嵯峨野の月

作者 白浜台与

[歴史]

8

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これは、1200年の平安初期に生きた人びとが「本当の自由とは何か」を希求し続けた物語。大河ドラマ風に話は進みます。

時は平安初期、人々は疾病や災害をタタリとして恐れるしかなかった。

名族だが政変で没落した貴族の娘、橘嘉智子に桓武天皇第二皇子、神野(後の嵯峨天皇)が恋した事により、彼女の人生が大きく動き出す。

同じ頃、室戸岬で苦行の末に悟りを得た若者がいた。彼の名は佐伯真魚。
後に日本独自の仏教体系を創り出す、弘法大師空海である。

全エピソードが一つの短編小説形式で何処からでも読めるように書いています。

登場人物紹介

神野親王
後の嵯峨天皇で主人公。平安京を千年の都たらしめる名君なのだが、女人を求めることもはや「治らない御病気」。生まれた時から父桓武天皇の期待を受けて育った。
天才漢詩人でもある。
空海の終生の友。

佐伯真魚
弘法大師空海。讃岐の裕福な豪族の子として生まれ、学業優秀なため都の大学寮に進学するも、
ある悲劇的事態に遭遇し、政治に絶望して出奔する。

橘嘉智子(たちばなのかちこ)
嵯峨天皇の最愛の女性。
橘諸兄の曾孫で元は皇族だった名族「橘氏」に生まれるが、
祖父が政変で獄死してから家は没落、不遇の幼少期を過ごした。
美しかったため、橘氏の権威回復のため、後の後宮政策の「道具」として15才で神野親王と結婚する。

明鏡(みょうきょう)
神野づきの女童。明らかに渡来人の名を持つ彼女の出自は一切謎。
明鏡の出生の秘密が、物語を大きく動かす。

皇太子安殿親王(あてしんのう)
神野の12才年上の同母兄。情緒的に不安定な所があり、何かと問題を起こす。
「あの皇太子が即位なさったらどうなるのだ?」
と貴族たちを不安がらせる。

藤原薬子(くすこ)
あろうことか娘婿の安殿と男女の仲になり、即位した安殿に尚侍に任命されてからは兄の仲成(なかなり)と共に権勢を振るう。彼女の人格を歪めたものは何か?

桓武天皇
神野と安殿の父で長岡京、平安京と二度の遷都を強行した辣腕政治家。
だが、在位中に天災と疫病が次々と起こり「間違った人が天皇になったからだ」と貴族たちは裏で噂している。この人が奈良の仏教界をあからさまに冷遇している背景が、
後に空海と最澄が台頭するきっかけとなる。

橘逸勢(たちばなのはやなり)

橘嘉智子の従兄で空海と同じ船に乗って同じ宿舎で留学生活を過ごす学友で神野、空海の生涯の友で三大能筆。

殊に楽と書においては唐でその才を認められる。

小野篁
終章、「嵯峨野」「檀林」から主人公。
嵯峨天皇側近で後の舅、藤原三守と出会った事で彼の破天荒人生が始まる。

目次

連載中 全128話

2024年04月27日 14:31 更新

  1. 菜摘

  2. 第1話 菊花2023年09月24日
  3. 第2話 親王様の恋2023年09月24日
  4. 第3話 若い世代の野心2023年09月24日
  5. 第4話 その男、空海2023年09月24日
  6. 第5話 讃岐から来た少年2023年09月25日
  7. 第6話 長岡京、崩壊2023年09月25日
  8. 第7話 仏への道2023年09月26日
  9. 第8話 最澄とは?2023年09月27日
  10. 第9話 東宮の魔女2023年09月27日
  11. 第10話 葛城山へ2023年09月28日
  12. 第11話 賀茂のタツミ2023年09月28日
  13. 第12話 蜜月2023年09月29日
  14. 第13話 東宮の腐敗2023年09月30日
  15. 第14話 決心と清算2023年10月01日
  16. 第15話 大伴娘2023年10月02日
  17. 第16話 撫子2023年10月03日
  18. 第17話 明星2023年10月04日
  19. 第18話 皇嗣2023年10月05日
  20. 第19話 多治比高子2023年10月06日
  21. 第20話 吉祥天女たち2023年10月08日
  22. 第21話 空海からの手紙2023年10月09日
  23. 第22話 菩提心の果実2023年10月11日
  24. 第23話 四君子の宴2023年10月11日
  25. 第24話 佐伯家の人びと•玉依2023年10月12日
  26. 第25話 佐伯家の人びと•善通2023年10月13日
  27. 第26話 勤操と徳一2023年10月14日
  28. 第27話 比叡の山から2023年10月15日
  29. 第28話 斎王2023年10月16日
  30. 第29話 飛べない小鳥2023年10月17日
  31. 第30話 尚侍明信の罪2023年10月18日
  32. 第31話 陽の下の露2023年10月19日
  33. 第32話 風が吹く2023年10月20日
  34. 第33話 受戒2023年10月21日
  35. 第34話 海へ2023年10月22日
  36. 遣唐

  37. 第35話 船乗り星2023年10月23日
  38. 第36話 葛野麻呂謁見2023年10月24日
  39. 第37話 最後の鷹狩2023年10月25日
  40. 第38話 仙境天台山2023年10月26日
  41. 第39話 崩御と即位2023年10月27日
  42. 第40話 聖俗同船2023年10月28日
  43. 第41話 恵果阿闍梨2023年10月29日
  44. 第42話 密の罠2023年10月30日
  45. 第43話 紅い雨2023年10月31日
  46. 第44話 玄象2023年11月01日
  47. 第45話 青龍寺開門2023年11月02日
  48. 第46話 大日の幻2023年11月04日
  49. 第47話 遍照金剛2023年11月06日
  50. 第48話 柳枝の別れ2023年11月08日
  51. 第49話 平城朝2023年11月09日
  52. 第50話 春宮神野2023年11月10日
  53. 第51話 天皇の侍医2023年11月11日
  54. 第52話 謀2023年11月13日
  55. 第53話 比叡山夜話2023年11月14日
  56. 第54話 翡翠の数珠2023年11月15日
  57. 第55話 阿保の本音2023年11月17日
  58. 第56話 仲成の狼藉2023年11月18日
  59. 第57話 咎人空海2023年11月19日
  60. 第58話 海辺のふたり2023年11月20日
  61. 第59話 白雪2023年11月21日
  62. 第60話 神泉苑行幸2023年11月22日
  63. 第61話 伊予の名前2023年11月24日
  64. 第62話 藤原家の毒薬2023年11月25日
  65. 第63話 譲位2023年11月27日
  66. 第64話 実ちて帰る2023年11月28日
  67. 薬子

  68. 第65話 或る王子の一生2023年11月29日
  69. 第66話 橘の系譜2023年11月30日
  70. 第67話 背徳2023年12月02日
  71. 第68話 真言の灯2023年12月03日
  72. 第69話 宮女明鏡2023年12月06日
  73. 第70話 阿修羅2023年12月07日
  74. 第71話 東国の勇者2023年12月11日
  75. 第72話 王の器2023年12月14日
  76. 第73話 負の遺産2023年12月18日
  77. 第74話 征夷大将軍殿の憂鬱2023年12月19日
  78. 第75話 小鳥立つ2023年12月22日
  79. 第76話 火の継承2023年12月24日
  80. 第77話 智泉の祈り2023年12月26日
  81. 第79話 豪奢なる遁甲2024年01月04日
  82. 第80話 私刑2024年01月07日
  83. 第81話 隘路2024年01月10日
  84. 第83話 火宅2024年01月11日
  85. 第84話 徒花散る2024年01月14日
  86. 第85話 夜居の僧2024年01月15日
  87. 第86話 弘仁元年2024年01月17日
  88. 秘密

  89. 第87話 賀茂斎院2024年01月19日
  90. 第88話 ある隠遁人の死2024年01月22日
  91. 第89話 九条にて2024年01月23日
  92. 第90話 聖域2024年01月25日
  93. 第91話 騒速2024年01月27日
  94. 第92話 高野の民2024年01月31日
  95. 第93話 丹生一族2024年02月03日
  96. 第94話 因縁2024年02月06日
  97. 第95話 集光2024年02月08日
  98. 第96話 田口三千媛2024年02月11日
  99. 第97話 弘仁格式2024年02月13日
  100. 第98話 光の時代・前2024年02月16日
  101. 第99話 光の時代、後2024年02月19日
  102. 第100話 わかれ途2024年02月23日
  103. 第101話 軛2024年02月24日
  104. 第102話 灌頂2024年02月27日
  105. 第103話 渇仰2024年02月28日
  106. 第104話 信源氏2024年02月29日
  107. 凌雲

  108. 第105話 祝宴2024年03月02日
  109. 第106話 高津退場2024年03月05日
  110. 第107話 立后2024年03月07日
  111. 第108話 常の白珠2024年03月08日
  112. 第109話 訣別2024年03月09日
  113. 第110話 高野2024年03月11日
  114. 第111話 時鳥2024年03月13日
  115. 第112話 落花宴2024年03月15日
  116. 第113話 拠り処2024年03月17日
  117. 第114話 橘秀才2024年03月19日
  118. 第115話 シリン都に行く2024年03月20日
  119. 第116話 篁2024年03月23日
  120. 第117話 一隅を照らす2024年03月24日
  121. 第118話 進士篁2024年03月26日
  122. 第119話 朔日の色2024年03月29日
  123. 嵯峨野

  124. 第120話 正子と正良2024年04月01日
  125. 第121話 祈雨2024年04月03日
  126. 第122話 兵ども2024年04月05日
  127. 第123話 猿女の里2024年04月07日
  128. 第124話 在るがまま2024年04月08日
  129. 第125話 哀しい哉2024年04月12日
  130. 第126話 天長二年の旅立ち2024年04月14日
  131. 第127話 夫人たちの夏2024年04月18日
  132. 第128話 頭の冬嗣2024年04月21日
  133. 第129話 心の中の明王2024年04月24日
  134. 第130話 喫茶去2024年04月27日

登場人物

空海、本名は佐伯真魚。香川県善通寺市出身の裕福な豪族のせがれ。学業優秀で長岡京の大学寮に入るが、そこで遭った悲劇が彼を仏門に向かわせる。

嵯峨天皇(神野親王)桓武天皇の第二皇子。

問題だらけの平安京に真の平安をもたらす名君。空海とは生涯の友になる。欠点、浮気性でパリピ。

橘嘉智子

嵯峨天皇に最も愛され、橘氏出身の唯一の皇后となる。仏教への傾倒は人生から逃げる術。

私は和気清麻呂。「これから起こる悪い事全部怨霊のせいにしちゃいましょう」と御霊信仰の悪知恵吹き込みました。

本音?桓武帝が起こした人災だろーが。

藤原薬子です。後に悪女呼ばわりされる私も言い分いっぱいあるんですのよー

嘉智子さまお付きの女童、明鏡です。薬子登場でなんだか不穏な予感…

空海に山岳修行教えた勤操ですぅ〜。時々奈良仏教の中間管理職としてぼやきます。桓武帝と戒明じいさんとの因縁ってなんやろな?


役行者六代子孫にして作中最もヤバいおっさんタツミ登場。わし空海のエグい修行生活のはじまりです。

新キャラ藤原葛野麻呂、空海を唐に連れて行く貴族です。私の顔は東寺の帝釈天像がモデルです。イケメンですよー。

兄貴、自分の息子の誕生祝いで不倫ばれてんじゃねーよ…って親父に対して正論で返してるし!義理の叔父、田村麻呂初登場。

by嵯峨帝

ふっふっふ。俺様は修験者の頭タツミ。真魚よ、よくぞ試練を乗り越えたな…っていつまでも妻の手握ってんじゃねえ!

若き日の坂上田村麻呂も絡む平安ミステリー、藤原種継暗殺事件の真相です。


最新話まで話を読んできた登場人物全員の心の声


「そりゃ祟られるわ!!」

実在した前の遣唐使僧、戒明です。史実上の真魚との接点は不明です。唐から偽経を持ち帰ったとして失脚してた私の名誉回復をしてくれたのは空海だから最初に出会った師として登場。

荒行の末に悟ったもの。仏性、すなわち人の心なり。善行も悪行もそれを行う人の心次第。

やっぱりわたくし、親王さまを好きになっていたのね。(浮気者だけれど)

多治比高子です。嵯峨帝側室として寵愛された理由はインテリだった設定。

あれ?「あの四重奏ドラマ」のエンディングシーンみたいなことしてない?

三行指帰現代語訳コント風、はじまりまじまり〜

何これ⁉︎空海の書いた話おもしれーじゃん!と吠えて宮女に叱られる神野。三教指帰は日本初の小説と呼ばれる。

空海、実家に帰る。真魚が一番可愛いお母さん。激烈お兄ちゃん、実家あるあるな心配するお父さん。

空海の実家をそのまま父親の名前にしたのはオヤジ、ありがとう…グスッ(泣)の気持ちやったんや。

後の法相宗のトップにして東日本に仏教を伝える男、徳一の本心。

高雄山寺プロレス回。奈良仏教の裏番長、実忠しれっと初登場。

やっと最澄登場。美坊主泰範のせいで既に不穏な比叡山寺。

ある意味最強キャラ、朝原内親王登場。

飛べない小鳥、から明鏡の出生の秘密編へ。

尚侍明信の罪は亡国の姫、明信の若き日の過ち。

「陽の下の露」冬嗣の長男、藤原長良誕生。ちなみに薬子と葛野麻呂の不倫関係は史実です。

「風が吹く」遣唐使に選ばれなかった空海に起こったありえへん奇跡。それにしても徳一口悪ぃな。

桓武帝が仏教勢力を叩いた理由は脱税摘発のため。しかし宗教法人を使った脱税って1200年経った今でもやってますなあ。

「受戒」どーもどーも、三論宗のアイドルにして空海の頭を剃った勤操ですぅー…ってじいさんどないしたー⁉︎

最初の師戒明との別れ。わし、行ってきます。

「船乗り星」朝廷も一目置く宗像氏の濃いマダム登場。

どうもー、空海を唐に送り最澄を唐から連れ帰ってながらも後世にほとんど知られていない葛野麻呂。ここでは準主役です。

徳政論争回。現実的にこれ以上の東国進出は無理だった。徳川家康の次に鷹狩り好きな歴史上の人物として有名な桓武天皇の最後の鷹狩り。

仙境天台山、思えばこのひと時が最澄の一番の幸福だったかもしれない。

「崩御と即位」皇帝陛下の崩御と新皇帝の即位に立ち会っちゃった俺って持ってる〜。からの、カネが無いから2年で逃げ帰れ命令。

「聖俗同船」帰国できなかった遣唐使もいるんですよ…葛野麻呂の最澄へのツンデレっぷりをお楽しみ下さい。

「密の罠」帰国した途端最澄に降り掛かる悪意。

平安京を開いた帝の最期。これから不穏な平城朝が始まるー

秀才、橘逸勢にトリプルの悲劇。留学生たちの寂しさを癒す楽の音。

恵果と戒明との邂逅から三十年。やっと後継者に出会えた恵果。

まるで唐密教の滅びを予測していたかのような恵果の発言。実際にそうなります。

「遍照金剛」かくして遍照金剛空海誕生。で、何で俺様がナレーション?

「柳枝の別れ」長安出立前夜に明かされる霊仙の正体。次回から日ノ本、平城朝編。

「平城朝」最後の薬子の表情は読者さんのご想像にお任せします。

「春宮神野」

宮中も 女子回なければ やってらんない

by明鏡 字余り

「天皇の侍医」官僚として、医師として苦労する弘世の人生が始まる。

「謀」とうとう粛清に向けて動きだした薬子。朝原内親王、神野に迫る毒殺の危機。

「比叡山夜話」最澄に迫る危機。平城帝の悪意。

「翡翠の数珠」空海のせいでまた逸勢がヒドい目に遭うお話。

「阿保の本音」父平城帝への不信感が募る阿保親王。後に彼と妻の伊都内親王から生まれたのが在原業平。

前半の薬子の兄、仲成が起こした暴行事件。これ史実です。後半の勤操の述懐は創作ですが。

「咎人空海」空海、やっと帰国。あの三姉妹再び登場。

「海辺のふたり」空海だけを都に帰さなかった藤原縄主の思惑とは。この時代、芋粥は極上スイーツ扱いでした。

「白雪」兄帝の危険性を思い出す神野。

「神泉苑行幸」策謀に満ちた宮中。筑紫で布教を始める空海に届いた悲報…

「藤原家の毒薬」いつの世も女の仕返しって陰湿なのよねえ。

「譲位」嵯峨天皇が即位した夜に明かされる伊予親王の死の真相。冬嗣の胸に去来するのは怒りか、諦めか。

「実ちて帰る」主人公2人がやっと初対面。次回から第3章「薬子」のはじまり。

わたくし藤原薬子が主役の章、「薬子」、開始ですわよ。空海阿闍梨、神野の坊やとの初謁見でいきなりド不敬発言。

「橘の系譜」女性天皇が女性の部下に姓を与えた女性が始祖の橘家。

明鏡、家族と再会し、そして母になる。

「背徳」性描写あり。そして、薬子は悪女になった。

「真言の灯」最澄さまの千利休感と人手不足の密教。ある事で滅多になくブチ切れる空海。

「宮女明鏡」嵯峨後宮ベビーラッシュ。身籠った明鏡がこれまでの人生を振り返る。

「阿修羅」、怒らせるとシャレにならないレベルで怖い空海のダークサイド。

「東国の勇者」アテルイ回前編。13000vs500で朝廷軍にに勝利した巢伏の戦いと田村麻呂との対話。

「王の器」アテルイと田村麻呂の物語、後編。胆沢制圧戦後のアテルイ、田村麻呂、桓武帝。

真の王の器は誰にある?

どぅもー、宮中のイケオジ葛野麻呂です。「負の遺産」、宮女同士のマウントバトルが怖ぇわ…

「征夷大将軍殿の憂鬱」田村麻呂、愛妻とのフルムーン旅→ヒリヒリするような駆け引き。

「小鳥立つ」明鏡、13年ぶりに父との対面で思い切った決断を告げる。そして運命の子は誕生した。

「火の継承」

この時代の年明けのお祭り、修二会。ググった結果検索トップがさだまさしの「修二会」だったので公式の自分がまさしに敗けて悔しい実忠。

「智泉の祈り」

嘉智子さまへのマタハラ案件、「皇子を産め」とのたまう橘家の兄君たちにブチギレる空海阿闍梨。

「豪奢なる遁甲」嵯峨天皇vs平城上皇最後の争いが万葉サーカスの歓声の中始まる。


この回から三人目の主人公、ソハヤ登場。

「私刑」

池波か!とツッコミ上等な回。法具を本来の目的(明王の武器)で使う空海。

「なるほど、これがお役所仕事か」by嵯峨天皇

「隘路」、暗殺者集団土蜘蛛vsタツミ率いる修験者たち。薬子の変クライマックス前編。

「火宅」一万字越えの大作です。嵯峨天皇vs平城上皇最後の戦い後編。


藤原薬子と語らう老婆の正体は…

「徒花散る」失脚がそのまま死に繋がる全然平安で無かった平安初期の、最後の政変。


勝ってもあまり嬉しくない戦いでしたね…


by田村麻呂

第3章「薬子」終わり。後ろ暗い取引をしてもカッコいい俺様であーる。


by修験者タツミ

第54代仁明天皇こと正良誕生でおめでたい事からはじまる弘仁元年。

「弘仁おじさん」と呼ばないで。

by藤原冬嗣

明けましておめでとうございます。嵯峨天皇の叔母にして宮中屈指の美魔女、酒人内親王です。ここぞとばかりに気合い入った命婦たちのファッションと空海vs朝原の新春disり合い回で御座います…

若い頃の実忠さまはやさぐれていたなあ。

この世でやるべきこともやったし…じゃあね!

by和気広世

嵯峨天皇の兄、良岑安世の恋人の真名井でございます。「九条にて」はさあ、これから庶民と渡来人たちが活躍する平安アンダーグラウンドな物語の幕開け。

空海in伊勢神宮。朝原内親王より託されたとんでもない密命。

エミシ最後の戦士、ソハヤの人生のはじまり。

前半、終了。

険しい高野の山道を抜けるとそこは…異文化レベルの集落だった。

「丹生一族」パツキン彫金師、ムラートです。今回は丹生一族と秦一族と高野山のお話。



奈良の大仏建立時の人に言えない過去。老いた僧ほど暗い秘密を抱えているものなのですよ。

by実忠

「集光」実は、この話で作者は話を終わらせるつもりだったのですが、取材で高野参りをし、そこの宿坊でご住職の説法を聞いた時に「物語のラストシーン」が頭に浮かびあと50話位書く事に。

「田口三千媛」今では虐待と言われる育てられ方をされたと思います。訳を聞かされて納得しても、無理に許さなくてもいいのよ。

「弘仁格式」100年ぶりの法改正にとりかかる嵯峨帝。謎の美僧、泰範の師に対する本音。

平城上皇が会いたかった東大寺の重鎮、実忠の昔語り。前編。光明皇后に仕えた日々。

「光の時代、後」実忠の過去の話。

後半は道鏡事件の真相。

遊女真名井の人生の転機。家族との再会と共に恋人との別れを覚悟する。

「軛」

丹生のシリン姫の花占い。「来る、来ない。来る、来ない…来たあー!」

「灌頂」

死んで生まれ変わりたい気持ちで空海に会いに行った泰範。

最澄はんの「泰範、行かないでくれ」

の熱烈な文が歴史的資料として残っておます。

by空海


ぐすっ、ぐすっ…生きながら生まれ変わる事って出来るんやな…


by泰範

「信源氏」日本史最初の源氏、源信です。あのね、四さいの時にお家(宮中)から出されて明鏡お母様と離されてしまったの。


信源氏物語のはじまりはじまり〜。

高野の麓、天野の里に帰ってきたムラートです。妹の結婚式がゾロアスター教通りの儀式だと⁉️


天野わっしょい物語をお楽しみに。

嵯峨帝と正妻高津内親王との離婚の真相に迫る「高津退場」後宮サスペンス回。

橘嘉智子、立后のお話。

「わたくし、覚悟を決めました」

「常の白珠」

延暦十五年四月(796年5月)、日の本初の公然セクハラ&パワハラの記録でございます。

by明信

あの時は恥ずかしい思いさせてごめんよ…まだ怒ってる?

ねえ明信、こっち向いて(焦)

by桓武帝

お二人とも、犬も喰わない痴話喧嘩を板上でやらないで下さいまし。

by葛野麻呂

「わし、とうとう最澄はんと絶交する覚悟決めました」

空海を本気でブチギレさせた最澄の言動。


そして、高野山開基に向けて動き始める弟子たち。

「高野」

私ムラート、生まれも育ちも高野山でございます。このお山の自然の洗礼に遭う実叡と泰範。

高野を舐めちゃあいけねえよ。


なぜか寅さん口調。

「時鳥」

小野篁初登場回。そして、現世での役目を果たした巫女との別れ。

「落花宴」

民を食わせるために働いた藤原、葛野麻呂の最期。日ノ本初の茶事と花見の宴の記録。



「拠り処」

天皇皇后だってもふもふふくふくで癒されたい。徳一、東国に進出宣言。

「橘秀才」

「弘法も筆の誤り、って肝心な時に大ポカをやらかすって事なんだね」

古今随一の芸術家となった逸勢、空海にツッコミを入れる。

「シリン都に行く」

はーい、私は高野山の麓天野の里に住む主婦シリン。夫に下された辞令で子供たち連れて平安京へお引越しですって⁉️ドギマギしちゃう!

…って魔法少女みたいなあらすじ紹介でいいのかしら?

「篁」

ちーっす、小野篁でーす。僕の風評「なんだかすげえ奴」みたいに言われてるけど、嵯峨帝に出会った頃は脳筋の野生児でしたよ。

「一隅を照らす」

最澄、最期のことば。戒壇認可を遅らせた嵯峨帝の真意。


そして、たそがれ空海。



「進士篁」

ちーっす!篁っす!それでは一句。


竹の子(篁)が ドラゴン桜(三教指帰)で サクラサク


物語の主人公空海阿闍梨から僕に交代っす!

白秋の章、「嵯峨野」のはじまり。淳和帝即位。遡って嵯峨帝による黄櫨染御袍プロデュース秘話。

「正子と正良」

嵯峨上皇と嘉智子お母様の息子、正良(後の仁明帝)です。十四で結婚したお嫁さんが可愛過ぎてキュートなハートにズキンドキン!です。

「祈雨(きう)」

元服した源信信です。空海阿闍梨による伝説の雨降らしの祈祷の裏に蠢く大人たちの陰謀に、

うわあああ…

皆さんお久しぶり。田村麻呂です。平安初期の貴族たちは麻呂麻呂っなくて武士武士ってたんですよ。


ごきげんよう、小野篁です。

(官吏になったのでパシリ口調はやめました)

今回は私のルーツとソハヤ、シルベに隠された秘密が明かされる回です。

「在るがまま」

平城上皇の第三王子、高岳親王です。今回は父の最期の想いと私の出家の物語。


◯ウケンシルバーのモデルになった私の人生の出発でしたねえ。

「哀しい哉」

このエピソード書くために作者、高野山にお参りに行き智泉の御廟(お墓)に手を合わせました。

「天長二年の旅立ち」

久しぶりの金髪仏師ムラートです。東寺の立体曼荼羅完成秘話。あの時の空海さんは某劇作家か!って位ダメ出しして来て参りましたよ…


そしてラスト主要人物、在原業平初登場。

「夫人たちの夏」嵯峨帝の側室、藤原緒夏です。後宮で生きる憂鬱と高子さまとの友情の回。


「頭の冬嗣」

今年の◯河はやり過ぎちまった私の愚孫どものいざこざですが一人ちゃんと遺言を守った奴がいたようです。

「心の中の明王」

篁と徳一の出会い。東国にて。

空海と最澄を支援した破天荒僧侶、勤操の最期。さよならだけが人生や。

喫茶去(きっさこ)は禅語で「ま、茶でも一服」の意味。人生最後の対面を惜しむ主人公二人。

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美文です。

とてもきれいで、深い文です。 歴史の知識も、尊敬します。

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小説情報

嵯峨野の月

白浜台与  iyotan1923

執筆状況
連載中
エピソード
128話
種類
一般小説
ジャンル
歴史
タグ
平安時代, 嵯峨天皇, 空海, 最澄, 橘嘉智子, 小野篁, 橘逸勢, 桓武天皇, エミシ, アテルイ
総文字数
638,959文字
公開日
2023年09月24日 15:08
最終更新日
2024年04月27日 14:31
ファンレター数
1