第108話 常の白珠

文字数 4,275文字

あれ延暦十五年四月(796年5月)のひと月後には梅雨を迎える初夏の宴のこと。

もうお酒も肴も宴客に全て回ったわね。

と思って尚侍明信が女官たちに「様子を見ながら休憩していいから」と言いつけて自分も定位置である帝の背後に腰を下ろした時だった。
突然、
「いにしえの野中古道(のなかふるみち)あらためばあらたまらんや野中古道」

(昔からの野中の古い道は変えようとしても容易く変えることができないものだね)

と泥酔なさっていた桓武帝が戯れに万葉風の古歌を明信に向けて寄越したのだ。

歌というものは殿方が女人に送る時は恋の歌となり、

私があなたに抱いていた昔の恋情、それは今でも変わっていないんだよ。

という過去の肉体関係を公衆の面前で言われたにも等しい。

明信が桓武帝と若い頃恋仲だったのは周知の事実なので、

もう昔のことだ。

こういう時は気の利いた返歌でもするのが熟練の宮中女官の務めなのに、明信は本当に羞恥の余り何も言えなくなってしまった。

相手が頑固に押し黙っているので桓武帝は調子に乗って、

「おいおい、だんまりとはつれないなあ、じゃあ私があなたに代わって返歌してあげよう。こういう時はこう返歌しなくちゃ駄目なんだよ」

きみこそは忘れたるらめにぎ珠のたわやめ我は(つね)白珠(しらたま)

(天皇であるあなた様はもう私のことを忘れてしまわれているのでしょうが、女の私は永遠に変わらない白い珠のように、あなたへの変わらぬ想いを抱き続けているのでございますよ)

酔った客の間から笑いが起き、素晴らしい応答歌でありまするな、帝ばんざい!

いやあ年を重ねた男女の恋の駆け引きは奥深いものですな。

見なさい、尚侍どのが恥じらっている。老練の女官だと思っていたあの人のうぶな様を見るのはたまらないねえ。

と宴席の貴族たちから囃し立てられる中で明信は、

そ、そりゃ互いに五十越えて初老の域でしたけれど私はとうに人妻なのに帝ったら過去の関係をあからさまに歌でばらしておしまいになるなんて…

あの時は本当に穴があったら潜り込んでしまいたいくらい恥ずかしくっていたたまれなかったのですよ!

と夢の中の桓武帝に文句を言って明信が目覚めたのは橘嘉智子立后の慶事のお祝いの雰囲気がさめやらぬ弘仁六年の秋、

「おばあ様」と遠慮がちに自分を呼ぶ孫娘、藤原平子の声に明信は首だけこちらに向けて「起きてますよ」と答えた。

尚侍を引退した後の明信は亡き夫、藤原継縄(ふじわらのつぐただ)が建てた

桃園

と呼ばれる豪邸で桓武帝女御であった孫娘の藤原平子と、彼女の娘で桓武帝皇女伊都内親王、伊都の夫の阿保親王と隠居生活を送っていた。

尚、阿保親王は「記録の上では」政変の(せめ)を負って太宰権帥に左遷。

とされているが嵯峨帝は兄上皇と高岳親王の様子を探るための密偵として阿保を使い、奈良と都を行ったり来たりさせていた。

今年に入って明信は病で寝付く事が多くなり、夏の厳しい暑さでお体が持ちますまい。と薬師に言われていたがこの夏をどうにか乗り切った。

床に半身起き上がるまでに回復した明信は平子の「お見舞いのお客様がいらしております」という言葉に既に宮女を引退し、息子の乙叡(たかとし)も亡くなって誰からも忘れ去られたこの邸に来客など珍しいことだ、と思って「どなたなの?」と尋ねると、

「そ、それが中納言藤原葛野麻呂さまなのです!」

とうとう我が人生最後の気掛かりに決着を付ける時が来た。

覚悟を決めた明信は平子と女房たちに「このような見苦しいなりでは公卿の前に出られませんわね」と化粧道具一式と手持ちの中で最上の衣装と簪を女房に用意するよう言い付けた。

葛野麻呂は半時(一時間)ちかく待たされたてやっと御殿に通され、病身と聞かされていた明信が長い白髪を豊かに結い上げて前髪に簪を差し、衣装も化粧も寸分の隙無く仕上げた彼女の姿に気圧される形になった。

なんという人だ。

かつては我が娘明鏡を拐かした憎い女だと思っていたのに、病身の身を押して我を迎えてくれるとは…

この人は権高いのではなく、誇りが高いのだ。

とようやく亡国の姫君、百済王明信としての彼女の本質を理解した。

「実は明信さまにとっておきの気付けの薬をお持ちしてございます」

にこり、と口元に笑みを浮かべて葛野麻呂が背中に隠していた童子を自分の隣に座らせる。

その童子の顔立ちは明信にかつての恋人、山部王(桓武帝)との間にもうけた娘、明慶を。さらには明慶と葛野麻呂との間に生まれた孫娘、明鏡を思い起こさせた。

「もしかしてこの御子は」

「はい、源信(みなもとのまこと)さまでございます」

ほう、と明信は胸郭全体を使って息を吐き出すと団扇で顔を隠し息を整えてからふんわりとした微笑で信に語りかけた。

「はじめまして信さま。おいくつになられましたか?」

「五才になります」

と快活そうに答える信を明信は頼もしく思った。この邸で生まれて以来五年ぶりの曾孫との再開に胸が詰まり目頭が熱くなる。

「…本当に最高の気付け薬でしたわよ」

もう何年の時がたったのであろうか。

明信は若き日の山部王との許されぬ逢瀬を、

葛野麻呂は明信の娘とは知らずに契りを交わした明慶との短かったが幸せだった日々を、

それぞれの心で思い返していた。

明慶が亡くなるとすぐに娘の明鏡を認知して藤原北家に引き取ろうとした所を実の祖母である明信に出し抜かれて宮中に拐かされてしまったことから二人の間に遺恨が生まれた。

最愛の女人との間に儲けた娘を取り戻すためにどんな手を使ってでも出世してやろう。

と葛野麻呂は命がけである遣唐大使の任を引き受け、途中色々の苦難を越えて見事それを果たした。

結果的に平城上皇が起こした政変でも処罰を免れ、自分が公卿として政の中枢にいられのは、ひとえに唐帰り、という「箔」を付けたお陰なのだから。

今さらこの人に遺恨などない。

何故なら明鏡が帝との間に生まれた皇子の後見に、と我に信さまを託してくれた時に
明慶との愛は成就した。と満足したのだから。

今さらこの男に怯えなんてない。

孫娘の明鏡を宮中に匿ったつもりが父親であるこの男の恨みを買い、手段を選ばない藤原家のやり方をずっと恐れていたが、明鏡自身が我が子を臣下にしていただくと宣言して実父の野心を挫き、

信さまがお生まれになった時点で桓武帝との血脈が繋がれ、報われたのですから。

赦しというには綺麗過ぎるし、諦めというには虚しすぎる。

ただ、年月が経ち過剰な思いをかける理由が双方に無くなっただけのことなのだ。

最も愛する男から強引に引き離された女と、
最も愛する女に先立たれ生まれた娘を取り上げられた男が同じ部屋にいて互いの末裔である信が菓子の焼き栗を食べるのを笑って見ている。

「不思議なものですな、
人というのは相手に一方的な思いを寄せては失念し、
あるいは恨み、
あるいは諦めつつも執着を捨てきれずに生別や死別をしていくものだと思っていたのにまさか我々がこのような別れの形を迎えるとは」

「わたくしもそう思います」

狭隘な渓谷の急流から河のなだらかな流れへ、そして広い海のような心で老いた互いをいたわる姑と婿は信をはさんで昔語りをし、日が暮れる前に葛野麻呂は信を連れて桃園から退出した。

最後に明信から「お気をつけてお帰りあそばせ」と見送られた葛野麻呂は帰りの牛車の中で、

やれやれ、見舞客が病人に丁寧に見送られるなんてな…明信どのよ、貴女には完敗だ。

とひとり苦笑いした。

それから半月後の弘仁六年十月十五日(815年11月19日)、明信は家族に看取られて息を引き取った。

「ほとんどお苦しみになることはなく眠るような最期でした」

と葬儀に参列した葛野麻呂は臨終の様子を平子から聞かされた。

ただ…と明信の曾孫婿の阿保親王が「最後のお言葉は何か歌をお詠みになっていたようで」と何かを思い出したようなので、

「何と言われたのです?」とさらに尋ねると阿保親王ははた、と手を打ち、

都禰乃詩羅多麻(つねのしらたま)、という言葉だけははっきりと聞こえました」
と答えた。

常の白珠。
その言葉を聞いただけで葛野麻呂は自分も招待されていたあの宴の桓武帝の古歌に何も言えなかった明信の様子をありありと思い出した。

ああ、あの方は泉下へ向かう夢うつつのなかで迎えに来た桓武帝にしっかりと自分の意思で返歌なさったのだ。

明信どの。

貴女の生き方は側にいる形が変わろうともひたすら愛する人を思い続けた、まさに常の白珠(変わらぬ想い)でしたな。

百済王明信(くだらのこにしきみょうしん)、帰化した渡来人の姫として生まれ延暦の時代に尚侍として女官の頂に立ち奈良から平安の時代にかけて宮中に咲き誇った大輪の花であった。

嵯峨帝は長年父帝に尽くしてくれた明信に贈従二位。

「父上、伊予の兄上、妹の高志、そして母代わりの明信…人生三十年近く生きていると次々と別れが迫るものだな」

嵯峨帝は縁側で息子の信に初めての横笛の稽古をお付けになり、

「唇は微笑んだ形で真ん中だけを開き、唄口(息を吹きこむ穴)に下唇に少し付けて上から下に息を吹き込むようにするのだよ」

と細かく指示なさっていた。

その様子を庭から見ていた葛野麻呂が親子の睦まじさを微笑ましく思い、

「我は六十近く生きて参りましたが、生まれて来るお子との出会いも次々とやってくるものですよ」

と言うと嵯峨帝は横笛に息を吹き込む信をご覧になりながら、

「今回は中納言に負けたな」

と縁側の向こうに控える葛野麻呂に向かって降参、とばかりに肩をおすくめになられた。

「こうやって信が健やかに育っている様子を見ると中納言に預けて良かった。とつくづく思う」

主のお言葉には…と畏まり

「我に何があっても十人の息子たちに『信さまを大切にせよ』と遺言してありますのでご心配なさることはありません」

と余裕の笑みを浮かべる葛野麻呂に対して嵯峨帝の背後に控えていた信の母明鏡が、

「だからといって甘やかしてお育てになるのはあってはならない事か、と」

と釘をさした。

葛野麻呂は下を向いて肩を揺すり、嵯峨帝は

「まったくいつも口では明鏡に敵わぬ!」

と政務続きで忙しい合間の安らぎの中でお笑いになられた。

その内に信が横笛を回しながら唄口に唇を当て、
最初の音を発した。
その一音がまるで解き放たれた鳥が空に駆け上がるような勢いだったので、

「巧いな!信。初めてでそのような音を出せるとは…この子はいずれ楽の名手になるやもしれんぞ」

と息子をお褒めになられた。

昔、無位無冠の山部王だった頃の桓武帝が初恋の異国の姫君明信に求愛して明慶が生まれ、

夫に先立たれた明慶が葛野麻呂の求愛を受けて明鏡が生まれ、

宮女となった明鏡が嵯峨帝の寵愛を得て信皇子が生まれた。

こうして三つの愛が帰結し
明鏡がこの国の未来に向けて遺した大いなる遺産。

それは、源氏(げんじ)



























































































































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登場人物紹介

空海、本名は佐伯真魚。香川県善通寺市出身の裕福な豪族のせがれ。学業優秀で長岡京の大学寮に入るが、そこで遭った悲劇が彼を仏門に向かわせる。

嵯峨天皇(神野親王)桓武天皇の第二皇子。

問題だらけの平安京に真の平安をもたらす名君。空海とは生涯の友になる。欠点、浮気性でパリピ。

橘嘉智子

嵯峨天皇に最も愛され、橘氏出身の唯一の皇后となる。仏教への傾倒は人生から逃げる術。

私は和気清麻呂。「これから起こる悪い事全部怨霊のせいにしちゃいましょう」と御霊信仰の悪知恵吹き込みました。

本音?桓武帝が起こした人災だろーが。

藤原薬子です。後に悪女呼ばわりされる私も言い分いっぱいあるんですのよー

嘉智子さまお付きの女童、明鏡です。薬子登場でなんだか不穏な予感…

空海に山岳修行教えた勤操ですぅ〜。時々奈良仏教の中間管理職としてぼやきます。桓武帝と戒明じいさんとの因縁ってなんやろな?


役行者六代子孫にして作中最もヤバいおっさんタツミ登場。わし空海のエグい修行生活のはじまりです。

新キャラ藤原葛野麻呂、空海を唐に連れて行く貴族です。私の顔は東寺の帝釈天像がモデルです。イケメンですよー。

兄貴、自分の息子の誕生祝いで不倫ばれてんじゃねーよ…って親父に対して正論で返してるし!義理の叔父、田村麻呂初登場。

by嵯峨帝

ふっふっふ。俺様は修験者の頭タツミ。真魚よ、よくぞ試練を乗り越えたな…っていつまでも妻の手握ってんじゃねえ!

若き日の坂上田村麻呂も絡む平安ミステリー、藤原種継暗殺事件の真相です。


最新話まで話を読んできた登場人物全員の心の声


「そりゃ祟られるわ!!」

実在した前の遣唐使僧、戒明です。史実上の真魚との接点は不明です。唐から偽経を持ち帰ったとして失脚してた私の名誉回復をしてくれたのは空海だから最初に出会った師として登場。

荒行の末に悟ったもの。仏性、すなわち人の心なり。善行も悪行もそれを行う人の心次第。

やっぱりわたくし、親王さまを好きになっていたのね。(浮気者だけれど)

多治比高子です。嵯峨帝側室として寵愛された理由はインテリだった設定。

あれ?「あの四重奏ドラマ」のエンディングシーンみたいなことしてない?

三行指帰現代語訳コント風、はじまりまじまり〜

何これ⁉︎空海の書いた話おもしれーじゃん!と吠えて宮女に叱られる神野。三教指帰は日本初の小説と呼ばれる。

空海、実家に帰る。真魚が一番可愛いお母さん。激烈お兄ちゃん、実家あるあるな心配するお父さん。

空海の実家をそのまま父親の名前にしたのはオヤジ、ありがとう…グスッ(泣)の気持ちやったんや。

後の法相宗のトップにして東日本に仏教を伝える男、徳一の本心。

高雄山寺プロレス回。奈良仏教の裏番長、実忠しれっと初登場。

やっと最澄登場。美坊主泰範のせいで既に不穏な比叡山寺。

ある意味最強キャラ、朝原内親王登場。

飛べない小鳥、から明鏡の出生の秘密編へ。

尚侍明信の罪は亡国の姫、明信の若き日の過ち。

「陽の下の露」冬嗣の長男、藤原長良誕生。ちなみに薬子と葛野麻呂の不倫関係は史実です。

「風が吹く」遣唐使に選ばれなかった空海に起こったありえへん奇跡。それにしても徳一口悪ぃな。

桓武帝が仏教勢力を叩いた理由は脱税摘発のため。しかし宗教法人を使った脱税って1200年経った今でもやってますなあ。

「受戒」どーもどーも、三論宗のアイドルにして空海の頭を剃った勤操ですぅー…ってじいさんどないしたー⁉︎

最初の師戒明との別れ。わし、行ってきます。

「船乗り星」朝廷も一目置く宗像氏の濃いマダム登場。

どうもー、空海を唐に送り最澄を唐から連れ帰ってながらも後世にほとんど知られていない葛野麻呂。ここでは準主役です。

徳政論争回。現実的にこれ以上の東国進出は無理だった。徳川家康の次に鷹狩り好きな歴史上の人物として有名な桓武天皇の最後の鷹狩り。

仙境天台山、思えばこのひと時が最澄の一番の幸福だったかもしれない。

「崩御と即位」皇帝陛下の崩御と新皇帝の即位に立ち会っちゃった俺って持ってる〜。からの、カネが無いから2年で逃げ帰れ命令。

「聖俗同船」帰国できなかった遣唐使もいるんですよ…葛野麻呂の最澄へのツンデレっぷりをお楽しみ下さい。

「密の罠」帰国した途端最澄に降り掛かる悪意。

平安京を開いた帝の最期。これから不穏な平城朝が始まるー

秀才、橘逸勢にトリプルの悲劇。留学生たちの寂しさを癒す楽の音。

恵果と戒明との邂逅から三十年。やっと後継者に出会えた恵果。

まるで唐密教の滅びを予測していたかのような恵果の発言。実際にそうなります。

「遍照金剛」かくして遍照金剛空海誕生。で、何で俺様がナレーション?

「柳枝の別れ」長安出立前夜に明かされる霊仙の正体。次回から日ノ本、平城朝編。

「平城朝」最後の薬子の表情は読者さんのご想像にお任せします。

「春宮神野」

宮中も 女子回なければ やってらんない

by明鏡 字余り

「天皇の侍医」官僚として、医師として苦労する弘世の人生が始まる。

「謀」とうとう粛清に向けて動きだした薬子。朝原内親王、神野に迫る毒殺の危機。

「比叡山夜話」最澄に迫る危機。平城帝の悪意。

「翡翠の数珠」空海のせいでまた逸勢がヒドい目に遭うお話。

「阿保の本音」父平城帝への不信感が募る阿保親王。後に彼と妻の伊都内親王から生まれたのが在原業平。

前半の薬子の兄、仲成が起こした暴行事件。これ史実です。後半の勤操の述懐は創作ですが。

「咎人空海」空海、やっと帰国。あの三姉妹再び登場。

「海辺のふたり」空海だけを都に帰さなかった藤原縄主の思惑とは。この時代、芋粥は極上スイーツ扱いでした。

「白雪」兄帝の危険性を思い出す神野。

「神泉苑行幸」策謀に満ちた宮中。筑紫で布教を始める空海に届いた悲報…

「藤原家の毒薬」いつの世も女の仕返しって陰湿なのよねえ。

「譲位」嵯峨天皇が即位した夜に明かされる伊予親王の死の真相。冬嗣の胸に去来するのは怒りか、諦めか。

「実ちて帰る」主人公2人がやっと初対面。次回から第3章「薬子」のはじまり。

わたくし藤原薬子が主役の章、「薬子」、開始ですわよ。空海阿闍梨、神野の坊やとの初謁見でいきなりド不敬発言。

「橘の系譜」女性天皇が女性の部下に姓を与えた女性が始祖の橘家。

明鏡、家族と再会し、そして母になる。

「背徳」性描写あり。そして、薬子は悪女になった。

「真言の灯」最澄さまの千利休感と人手不足の密教。ある事で滅多になくブチ切れる空海。

「宮女明鏡」嵯峨後宮ベビーラッシュ。身籠った明鏡がこれまでの人生を振り返る。

「阿修羅」、怒らせるとシャレにならないレベルで怖い空海のダークサイド。

「東国の勇者」アテルイ回前編。13000vs500で朝廷軍にに勝利した巢伏の戦いと田村麻呂との対話。

「王の器」アテルイと田村麻呂の物語、後編。胆沢制圧戦後のアテルイ、田村麻呂、桓武帝。

真の王の器は誰にある?

どぅもー、宮中のイケオジ葛野麻呂です。「負の遺産」、宮女同士のマウントバトルが怖ぇわ…

「征夷大将軍殿の憂鬱」田村麻呂、愛妻とのフルムーン旅→ヒリヒリするような駆け引き。

「小鳥立つ」明鏡、13年ぶりに父との対面で思い切った決断を告げる。そして運命の子は誕生した。

「火の継承」

この時代の年明けのお祭り、修二会。ググった結果検索トップがさだまさしの「修二会」だったので公式の自分がまさしに敗けて悔しい実忠。

「智泉の祈り」

嘉智子さまへのマタハラ案件、「皇子を産め」とのたまう橘家の兄君たちにブチギレる空海阿闍梨。

「豪奢なる遁甲」嵯峨天皇vs平城上皇最後の争いが万葉サーカスの歓声の中始まる。


この回から三人目の主人公、ソハヤ登場。

「私刑」

池波か!とツッコミ上等な回。法具を本来の目的(明王の武器)で使う空海。

「なるほど、これがお役所仕事か」by嵯峨天皇

「隘路」、暗殺者集団土蜘蛛vsタツミ率いる修験者たち。薬子の変クライマックス前編。

「火宅」一万字越えの大作です。嵯峨天皇vs平城上皇最後の戦い後編。


藤原薬子と語らう老婆の正体は…

「徒花散る」失脚がそのまま死に繋がる全然平安で無かった平安初期の、最後の政変。


勝ってもあまり嬉しくない戦いでしたね…


by田村麻呂

第3章「薬子」終わり。後ろ暗い取引をしてもカッコいい俺様であーる。


by修験者タツミ

第54代仁明天皇こと正良誕生でおめでたい事からはじまる弘仁元年。

「弘仁おじさん」と呼ばないで。

by藤原冬嗣

明けましておめでとうございます。嵯峨天皇の叔母にして宮中屈指の美魔女、酒人内親王です。ここぞとばかりに気合い入った命婦たちのファッションと空海vs朝原の新春disり合い回で御座います…

若い頃の実忠さまはやさぐれていたなあ。

この世でやるべきこともやったし…じゃあね!

by和気広世

嵯峨天皇の兄、良岑安世の恋人の真名井でございます。「九条にて」はさあ、これから庶民と渡来人たちが活躍する平安アンダーグラウンドな物語の幕開け。

空海in伊勢神宮。朝原内親王より託されたとんでもない密命。

エミシ最後の戦士、ソハヤの人生のはじまり。

前半、終了。

険しい高野の山道を抜けるとそこは…異文化レベルの集落だった。

「丹生一族」パツキン彫金師、ムラートです。今回は丹生一族と秦一族と高野山のお話。



奈良の大仏建立時の人に言えない過去。老いた僧ほど暗い秘密を抱えているものなのですよ。

by実忠

「集光」実は、この話で作者は話を終わらせるつもりだったのですが、取材で高野参りをし、そこの宿坊でご住職の説法を聞いた時に「物語のラストシーン」が頭に浮かびあと50話位書く事に。

「田口三千媛」今では虐待と言われる育てられ方をされたと思います。訳を聞かされて納得しても、無理に許さなくてもいいのよ。

「弘仁格式」100年ぶりの法改正にとりかかる嵯峨帝。謎の美僧、泰範の師に対する本音。

平城上皇が会いたかった東大寺の重鎮、実忠の昔語り。前編。光明皇后に仕えた日々。

「光の時代、後」実忠の過去の話。

後半は道鏡事件の真相。

遊女真名井の人生の転機。家族との再会と共に恋人との別れを覚悟する。

「軛」

丹生のシリン姫の花占い。「来る、来ない。来る、来ない…来たあー!」

「灌頂」

死んで生まれ変わりたい気持ちで空海に会いに行った泰範。

最澄はんの「泰範、行かないでくれ」

の熱烈な文が歴史的資料として残っておます。

by空海


ぐすっ、ぐすっ…生きながら生まれ変わる事って出来るんやな…


by泰範

「信源氏」日本史最初の源氏、源信です。あのね、四さいの時にお家(宮中)から出されて明鏡お母様と離されてしまったの。


信源氏物語のはじまりはじまり〜。

高野の麓、天野の里に帰ってきたムラートです。妹の結婚式がゾロアスター教通りの儀式だと⁉️


天野わっしょい物語をお楽しみに。

嵯峨帝と正妻高津内親王との離婚の真相に迫る「高津退場」後宮サスペンス回。

橘嘉智子、立后のお話。

「わたくし、覚悟を決めました」

「常の白珠」

延暦十五年四月(796年5月)、日の本初の公然セクハラ&パワハラの記録でございます。

by明信

あの時は恥ずかしい思いさせてごめんよ…まだ怒ってる?

ねえ明信、こっち向いて(焦)

by桓武帝

お二人とも、犬も喰わない痴話喧嘩を板上でやらないで下さいまし。

by葛野麻呂

「わし、とうとう最澄はんと絶交する覚悟決めました」

空海を本気でブチギレさせた最澄の言動。


そして、高野山開基に向けて動き始める弟子たち。

「高野」

私ムラート、生まれも育ちも高野山でございます。このお山の自然の洗礼に遭う実叡と泰範。

高野を舐めちゃあいけねえよ。


なぜか寅さん口調。

「時鳥」

小野篁初登場回。そして、現世での役目を果たした巫女との別れ。

「落花宴」

民を食わせるために働いた藤原、葛野麻呂の最期。日ノ本初の茶事と花見の宴の記録。



「拠り処」

天皇皇后だってもふもふふくふくで癒されたい。徳一、東国に進出宣言。

「橘秀才」

「弘法も筆の誤り、って肝心な時に大ポカをやらかすって事なんだね」

古今随一の芸術家となった逸勢、空海にツッコミを入れる。

「シリン都に行く」

はーい、私は高野山の麓天野の里に住む主婦シリン。夫に下された辞令で子供たち連れて平安京へお引越しですって⁉️ドギマギしちゃう!

…って魔法少女みたいなあらすじ紹介でいいのかしら?

「篁」

ちーっす、小野篁でーす。僕の風評「なんだかすげえ奴」みたいに言われてるけど、嵯峨帝に出会った頃は脳筋の野生児でしたよ。

「一隅を照らす」

最澄、最期のことば。戒壇認可を遅らせた嵯峨帝の真意。


そして、たそがれ空海。



「進士篁」

ちーっす!篁っす!それでは一句。


竹の子(篁)が ドラゴン桜(三教指帰)で サクラサク


物語の主人公空海阿闍梨から僕に交代っす!

白秋の章、「嵯峨野」のはじまり。淳和帝即位。遡って嵯峨帝による黄櫨染御袍プロデュース秘話。

「正子と正良」

嵯峨上皇と嘉智子お母様の息子、正良(後の仁明帝)です。十四で結婚したお嫁さんが可愛過ぎてキュートなハートにズキンドキン!です。

「祈雨(きう)」

元服した源信信です。空海阿闍梨による伝説の雨降らしの祈祷の裏に蠢く大人たちの陰謀に、

うわあああ…

皆さんお久しぶり。田村麻呂です。平安初期の貴族たちは麻呂麻呂っなくて武士武士ってたんですよ。


ごきげんよう、小野篁です。

(官吏になったのでパシリ口調はやめました)

今回は私のルーツとソハヤ、シルベに隠された秘密が明かされる回です。

「在るがまま」

平城上皇の第三王子、高岳親王です。今回は父の最期の想いと私の出家の物語。


◯ウケンシルバーのモデルになった私の人生の出発でしたねえ。

「哀しい哉」

このエピソード書くために作者、高野山にお参りに行き智泉の御廟(お墓)に手を合わせました。

「天長二年の旅立ち」

久しぶりの金髪仏師ムラートです。東寺の立体曼荼羅完成秘話。あの時の空海さんは某劇作家か!って位ダメ出しして来て参りましたよ…


そしてラスト主要人物、在原業平初登場。

「夫人たちの夏」嵯峨帝の側室、藤原緒夏です。後宮で生きる憂鬱と高子さまとの友情の回。


「頭の冬嗣」

今年の◯河はやり過ぎちまった私の愚孫どものいざこざですが一人ちゃんと遺言を守った奴がいたようです。

「心の中の明王」

篁と徳一の出会い。東国にて。

空海と最澄を支援した破天荒僧侶、勤操の最期。さよならだけが人生や。

喫茶去(きっさこ)は禅語で「ま、茶でも一服」の意味。人生最後の対面を惜しむ主人公二人。

「光明」全ての務めを終えた空海の眠り。次回から次世代編へ。

「流人篁」百人一首で有名な「わたの原」から始まる篁の反骨最骨頂行動と流人生活。


ちゃっかり現地妻作ってました。

「落日」

葛野麻呂の息子で遣唐大使、藤原常嗣サイドの最後の遣唐使節の行程。


支援者の張宝高は新羅の海将で外交官で大商人。

この回のゲストは唐代の大文人。

「円仁の旅・使命」

どうも、遣唐使団からバックれた不法滞在僧侶の円仁(最澄の弟子)です。私の9年以上に及ぶ旅はいきなりホラーな展開から始まります。

実質、最後の遣唐使である円仁の旅の後編。空海より託された三つの遺言は果たしたものの武宗による仏教弾圧を受ける苦難の復路。オカルトな場面あり。

「胡蝶」

「胡蝶の夢」になぞらえた常嗣の帰国後の辛い立場と責任を感じる篁。二人とも苦しんだんだ。

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