。

もう歩く体力も気力も無い。膝からくずおれた彼は東の空から日が昇り、海の如き広き湖と故郷の近江を照らすのを見て、泣き伏した。

もう私には、帰るところが無い…

彼の名は最も澄める、と書いて最澄。
延暦4(785)年夏、最澄が帰る筈だった近江国分寺は、桓武帝によって廃されていた。

もう何処にも帰れないのだったら気が済むまで籠もっていよう。
と比叡の山に住みついた最澄は、山で修行する私度僧たちの力を借りて小さな草庵を建て、一乗止観院と名付けて自ら彫った薬師如来像を安置した。

山には私度僧、修験者、山伏など様々な修行者が居た。

大体そのような者たちは「法力を得た」と言っては山を降り、出世の為に寺に取り入るか、里の者たちにまやかしの術を見せて金品を騙し取るに決まっている。

所詮、あの者たちは経典の意味も仏教理論も分かって居ないのだ…

ほとけの言葉を知らずして、何が救われる?

最澄は徒に荒行を続けるだけの者たちを、心から哀れんだ。

なんでも若いお坊さんが正僧の地位を捨てて山籠もりしている。という噂を聞きつけて、少しずつだが弟子が集まり、外部の僧たちも必要な経典を提供してくれた。

ある日、背の高い老人がいきなり庵を訪れ

「あなたの願文を読ませてもらった。若いのに素晴らしい文才だ」とひとしきり最澄を褒めてから他愛のない世間話をし、それから仏教談義に花を咲かせた。

老人の知的な語り口に最澄は引き込まれ、つい心を開いて

「奈良の僧たちは僧であるべき事を忘れてしまっている。あそこに居ては自分自身が損なわれるだけだ、と思って釈迦王子に習って12年間の山籠もりを決意したのです」と自分の本音を語った。

老人は立ち去る時に「才能があるなら多くの人々の為に使うべきではないかね?」と言い、うふふ、と低い声で笑った。

老人の名は和気清麻呂。最澄の人となりを見分するためにお忍びでやって来た貴族である。

「若くて頑迷なところがあるが、あの男は裏切るという事を知らない。新都の守護に相応しい」

と清麻呂は桓武帝に進言した。

翌年延暦十三年(794年)九月三日、最澄はじめ弟子たちは桓武帝の行幸を迎え、清麻呂の肝煎りで庵は寺に改築されてから改めて「比叡山寺」と名付けられた。

最澄、山籠もりから9年目。引きこもりの才人が王城守護の大役に抜擢されたのだ。

あの方は果たして、幸せだったのだろうか?

と最澄の元を去った後も最澄の死の報せを聞いた後も、泰範(たいはん)は生涯自問し続けた。

権力者というものは、自分が汚いからいつも(すが)しい人に近寄り、依存して汚して食い物にする。

と幼い頃から人の醜さばかりを見て育ってきた泰範は思っている。


延暦21(802)年秋、比叡山の木々は燃えるような紅葉で色づいていて、吐く息が白くなるほどの冷え込みに包まれていた。

今日、朝廷から大量の米や炭が送られて来た。それを若い弟子たちが次々と蔵に運び込み、寺全体が冬支度で忙しい。

人が増えて活気づくのはいい事なのだが、もうこの寺は自分が山に入った頃の小さな庵では無いのだ。

あの頃は必死で難解な経典の解釈をし、納得いくまで寝ずに考えた。貧しかったが本当に楽しかった…

最澄は経を読むのに疲れるといったん外に出て、山の東の頂から眼下に広がる琵琶湖を眺めた。

ちょうど近江のほうから山を登って来る人影が見える。それが弟子の泰範だと分かると最澄は帽子(もうす)(頭巾)の下で顔をほころばせ、「おーい!」と手を振る。

それに応えた泰範が「最澄さま!」と白い息を吐きながら弾けたように駆け寄って来るとつい何でもしてあげたくなるようないじらしさを覚え、最澄は己の帽子を取って弟子の肩に掛けてあげるのだった。
「ご苦労だったね、寒いから中に入って休みなさい」

旅装を解いて最澄の私室に呼ばれた泰範は、近江三津にある最澄の実家の父、三津首百枝(みつのおびとのももえ)からの手紙を師に差し出そうとすると「いい、代わりに読んでくれ」と押し返した。

はい…と肯くと泰範は手紙を広げ、

「広野へ。ずいぶん出世したようで何よりだが、何故お前は生家を無視する?もっと金を送れ。米を送れ。弟妹たちも大きくなった。衣も送れ。生んでやった恩に報いて一族を食わせろ…いつも通りの内容です」

その間最澄は文机にもたれ、壁の一点を見つめている。弟子が文を読み終わると急に片頬を歪めてはは…と笑った。

「仕送りはしているつもりなんだがなあ。まだ足りぬと申すか」

「はい…ご実家の暮らし向きは潤っておいでです、が生活は乱れているようで…家業の農家も人を雇ってご自分では働いておりません。昼間から酒を召されておいでで酒臭うございました」

それに、と泰範が何か言いにくそうにしているので「続けよ」と促すと、
「お母上の藤子さまが口を滑らせたのですが、『うちはお上からの施しで食べるに困らないのよ』と…どうやら最澄さまとお上から二重に金を取っているようで」

最澄がまだ広野と呼ばれていた幼い頃、特段に読み書きに優れていたので
陰陽(陰陽師)、医方(医師)、工巧(職人)のどれかに就くのがこの子の為だ、と一族の大人たちが集まって会話していた内容をはっきりと覚えている。

その時、父が一族の物知りである大叔父に尋ねたのだ。「広野が早く私たちを食わせる道はどれか?」と。

大叔父は「国分寺にやって僧にするがよい」と答えた。数日後、広野は十二で近江国分寺に入れられた。

全く、世の最低な部類の親たちというのは、子は無料(ただ)で生まれるもので、生んでやったんだから長じたらどんな事をしてでも稼いで来て親を食わせるのが当たり前だと思っているものなのだろうか?

「子孫に美田を残すな、という故事はまことだな。父母でも同じだ、与えすぎると必ず人を駄目にする」
「はあ…」
「今後実家への仕送りはしない。それより泰範」
「はい」
「寒い」
と最澄は自分より一回り以上年下の弟子に、縋るように抱き付いた。
「では暖を取りましょう」

師に夕餉の膳を運びに行こうとする義真の肩に手を掛けて円澄が止めた。
「今は行かぬ方がよいと思うぞ」

その忠告だけで義真は察したようでまたか、と渋面をして音を立てて膳を台に置いた。

「出身が同じ近江というだけであの泰範は最澄さまに可愛がられ過ぎやしませんか?私やあなたのかなり後にこの山に来たくせに…」

「確かに妖しいほど美しい子だよねえ」
と円澄はつとめて呑気な口調で軽口を叩いた。「女人がいたらみんな泰範に色めきたったろうよ。ここは女人禁制の聖域だけど、ね」

円澄は東国で出家した30才の僧侶で、義真は奈良興福寺で法相の教えを学んだ23才の若く優秀な僧侶。

どちらも最澄の教えに感銘を受けて比叡山に入って彼の弟子になり、他のどの弟子よりも師を支えてきたという自負がある。

それだけに…
「泰範が来てから、最澄さまも比叡山も少しずつおかしくなっていく気がする」
義真は円澄だけに己が不安を打ち明けると、忍び寄る凶事を見たくないとでもいうようにぎゅっと両目をつぶる。

「そのためお前が唐で最澄さまをお支えするのだよ」と励ますように円澄は義真の組んだ手に己が手を重ねた。

義真は唐語を学んでいて通訳のために最澄の留学に同行することが決まっている。

唐で学びを深めれば天台宗は正式な宗派として認められ、あの方も澄める方へ進まれるだろうよ…

暗く冷え切った室内で身震いして目を覚まし、白い裸体をさらしたまま泰範は火鉢に炭を入れて火を起こした。

部屋が十分に温まるまでの間、衣を着て身づくろいをしてから僧衣を被って眠る師の寝顔を見守りながら泰範は思うのだ。

ほんとうのこの方は、帝の庇護、立派な寺、優秀な弟子たちを与えられても心は孤独で空っぽなんや。

この方がほとけの言葉、経典に執着なさるのは信じてるんやない。生きるために信じたいのや。

最澄さまの本当の心を知るのは同じく親に売られたも同然で、踏みにじられて育った自分だけ。

だから、私なりのやり方で師をお慰めして、何が悪い?
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登場人物紹介

空海、本名は佐伯真魚。香川県善通寺市出身の裕福な豪族のせがれ。学業優秀で長岡京の大学寮に入るが、そこで遭った悲劇が彼を仏門に向かわせる。

嵯峨天皇(神野親王)桓武天皇の第二皇子。

問題だらけの平安京に真の平安をもたらす名君。空海とは生涯の友になる。欠点、浮気性でパリピ。

橘嘉智子

嵯峨天皇に最も愛され、橘氏出身の唯一の皇后となる。仏教への傾倒は人生から逃げる術。

私は和気清麻呂。「これから起こる悪い事全部怨霊のせいにしちゃいましょう」と御霊信仰の悪知恵吹き込みました。

本音?桓武帝が起こした人災だろーが。

藤原薬子です。後に悪女呼ばわりされる私も言い分いっぱいあるんですのよー

嘉智子さまお付きの女童、明鏡です。薬子登場でなんだか不穏な予感…

空海に山岳修行教えた勤操ですぅ〜。時々奈良仏教の中間管理職としてぼやきます。桓武帝と戒明じいさんとの因縁ってなんやろな?


役行者六代子孫にして作中最もヤバいおっさんタツミ登場。わし空海のエグい修行生活のはじまりです。

新キャラ藤原葛野麻呂、空海を唐に連れて行く貴族です。私の顔は東寺の帝釈天像がモデルです。イケメンですよー。

兄貴、自分の息子の誕生祝いで不倫ばれてんじゃねーよ…って親父に対して正論で返してるし!義理の叔父、田村麻呂初登場。

by嵯峨帝

ふっふっふ。俺様は修験者の頭タツミ。真魚よ、よくぞ試練を乗り越えたな…っていつまでも妻の手握ってんじゃねえ!

若き日の坂上田村麻呂も絡む平安ミステリー、藤原種継暗殺事件の真相です。


最新話まで話を読んできた登場人物全員の心の声


「そりゃ祟られるわ!!」

実在した前の遣唐使僧、戒明です。史実上の真魚との接点は不明です。唐から偽経を持ち帰ったとして失脚してた私の名誉回復をしてくれたのは空海だから最初に出会った師として登場。

荒行の末に悟ったもの。仏性、すなわち人の心なり。善行も悪行もそれを行う人の心次第。

やっぱりわたくし、親王さまを好きになっていたのね。(浮気者だけれど)

多治比高子です。嵯峨帝側室として寵愛された理由はインテリだった設定。

あれ?「あの四重奏ドラマ」のエンディングシーンみたいなことしてない?

三行指帰現代語訳コント風、はじまりまじまり〜

何これ⁉︎空海の書いた話おもしれーじゃん!と吠えて宮女に叱られる神野。三教指帰は日本初の小説と呼ばれる。

空海、実家に帰る。真魚が一番可愛いお母さん。激烈お兄ちゃん、実家あるあるな心配するお父さん。

空海の実家をそのまま父親の名前にしたのはオヤジ、ありがとう…グスッ(泣)の気持ちやったんや。

後の法相宗のトップにして東日本に仏教を伝える男、徳一の本心。

高雄山寺プロレス回。奈良仏教の裏番長、実忠しれっと初登場。

やっと最澄登場。美坊主泰範のせいで既に不穏な比叡山寺。

ある意味最強キャラ、朝原内親王登場。

飛べない小鳥、から明鏡の出生の秘密編へ。

尚侍明信の罪は亡国の姫、明信の若き日の過ち。

「陽の下の露」冬嗣の長男、藤原長良誕生。ちなみに薬子と葛野麻呂の不倫関係は史実です。

「風が吹く」遣唐使に選ばれなかった空海に起こったありえへん奇跡。それにしても徳一口悪ぃな。

桓武帝が仏教勢力を叩いた理由は脱税摘発のため。しかし宗教法人を使った脱税って1200年経った今でもやってますなあ。

「受戒」どーもどーも、三論宗のアイドルにして空海の頭を剃った勤操ですぅー…ってじいさんどないしたー⁉︎

最初の師戒明との別れ。わし、行ってきます。

「船乗り星」朝廷も一目置く宗像氏の濃いマダム登場。

どうもー、空海を唐に送り最澄を唐から連れ帰ってながらも後世にほとんど知られていない葛野麻呂。ここでは準主役です。

徳政論争回。現実的にこれ以上の東国進出は無理だった。徳川家康の次に鷹狩り好きな歴史上の人物として有名な桓武天皇の最後の鷹狩り。

仙境天台山、思えばこのひと時が最澄の一番の幸福だったかもしれない。

「崩御と即位」皇帝陛下の崩御と新皇帝の即位に立ち会っちゃった俺って持ってる〜。からの、カネが無いから2年で逃げ帰れ命令。

「聖俗同船」帰国できなかった遣唐使もいるんですよ…葛野麻呂の最澄へのツンデレっぷりをお楽しみ下さい。

「密の罠」帰国した途端最澄に降り掛かる悪意。

平安京を開いた帝の最期。これから不穏な平城朝が始まるー

秀才、橘逸勢にトリプルの悲劇。留学生たちの寂しさを癒す楽の音。

恵果と戒明との邂逅から三十年。やっと後継者に出会えた恵果。

まるで唐密教の滅びを予測していたかのような恵果の発言。実際にそうなります。

「遍照金剛」かくして遍照金剛空海誕生。で、何で俺様がナレーション?

「柳枝の別れ」長安出立前夜に明かされる霊仙の正体。次回から日ノ本、平城朝編。

「平城朝」最後の薬子の表情は読者さんのご想像にお任せします。

「春宮神野」

宮中も 女子回なければ やってらんない

by明鏡 字余り

「天皇の侍医」官僚として、医師として苦労する弘世の人生が始まる。

「謀」とうとう粛清に向けて動きだした薬子。朝原内親王、神野に迫る毒殺の危機。

「比叡山夜話」最澄に迫る危機。平城帝の悪意。

「翡翠の数珠」空海のせいでまた逸勢がヒドい目に遭うお話。

「阿保の本音」父平城帝への不信感が募る阿保親王。後に彼と妻の伊都内親王から生まれたのが在原業平。

前半の薬子の兄、仲成が起こした暴行事件。これ史実です。後半の勤操の述懐は創作ですが。

「咎人空海」空海、やっと帰国。あの三姉妹再び登場。

「海辺のふたり」空海だけを都に帰さなかった藤原縄主の思惑とは。この時代、芋粥は極上スイーツ扱いでした。

「白雪」兄帝の危険性を思い出す神野。

「神泉苑行幸」策謀に満ちた宮中。筑紫で布教を始める空海に届いた悲報…

「藤原家の毒薬」いつの世も女の仕返しって陰湿なのよねえ。

「譲位」嵯峨天皇が即位した夜に明かされる伊予親王の死の真相。冬嗣の胸に去来するのは怒りか、諦めか。

「実ちて帰る」主人公2人がやっと初対面。次回から第3章「薬子」のはじまり。

わたくし藤原薬子が主役の章、「薬子」、開始ですわよ。空海阿闍梨、神野の坊やとの初謁見でいきなりド不敬発言。

「橘の系譜」女性天皇が女性の部下に姓を与えた女性が始祖の橘家。

明鏡、家族と再会し、そして母になる。

「背徳」性描写あり。そして、薬子は悪女になった。

「真言の灯」最澄さまの千利休感と人手不足の密教。ある事で滅多になくブチ切れる空海。

「宮女明鏡」嵯峨後宮ベビーラッシュ。身籠った明鏡がこれまでの人生を振り返る。

「阿修羅」、怒らせるとシャレにならないレベルで怖い空海のダークサイド。

「東国の勇者」アテルイ回前編。13000vs500で朝廷軍にに勝利した巢伏の戦いと田村麻呂との対話。

「王の器」アテルイと田村麻呂の物語、後編。胆沢制圧戦後のアテルイ、田村麻呂、桓武帝。

真の王の器は誰にある?

どぅもー、宮中のイケオジ葛野麻呂です。「負の遺産」、宮女同士のマウントバトルが怖ぇわ…

「征夷大将軍殿の憂鬱」田村麻呂、愛妻とのフルムーン旅→ヒリヒリするような駆け引き。

「小鳥立つ」明鏡、13年ぶりに父との対面で思い切った決断を告げる。そして運命の子は誕生した。

「火の継承」

この時代の年明けのお祭り、修二会。ググった結果検索トップがさだまさしの「修二会」だったので公式の自分がまさしに敗けて悔しい実忠。

「智泉の祈り」

嘉智子さまへのマタハラ案件、「皇子を産め」とのたまう橘家の兄君たちにブチギレる空海阿闍梨。

「豪奢なる遁甲」嵯峨天皇vs平城上皇最後の争いが万葉サーカスの歓声の中始まる。


この回から三人目の主人公、ソハヤ登場。

「私刑」

池波か!とツッコミ上等な回。法具を本来の目的(明王の武器)で使う空海。

「なるほど、これがお役所仕事か」by嵯峨天皇

「隘路」、暗殺者集団土蜘蛛vsタツミ率いる修験者たち。薬子の変クライマックス前編。

「火宅」一万字越えの大作です。嵯峨天皇vs平城上皇最後の戦い後編。


藤原薬子と語らう老婆の正体は…

「徒花散る」失脚がそのまま死に繋がる全然平安で無かった平安初期の、最後の政変。


勝ってもあまり嬉しくない戦いでしたね…


by田村麻呂

第3章「薬子」終わり。後ろ暗い取引をしてもカッコいい俺様であーる。


by修験者タツミ

第54代仁明天皇こと正良誕生でおめでたい事からはじまる弘仁元年。

「弘仁おじさん」と呼ばないで。

by藤原冬嗣

明けましておめでとうございます。嵯峨天皇の叔母にして宮中屈指の美魔女、酒人内親王です。ここぞとばかりに気合い入った命婦たちのファッションと空海vs朝原の新春disり合い回で御座います…

若い頃の実忠さまはやさぐれていたなあ。

この世でやるべきこともやったし…じゃあね!

by和気広世

嵯峨天皇の兄、良岑安世の恋人の真名井でございます。「九条にて」はさあ、これから庶民と渡来人たちが活躍する平安アンダーグラウンドな物語の幕開け。

空海in伊勢神宮。朝原内親王より託されたとんでもない密命。

エミシ最後の戦士、ソハヤの人生のはじまり。

前半、終了。

険しい高野の山道を抜けるとそこは…異文化レベルの集落だった。

「丹生一族」パツキン彫金師、ムラートです。今回は丹生一族と秦一族と高野山のお話。



奈良の大仏建立時の人に言えない過去。老いた僧ほど暗い秘密を抱えているものなのですよ。

by実忠

「集光」実は、この話で作者は話を終わらせるつもりだったのですが、取材で高野参りをし、そこの宿坊でご住職の説法を聞いた時に「物語のラストシーン」が頭に浮かびあと50話位書く事に。

「田口三千媛」今では虐待と言われる育てられ方をされたと思います。訳を聞かされて納得しても、無理に許さなくてもいいのよ。

「弘仁格式」100年ぶりの法改正にとりかかる嵯峨帝。謎の美僧、泰範の師に対する本音。

平城上皇が会いたかった東大寺の重鎮、実忠の昔語り。前編。光明皇后に仕えた日々。

「光の時代、後」実忠の過去の話。

後半は道鏡事件の真相。

遊女真名井の人生の転機。家族との再会と共に恋人との別れを覚悟する。

「軛」

丹生のシリン姫の花占い。「来る、来ない。来る、来ない…来たあー!」

「灌頂」

死んで生まれ変わりたい気持ちで空海に会いに行った泰範。

最澄はんの「泰範、行かないでくれ」

の熱烈な文が歴史的資料として残っておます。

by空海


ぐすっ、ぐすっ…生きながら生まれ変わる事って出来るんやな…


by泰範

「信源氏」日本史最初の源氏、源信です。あのね、四さいの時にお家(宮中)から出されて明鏡お母様と離されてしまったの。


信源氏物語のはじまりはじまり〜。

高野の麓、天野の里に帰ってきたムラートです。妹の結婚式がゾロアスター教通りの儀式だと⁉️


天野わっしょい物語をお楽しみに。

嵯峨帝と正妻高津内親王との離婚の真相に迫る「高津退場」後宮サスペンス回。

橘嘉智子、立后のお話。

「わたくし、覚悟を決めました」

「常の白珠」

延暦十五年四月(796年5月)、日の本初の公然セクハラ&パワハラの記録でございます。

by明信

あの時は恥ずかしい思いさせてごめんよ…まだ怒ってる?

ねえ明信、こっち向いて(焦)

by桓武帝

お二人とも、犬も喰わない痴話喧嘩を板上でやらないで下さいまし。

by葛野麻呂

「わし、とうとう最澄はんと絶交する覚悟決めました」

空海を本気でブチギレさせた最澄の言動。


そして、高野山開基に向けて動き始める弟子たち。

「高野」

私ムラート、生まれも育ちも高野山でございます。このお山の自然の洗礼に遭う実叡と泰範。

高野を舐めちゃあいけねえよ。


なぜか寅さん口調。

「時鳥」

小野篁初登場回。そして、現世での役目を果たした巫女との別れ。

「落花宴」

民を食わせるために働いた藤原、葛野麻呂の最期。日ノ本初の茶事と花見の宴の記録。



「拠り処」

天皇皇后だってもふもふふくふくで癒されたい。徳一、東国に進出宣言。

「橘秀才」

「弘法も筆の誤り、って肝心な時に大ポカをやらかすって事なんだね」

古今随一の芸術家となった逸勢、空海にツッコミを入れる。

「シリン都に行く」

はーい、私は高野山の麓天野の里に住む主婦シリン。夫に下された辞令で子供たち連れて平安京へお引越しですって⁉️ドギマギしちゃう!

…って魔法少女みたいなあらすじ紹介でいいのかしら?

「篁」

ちーっす、小野篁でーす。僕の風評「なんだかすげえ奴」みたいに言われてるけど、嵯峨帝に出会った頃は脳筋の野生児でしたよ。

「一隅を照らす」

最澄、最期のことば。戒壇認可を遅らせた嵯峨帝の真意。


そして、たそがれ空海。



「進士篁」

ちーっす!篁っす!それでは一句。


竹の子(篁)が ドラゴン桜(三教指帰)で サクラサク


物語の主人公空海阿闍梨から僕に交代っす!

白秋の章、「嵯峨野」のはじまり。淳和帝即位。遡って嵯峨帝による黄櫨染御袍プロデュース秘話。

「正子と正良」

嵯峨上皇と嘉智子お母様の息子、正良(後の仁明帝)です。十四で結婚したお嫁さんが可愛過ぎてキュートなハートにズキンドキン!です。

「祈雨(きう)」

元服した源信信です。空海阿闍梨による伝説の雨降らしの祈祷の裏に蠢く大人たちの陰謀に、

うわあああ…

皆さんお久しぶり。田村麻呂です。平安初期の貴族たちは麻呂麻呂っなくて武士武士ってたんですよ。


ごきげんよう、小野篁です。

(官吏になったのでパシリ口調はやめました)

今回は私のルーツとソハヤ、シルベに隠された秘密が明かされる回です。

「在るがまま」

平城上皇の第三王子、高岳親王です。今回は父の最期の想いと私の出家の物語。


◯ウケンシルバーのモデルになった私の人生の出発でしたねえ。

「哀しい哉」

このエピソード書くために作者、高野山にお参りに行き智泉の御廟(お墓)に手を合わせました。

「天長二年の旅立ち」

久しぶりの金髪仏師ムラートです。東寺の立体曼荼羅完成秘話。あの時の空海さんは某劇作家か!って位ダメ出しして来て参りましたよ…


そしてラスト主要人物、在原業平初登場。

「夫人たちの夏」嵯峨帝の側室、藤原緒夏です。後宮で生きる憂鬱と高子さまとの友情の回。


「頭の冬嗣」

今年の◯河はやり過ぎちまった私の愚孫どものいざこざですが一人ちゃんと遺言を守った奴がいたようです。

「心の中の明王」

篁と徳一の出会い。東国にて。

空海と最澄を支援した破天荒僧侶、勤操の最期。さよならだけが人生や。

喫茶去(きっさこ)は禅語で「ま、茶でも一服」の意味。人生最後の対面を惜しむ主人公二人。

「光明」全ての務めを終えた空海の眠り。次回から次世代編へ。

「流人篁」百人一首で有名な「わたの原」から始まる篁の反骨最骨頂行動と流人生活。


ちゃっかり現地妻作ってました。

「落日」

葛野麻呂の息子で遣唐大使、藤原常嗣サイドの最後の遣唐使節の行程。


支援者の張宝高は新羅の海将で外交官で大商人。

この回のゲストは唐代の大文人。

「円仁の旅・使命」

どうも、遣唐使団からバックれた不法滞在僧侶の円仁(最澄の弟子)です。私の9年以上に及ぶ旅はいきなりホラーな展開から始まります。

実質、最後の遣唐使である円仁の旅の後編。空海より託された三つの遺言は果たしたものの武宗による仏教弾圧を受ける苦難の復路。オカルトな場面あり。

「胡蝶」

「胡蝶の夢」になぞらえた常嗣の帰国後の辛い立場と責任を感じる篁。二人とも苦しんだんだ。

「観月」

嵯峨上皇が家族たちにそして遥か未来の子孫に向けて述べた言葉。

人生最後の観月の宴。



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