第123話 猿女の里

文字数 5,913文字

この日、宮中医官の和気真菅(わけのますが)(とみ)に忙しかった。

なにしろ嵯峨上皇から内密の命で四軒もの患者の家を往診して回ったのだ。

「彼らに怪我をさせたのは私の責任でもあるので必要な薬あれば遠慮なく申し付けよ」

上皇さまから鷹狩の仔細と顛末を聞かされた真菅は、

「我が知る中では『あれ』が一番効くかと思われますが高貴の方に使ってもようございましょうか?」

と最近やれ殺生禁止だの鷹狩は野蛮だの再び坊さんの意見が強くなってきた抹香臭い世の中でこれはさすがに誰でも顔を顰めるだろう、と思われるある膏薬の名を上げ上目遣いで上皇さまを見る。

「…ああ、確かに『あれ』は怪我人には最上の薬である。よい、我が許す。疾く患者の処へ行くのだ」

と悪戯っぽい笑みをお浮かべになられた。

医者が複数の患者を診る優先度は重症度の高い方からと決まっている。

先ずは棍棒で胸に打ち込みを喰らった巨勢清野。床に仰向けになり衿を開いた彼の胸板には真一文字にくっきりと青痣が浮かんでいた。

肋骨が折れていないかの触診。肺腑に影響がないか何度か深呼吸させての聴診の後で、

「ようございました、打ち身以外に傷はございません」
とほっとする真菅の下で清野はそうか、と鷹揚にうなずき、
「流石は蝦夷の戦士の本気の打ち込みだったぞ」
と怪我されられた身にも関わらず何故かうっとりと天井を見上げている…

そのような患者の心持ちなぞ無視して真菅はおむろに布で鼻と口を覆い、「では処置を行わせていただきます」秘伝の膏薬の入った壺の蓋を開けた。

「う、うわ…医官どのそれは」

うわあああっ!!

と普段痛いときも絶対痛いとは言わない我慢強い清野の、叫びとも吐き気ともとれる悲鳴が邸内に響いた。

「では、この膏薬を毎日塗って十日程じっとなさってくださいませ」
と鼻をつまんだままそそくさと退出する真菅。

後に残されたのは胸全体に脂をべったりと塗布され強烈な臭いに悶絶する清野と、外傷の治癒には最速の効き目がある馬の脂(馬油(ばーゆ))が詰まった壺だった。

真菅はその調子で全身に蚯蚓腫(みみずば)れを負った葛井親王と文屋巻雄にも馬の脂を塗って処置して患者から顰蹙を買いながらも、

「上皇さまの命で今の所最上のお薬で治療を受けるあなた様方は果報者なのですから」

と覆い布の下でしおらしく言い訳を述べながらも、相手が痛がっても塗布の手を緩めなかった。

最後に阿保親王邸に住まう騒速(そはや)の左の腰背部から臀部にかけての打ち身の治療を終えてから、
「いやあ、流石は蝦夷の戦士。素晴らしい(しり)をなさってますねえ…この足腰で裸馬を乗りこなせるのか」
と筋肉で盛り上がったソハヤの臀部をためつすがめつ見つめ、
「や、やめて下さい、そんなに(けつ)をじろじろ見ないで下さいよ…」
と患者、賀茂騒速はうつ伏せ寝の姿勢で恥ずかしそうに呟いた。

「ともかく上皇さまが許可なされた治療法であなた方、十日ぐらいで起き上がれますよ」

そう云われて騒速は

「葛井と巻雄は二十日くらい、清野は半月くらいで」

と清野たちと仕合う前の上皇さまのお言葉、

つまりその日数で完治する位は痛めつけて懲らしめてやってもいいぞ。

という意味の嵯峨上皇の指示を思い出し、
最初は弟君やまだ十五の少年に対して容赦無い仕打ちだ。
と思っていたがこうして密かに最高の医術を持つ和気真菅どのを派遣して下さるんだから。

上皇さまの中には好戦的な荒ぶる魂と慈悲心両方が備わってらっしゃるのだな。と思わずにはいられない騒速であった。

果たして真菅の言うとおり十日程で痛みが引いて起き上がれるようになり、
これで四、五日以内には務めに復帰できる。と思って久しぶりに家族団欒で朝餉を取っている時だった。

庭の茂みががさごそと蠢き中から巨大な黒い馬が現れぬっ、と騒速一家の前に顔を突き出したのである。

妻のシリンはきゃああっ!と飯櫃(めしびつ)を抱えたまま腰を抜かし、騒速と息子二人が「何奴!?」と慌てて汁椀と柄杓持って身構えるも馬はじいっ…と親子を値踏みするように見比べ真ん中にいた長男、甲斐の頬をいきなり(ねぶ)りあげる。

それだけで
この馬、ちゃんと人間を見てやがる!
と騒速は思った。

息子二人にはいつか自分の家族を守れるように、と何年も前から体術を仕込んできたが長男の甲斐は心優しくて人を傷つけることを嫌がり戦いには向いていない。

「は〜っはっはっはっあ!驚かせようと思って馬のまま入って来てしまったんですが…あれ?ちとやりすぎましたかな」

と馬上の小野篁はやっと一家の殺気立った様子に気づき、後から邸内に入って来た空海が

「ええ年こいてなんて非常識なことするんやっ!」

とこの年、巡察弾正(じゅんさつだんじょう)(監察、警察の業務)に任ぜられた若き官吏に一喝を浴びせた。

「親子揃っているようでちょうど良かった。ちょっと騒速どのと次郎君を借りていきますぞっ!」

馬から降りた篁は阿保親王に用意してもらった馬に騒速と空海を乗せて、自分の愛馬である青葉の上に次男の志留辺を乗せて跨がり二頭の馬は親王宅から走り去ってしまった。

「な、なんなのよもう…」
まるで青いつむじ風が舞い込んだような騒ぎの後、シリンはそうつぶやくしかなかった。

その昔、混沌とした地上を治めるために高天原から天つ神々の一行が天降りしようとした途中、(あめ)八衢(やちまた)(道がいくつもに分かれている所)に立って光り輝いている神がいた。

その神の鼻の長さは七咫(ななあた)、背の高さは七尺(ななさか)、目が八咫鏡のように照り輝いている異形であった。

天つ神を代表して天之鈿女命(あめのうずめ)がその神に名を問うた。

「そこの国つ神よ、名は?」
「わが名は猿田彦。天つ神御一行の案内をつかまつる」

天つ神らが無事に地上に着くと、主の邇邇芸命(ににぎのみこと)は天之鈿女に、
「その名を明らかにしたのだから、猿田彦神を送り届けてその名前をつけて仕えるように」と言った。

そこで天之鈿女は猿田彦と結ばれ「猿女君(さるめぎみ)」と呼ばれるようになったという。


「それが私の母の一族である猿女君の由来です…ほら、着きましたよ!」

都から離れて半時ほど馬で走った辺りの長岡京跡近くの平地にその里はあった。

里は集落全体が頑丈な木柵で覆われ、中食(ちゅうじき)の支度であろうかいくつかの家屋から煮炊きをするための煙が立ち昇っている。

「おばあ様ぁ、篁です。言われた通りの方々を連れてきて参りました!」

馬上から声を張り上げる篁の呼応するかのように大きな門扉が開き、
馬から降りて門をくぐった一行を出迎えたのは…

「お帰りなさい篁どの、そして客人の皆様。私は長の一の娘。猿女はあなた方を歓迎いたします」

とまずは篁の伯母である女性が笑顔で挨拶し、彼女の四人の妹、そして彼女らの娘、そのまた娘…と里に住まう二十三人の女たちが自己紹介した。

驚いたのは彼女たちが大人は平均六尺(約180センチ)、子供は十を越えたら五尺(150センチ)と全員長身なことで、

なるほど、篁どのの長身の理由はこれか。と客人たちをすんなり納得させた。

「外の護衛以外は男はんがいないようですが」

彫りの深い美人だが性格のきつさが目元に出ている篁の一の伯母はちらり、と空海を見ると、

「当たり前です」と傲然と言い切った。

「我ら猿女君は猿田彦大神と天細女命の血を引く、この国で最も古い巫女の一族」

「代々女が長を務め、女たちで血を受け継ぎ巫現(ふげん)の務め果たして来ました」

「伊勢の猿女も稗田(奈良県大和郡山市稗田町)の猿女もそうしてきた」

「女だけでほとんど事足りる一族に男なぞ、護衛か子種しか役に立たないわ」

と、篁のニの伯母、三の伯母、四の伯母、五の伯母が次々と言葉を次いで客人たちに説明し、ほっほっほっほっほ!と古風な巫女装束の袖で口元を覆って笑った。

なんだかとんでもない所に呼ばれてしまったようだな…

空海と騒速親子は猿女たちの肚の底を探るような視線の中こころもち身をすくめながら通り抜けて行く。

童たちに聞こえない所で空海が

「たしか猿女君は小野氏の妻になったと聞いておりましたが」

と聞くと一の伯母は、

「あれは優秀なれど落ちぶれていた小野氏の男が猿女の領地を欲しがり、次代を担う女子を産むための子種を欲しがっていた猿女との契約結婚。嫁いだ気など毛頭ありませんから」

と当時のことをなぜか目元を赤くしながら語った。

「これは父の岑守から聞いた話なんですがね」

と背後から篁がさらに声を潜めて二十数年前に行われた猿女君と小野の婚儀の内容、

それは明かりも無い(ねや)で長の娘たちが裸になって小野の男たちにのしかかり、月のものが来なくなるまで子種を絞り取り続ける。
といった凄まじい行為であったそうな。

「既に好きあっていた母の六の君と父岑守は婚儀の直前に駆け落ちして里から逃げ出しましたので仔細は知りません。が、ふた月後に猿女から解放された叔父たちはひと回り以上痩せていたそうです…」

猿女の五人の伯母はほぼ同時に身籠り(実の父親が誰かなんてどうだっていい)
生まれたのが皆女子だったので小野と猿女の間に生まれた五人の娘たちは今は宮中の天皇の儀式用の装束を作る部署である縫殿寮(ぬひとののつかさ)に仕えている。

「私は男子だったので猿女に取られる事もなく母も父の傍にいる事を許されました。いやあ、良かった良かった」

と笑って首を振る篁に騒速が

「あなた(ひじり)に何てこと吹き込むんですかっ!」

と胸ぐら掴まんばかりに詰め寄り、その横で空海が

蟷螂(いぼじり)(カマキリ)や、まるで蟷螂の雌や…」

と己の身を抱きしめ震えた。

空海と騒速とその次男。

とわざわざ名指しして孫に連れてこさせた猿女君の長、薑猿女君(はじかみのさるめぎみ)は顔に皺はあるもののとても齢六十五とは思えぬ艶々した黒髪と透き通るような白い肌を持つ美しい女人だった。

「私の我儘でこのような辺鄙な処まで来て下さって申し訳ありません。が、事は急を要します」

古の神々による託宣は本人だけに伝えなければならない決まりなのでまずは空海以外を部屋から出し、薑は七日前の卜定(ぼくじょう)で焼いた鹿の肩甲骨のひび割れを空海に見せた。

「これは、宮中でも行われる太占(ふとまに)ですね?」

そうです、と薑は頷き

「私ども(いにしえ)の血を引く巫女は重要事を占うときは必ず神の使いである鹿の骨を焼いてひびの形を読んで吉凶を占います。

…あなた、大それたことをしてくれましたねえ。
ま、元々伊勢の巫女である私達は感謝すべきなのでしょうが」

焼失した八咫鏡を空海が新造したという空海と嵯峨上皇と伊勢の神職しか知らない秘密をいきなり言い当てられ、ぎくりとしたが空海は眉一つ動かさなかった。

宗像のイチキ様とも朝原内親王とも似た眼差しの深さ。このお方は本物や。空海は確信した。

「…で、その太占の結果というのは?」

「未だかつてない結果ですよ」

この国で一番古い巫女の血を引く(おうな)は両頬の皺をにっ、と広げた。

部屋から出てきた空海は何か…悄然とした様子だったので騒速は声をかけづらかった。

「賀茂の親子、入るように」と言われるがままに騒速と志留辺が巫女の前に座ると、

「蝦夷の王の血を引く方々よ、ようこそいらっしゃいました」
と薑が親子に向かって拝礼する。

ああ、何も言わなくてもこの方には全てお見通しなのだ。

無理矢理ここまで連れて来たこの媼に騒速は色々言いたいことがあった。
が、心に溜めていた言葉が雲のように全て消えていく不思議な感覚におそわれて何も言えなくなる。

「童、あなたの名は?」
「シルベ、エミシの言葉で風という意味です」

そう答えたシルベの頭の上に媼がおもむろに菰を被せ、足元の小さな炉で温めた石の上に干した何かの薬草を乗せて水をかけて蒸し焼きにしてその蒸気をシルベに吸わせた。

「もしかしてこれって」

「麻の葉です。子供には荒療治ですが急いでこの子の中に眠る神の名をあぶり出します」

蒸気を吸って次第に酩酊状態になるシルベに向けて媼は笹の葉を手に持ちてぱんぱん!と柏手を打ち、

「ひふみよいむなやこと、ふるべゆらゆらゆらゆらとふるべ」


ふるべゆらゆらゆらゆらとふるべ…

と古来からの祝詞を唱えて相手の魂を揺さぶる。

がくん項垂れと完全に意識が落ちたシルベはとても十一の子供が出せない低い声で、

(流石は猿田彦と鈿女の血を引く巫女よ、よくぞ我の正体を暴き出したな)と顔を歪めて笑う。

「答えなさい、あなた様は何故この子を依り代に常世に降りてきたか?古の国つ神よ、あなたの神名(カムナ)はっ!?」

媼に額を鷲づかみにされてう、う…と苦しげに唸るシルベの口から

(我が名はアラハバキ、エミシが崇める東国の神)

と絞り出されたその瞬間、ソハヤの脳裏に養父シルベが顔を出し、

いいか?誰にも言っちゃいけないぞ、その神の名は…

ア、ラ、ハ、バ、キ

と丁寧に口元を動かして不敵な笑顔を見せ、そして消えた。

父上!

「まったく、子供に麻の蒸気を吸わせるだなんて荒っぽい事を…熟睡してるだけや、何ともあらへん」

薑猿女君による顕現の術で昏倒してしまったシルベを診察した空海の言葉にソハヤは心底ほっとした。

「倅は俺が見てるから真魚さんは休んで下さい」

ソハヤに言われて空海は自分は相当疲れた顔をしているのだろう。

外の空気が吸いたい、と思って素直に小屋の外に出るとそこには先客が居た。

「篁どの」
「やあ阿闍梨、星がきれいですよ」

大柄な篁と小柄な空海が並んで壁にもたれて座ると遠目には親子みたいに見える。

細い月の横に宵の明星が並ぶ夏の夜空を見上げ、

わしも五十二で体の老いは自覚してはいるが…と猿女の長に言われたこの国に将来起こること、

十年後に調和の神である大日如来の依り代、佐伯真魚こと空海がこの世から居なくなった時、天つ神の封印が解かれて国つ神が荒ぶる世が始まる。

「猿田彦大神の生まれ変わりである我が孫、篁さまと東国の神の化身であるシルベが暴れる面白き世を私も貴方も見る事が出来ないのは残念ですが」

「その予言は裏を返せば天つ神の代表である大和朝廷の滅びの始まり。貴女はそれを…楽しみだと?」

咎めるような空海の口ぶりにこの国で最も強い巫覡の力を持つ媼は、

「だって私達猿女は天つ神と国つ神の合いの子ですもの。政の趨勢なんて関係ないわ」

と言い切り若い娘みたいに愉しげな笑みを浮かべていた。

「なんか、えろうしんどいわ」

普段人前では滅多に吐かない弱音を空海が口にすると篁は

「おばあ様の託宣を受けた者は皆そう言います」

と優しく微笑んで受け止め、二人とも無言で気の済むまで星空を見上げた。

明け方目覚めたシルベは父の顔を見るなり、
「父上、おれ清野どのの弟子になって強くなりたい」
と宣言し、

同じ頃何か黒く巨大な影と対峙する夢を見て跳ね起きたこの年十七才の賀茂斎院、有智子内親王(うちこないしんのう)は寝汗に濡れたまま父上皇に向けて文をしたためた。

朝の支度を済ませた嵯峨上皇は昨年の賀茂院行幸以来の娘からの便りに胸を弾ませ開封したその文面が─

荒神(こうじん)、放たれり

だったので

「むむ」と思わず口に出してしまわれた。
































































































































































































































ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

空海、本名は佐伯真魚。香川県善通寺市出身の裕福な豪族のせがれ。学業優秀で長岡京の大学寮に入るが、そこで遭った悲劇が彼を仏門に向かわせる。

嵯峨天皇(神野親王)桓武天皇の第二皇子。

問題だらけの平安京に真の平安をもたらす名君。空海とは生涯の友になる。欠点、浮気性でパリピ。

橘嘉智子

嵯峨天皇に最も愛され、橘氏出身の唯一の皇后となる。仏教への傾倒は人生から逃げる術。

私は和気清麻呂。「これから起こる悪い事全部怨霊のせいにしちゃいましょう」と御霊信仰の悪知恵吹き込みました。

本音?桓武帝が起こした人災だろーが。

藤原薬子です。後に悪女呼ばわりされる私も言い分いっぱいあるんですのよー

嘉智子さまお付きの女童、明鏡です。薬子登場でなんだか不穏な予感…

空海に山岳修行教えた勤操ですぅ〜。時々奈良仏教の中間管理職としてぼやきます。桓武帝と戒明じいさんとの因縁ってなんやろな?


役行者六代子孫にして作中最もヤバいおっさんタツミ登場。わし空海のエグい修行生活のはじまりです。

新キャラ藤原葛野麻呂、空海を唐に連れて行く貴族です。私の顔は東寺の帝釈天像がモデルです。イケメンですよー。

兄貴、自分の息子の誕生祝いで不倫ばれてんじゃねーよ…って親父に対して正論で返してるし!義理の叔父、田村麻呂初登場。

by嵯峨帝

ふっふっふ。俺様は修験者の頭タツミ。真魚よ、よくぞ試練を乗り越えたな…っていつまでも妻の手握ってんじゃねえ!

若き日の坂上田村麻呂も絡む平安ミステリー、藤原種継暗殺事件の真相です。


最新話まで話を読んできた登場人物全員の心の声


「そりゃ祟られるわ!!」

実在した前の遣唐使僧、戒明です。史実上の真魚との接点は不明です。唐から偽経を持ち帰ったとして失脚してた私の名誉回復をしてくれたのは空海だから最初に出会った師として登場。

荒行の末に悟ったもの。仏性、すなわち人の心なり。善行も悪行もそれを行う人の心次第。

やっぱりわたくし、親王さまを好きになっていたのね。(浮気者だけれど)

多治比高子です。嵯峨帝側室として寵愛された理由はインテリだった設定。

あれ?「あの四重奏ドラマ」のエンディングシーンみたいなことしてない?

三行指帰現代語訳コント風、はじまりまじまり〜

何これ⁉︎空海の書いた話おもしれーじゃん!と吠えて宮女に叱られる神野。三教指帰は日本初の小説と呼ばれる。

空海、実家に帰る。真魚が一番可愛いお母さん。激烈お兄ちゃん、実家あるあるな心配するお父さん。

空海の実家をそのまま父親の名前にしたのはオヤジ、ありがとう…グスッ(泣)の気持ちやったんや。

後の法相宗のトップにして東日本に仏教を伝える男、徳一の本心。

高雄山寺プロレス回。奈良仏教の裏番長、実忠しれっと初登場。

やっと最澄登場。美坊主泰範のせいで既に不穏な比叡山寺。

ある意味最強キャラ、朝原内親王登場。

飛べない小鳥、から明鏡の出生の秘密編へ。

尚侍明信の罪は亡国の姫、明信の若き日の過ち。

「陽の下の露」冬嗣の長男、藤原長良誕生。ちなみに薬子と葛野麻呂の不倫関係は史実です。

「風が吹く」遣唐使に選ばれなかった空海に起こったありえへん奇跡。それにしても徳一口悪ぃな。

桓武帝が仏教勢力を叩いた理由は脱税摘発のため。しかし宗教法人を使った脱税って1200年経った今でもやってますなあ。

「受戒」どーもどーも、三論宗のアイドルにして空海の頭を剃った勤操ですぅー…ってじいさんどないしたー⁉︎

最初の師戒明との別れ。わし、行ってきます。

「船乗り星」朝廷も一目置く宗像氏の濃いマダム登場。

どうもー、空海を唐に送り最澄を唐から連れ帰ってながらも後世にほとんど知られていない葛野麻呂。ここでは準主役です。

徳政論争回。現実的にこれ以上の東国進出は無理だった。徳川家康の次に鷹狩り好きな歴史上の人物として有名な桓武天皇の最後の鷹狩り。

仙境天台山、思えばこのひと時が最澄の一番の幸福だったかもしれない。

「崩御と即位」皇帝陛下の崩御と新皇帝の即位に立ち会っちゃった俺って持ってる〜。からの、カネが無いから2年で逃げ帰れ命令。

「聖俗同船」帰国できなかった遣唐使もいるんですよ…葛野麻呂の最澄へのツンデレっぷりをお楽しみ下さい。

「密の罠」帰国した途端最澄に降り掛かる悪意。

平安京を開いた帝の最期。これから不穏な平城朝が始まるー

秀才、橘逸勢にトリプルの悲劇。留学生たちの寂しさを癒す楽の音。

恵果と戒明との邂逅から三十年。やっと後継者に出会えた恵果。

まるで唐密教の滅びを予測していたかのような恵果の発言。実際にそうなります。

「遍照金剛」かくして遍照金剛空海誕生。で、何で俺様がナレーション?

「柳枝の別れ」長安出立前夜に明かされる霊仙の正体。次回から日ノ本、平城朝編。

「平城朝」最後の薬子の表情は読者さんのご想像にお任せします。

「春宮神野」

宮中も 女子回なければ やってらんない

by明鏡 字余り

「天皇の侍医」官僚として、医師として苦労する弘世の人生が始まる。

「謀」とうとう粛清に向けて動きだした薬子。朝原内親王、神野に迫る毒殺の危機。

「比叡山夜話」最澄に迫る危機。平城帝の悪意。

「翡翠の数珠」空海のせいでまた逸勢がヒドい目に遭うお話。

「阿保の本音」父平城帝への不信感が募る阿保親王。後に彼と妻の伊都内親王から生まれたのが在原業平。

前半の薬子の兄、仲成が起こした暴行事件。これ史実です。後半の勤操の述懐は創作ですが。

「咎人空海」空海、やっと帰国。あの三姉妹再び登場。

「海辺のふたり」空海だけを都に帰さなかった藤原縄主の思惑とは。この時代、芋粥は極上スイーツ扱いでした。

「白雪」兄帝の危険性を思い出す神野。

「神泉苑行幸」策謀に満ちた宮中。筑紫で布教を始める空海に届いた悲報…

「藤原家の毒薬」いつの世も女の仕返しって陰湿なのよねえ。

「譲位」嵯峨天皇が即位した夜に明かされる伊予親王の死の真相。冬嗣の胸に去来するのは怒りか、諦めか。

「実ちて帰る」主人公2人がやっと初対面。次回から第3章「薬子」のはじまり。

わたくし藤原薬子が主役の章、「薬子」、開始ですわよ。空海阿闍梨、神野の坊やとの初謁見でいきなりド不敬発言。

「橘の系譜」女性天皇が女性の部下に姓を与えた女性が始祖の橘家。

明鏡、家族と再会し、そして母になる。

「背徳」性描写あり。そして、薬子は悪女になった。

「真言の灯」最澄さまの千利休感と人手不足の密教。ある事で滅多になくブチ切れる空海。

「宮女明鏡」嵯峨後宮ベビーラッシュ。身籠った明鏡がこれまでの人生を振り返る。

「阿修羅」、怒らせるとシャレにならないレベルで怖い空海のダークサイド。

「東国の勇者」アテルイ回前編。13000vs500で朝廷軍にに勝利した巢伏の戦いと田村麻呂との対話。

「王の器」アテルイと田村麻呂の物語、後編。胆沢制圧戦後のアテルイ、田村麻呂、桓武帝。

真の王の器は誰にある?

どぅもー、宮中のイケオジ葛野麻呂です。「負の遺産」、宮女同士のマウントバトルが怖ぇわ…

「征夷大将軍殿の憂鬱」田村麻呂、愛妻とのフルムーン旅→ヒリヒリするような駆け引き。

「小鳥立つ」明鏡、13年ぶりに父との対面で思い切った決断を告げる。そして運命の子は誕生した。

「火の継承」

この時代の年明けのお祭り、修二会。ググった結果検索トップがさだまさしの「修二会」だったので公式の自分がまさしに敗けて悔しい実忠。

「智泉の祈り」

嘉智子さまへのマタハラ案件、「皇子を産め」とのたまう橘家の兄君たちにブチギレる空海阿闍梨。

「豪奢なる遁甲」嵯峨天皇vs平城上皇最後の争いが万葉サーカスの歓声の中始まる。


この回から三人目の主人公、ソハヤ登場。

「私刑」

池波か!とツッコミ上等な回。法具を本来の目的(明王の武器)で使う空海。

「なるほど、これがお役所仕事か」by嵯峨天皇

「隘路」、暗殺者集団土蜘蛛vsタツミ率いる修験者たち。薬子の変クライマックス前編。

「火宅」一万字越えの大作です。嵯峨天皇vs平城上皇最後の戦い後編。


藤原薬子と語らう老婆の正体は…

「徒花散る」失脚がそのまま死に繋がる全然平安で無かった平安初期の、最後の政変。


勝ってもあまり嬉しくない戦いでしたね…


by田村麻呂

第3章「薬子」終わり。後ろ暗い取引をしてもカッコいい俺様であーる。


by修験者タツミ

第54代仁明天皇こと正良誕生でおめでたい事からはじまる弘仁元年。

「弘仁おじさん」と呼ばないで。

by藤原冬嗣

明けましておめでとうございます。嵯峨天皇の叔母にして宮中屈指の美魔女、酒人内親王です。ここぞとばかりに気合い入った命婦たちのファッションと空海vs朝原の新春disり合い回で御座います…

若い頃の実忠さまはやさぐれていたなあ。

この世でやるべきこともやったし…じゃあね!

by和気広世

嵯峨天皇の兄、良岑安世の恋人の真名井でございます。「九条にて」はさあ、これから庶民と渡来人たちが活躍する平安アンダーグラウンドな物語の幕開け。

空海in伊勢神宮。朝原内親王より託されたとんでもない密命。

エミシ最後の戦士、ソハヤの人生のはじまり。

前半、終了。

険しい高野の山道を抜けるとそこは…異文化レベルの集落だった。

「丹生一族」パツキン彫金師、ムラートです。今回は丹生一族と秦一族と高野山のお話。



奈良の大仏建立時の人に言えない過去。老いた僧ほど暗い秘密を抱えているものなのですよ。

by実忠

「集光」実は、この話で作者は話を終わらせるつもりだったのですが、取材で高野参りをし、そこの宿坊でご住職の説法を聞いた時に「物語のラストシーン」が頭に浮かびあと50話位書く事に。

「田口三千媛」今では虐待と言われる育てられ方をされたと思います。訳を聞かされて納得しても、無理に許さなくてもいいのよ。

「弘仁格式」100年ぶりの法改正にとりかかる嵯峨帝。謎の美僧、泰範の師に対する本音。

平城上皇が会いたかった東大寺の重鎮、実忠の昔語り。前編。光明皇后に仕えた日々。

「光の時代、後」実忠の過去の話。

後半は道鏡事件の真相。

遊女真名井の人生の転機。家族との再会と共に恋人との別れを覚悟する。

「軛」

丹生のシリン姫の花占い。「来る、来ない。来る、来ない…来たあー!」

「灌頂」

死んで生まれ変わりたい気持ちで空海に会いに行った泰範。

最澄はんの「泰範、行かないでくれ」

の熱烈な文が歴史的資料として残っておます。

by空海


ぐすっ、ぐすっ…生きながら生まれ変わる事って出来るんやな…


by泰範

「信源氏」日本史最初の源氏、源信です。あのね、四さいの時にお家(宮中)から出されて明鏡お母様と離されてしまったの。


信源氏物語のはじまりはじまり〜。

高野の麓、天野の里に帰ってきたムラートです。妹の結婚式がゾロアスター教通りの儀式だと⁉️


天野わっしょい物語をお楽しみに。

嵯峨帝と正妻高津内親王との離婚の真相に迫る「高津退場」後宮サスペンス回。

橘嘉智子、立后のお話。

「わたくし、覚悟を決めました」

「常の白珠」

延暦十五年四月(796年5月)、日の本初の公然セクハラ&パワハラの記録でございます。

by明信

あの時は恥ずかしい思いさせてごめんよ…まだ怒ってる?

ねえ明信、こっち向いて(焦)

by桓武帝

お二人とも、犬も喰わない痴話喧嘩を板上でやらないで下さいまし。

by葛野麻呂

「わし、とうとう最澄はんと絶交する覚悟決めました」

空海を本気でブチギレさせた最澄の言動。


そして、高野山開基に向けて動き始める弟子たち。

「高野」

私ムラート、生まれも育ちも高野山でございます。このお山の自然の洗礼に遭う実叡と泰範。

高野を舐めちゃあいけねえよ。


なぜか寅さん口調。

「時鳥」

小野篁初登場回。そして、現世での役目を果たした巫女との別れ。

「落花宴」

民を食わせるために働いた藤原、葛野麻呂の最期。日ノ本初の茶事と花見の宴の記録。



「拠り処」

天皇皇后だってもふもふふくふくで癒されたい。徳一、東国に進出宣言。

「橘秀才」

「弘法も筆の誤り、って肝心な時に大ポカをやらかすって事なんだね」

古今随一の芸術家となった逸勢、空海にツッコミを入れる。

「シリン都に行く」

はーい、私は高野山の麓天野の里に住む主婦シリン。夫に下された辞令で子供たち連れて平安京へお引越しですって⁉️ドギマギしちゃう!

…って魔法少女みたいなあらすじ紹介でいいのかしら?

「篁」

ちーっす、小野篁でーす。僕の風評「なんだかすげえ奴」みたいに言われてるけど、嵯峨帝に出会った頃は脳筋の野生児でしたよ。

「一隅を照らす」

最澄、最期のことば。戒壇認可を遅らせた嵯峨帝の真意。


そして、たそがれ空海。



「進士篁」

ちーっす!篁っす!それでは一句。


竹の子(篁)が ドラゴン桜(三教指帰)で サクラサク


物語の主人公空海阿闍梨から僕に交代っす!

白秋の章、「嵯峨野」のはじまり。淳和帝即位。遡って嵯峨帝による黄櫨染御袍プロデュース秘話。

「正子と正良」

嵯峨上皇と嘉智子お母様の息子、正良(後の仁明帝)です。十四で結婚したお嫁さんが可愛過ぎてキュートなハートにズキンドキン!です。

「祈雨(きう)」

元服した源信信です。空海阿闍梨による伝説の雨降らしの祈祷の裏に蠢く大人たちの陰謀に、

うわあああ…

皆さんお久しぶり。田村麻呂です。平安初期の貴族たちは麻呂麻呂っなくて武士武士ってたんですよ。


ごきげんよう、小野篁です。

(官吏になったのでパシリ口調はやめました)

今回は私のルーツとソハヤ、シルベに隠された秘密が明かされる回です。

「在るがまま」

平城上皇の第三王子、高岳親王です。今回は父の最期の想いと私の出家の物語。


◯ウケンシルバーのモデルになった私の人生の出発でしたねえ。

「哀しい哉」

このエピソード書くために作者、高野山にお参りに行き智泉の御廟(お墓)に手を合わせました。

「天長二年の旅立ち」

久しぶりの金髪仏師ムラートです。東寺の立体曼荼羅完成秘話。あの時の空海さんは某劇作家か!って位ダメ出しして来て参りましたよ…


そしてラスト主要人物、在原業平初登場。

「夫人たちの夏」嵯峨帝の側室、藤原緒夏です。後宮で生きる憂鬱と高子さまとの友情の回。


「頭の冬嗣」

今年の◯河はやり過ぎちまった私の愚孫どものいざこざですが一人ちゃんと遺言を守った奴がいたようです。

「心の中の明王」

篁と徳一の出会い。東国にて。

空海と最澄を支援した破天荒僧侶、勤操の最期。さよならだけが人生や。

喫茶去(きっさこ)は禅語で「ま、茶でも一服」の意味。人生最後の対面を惜しむ主人公二人。

「光明」全ての務めを終えた空海の眠り。次回から次世代編へ。

「流人篁」百人一首で有名な「わたの原」から始まる篁の反骨最骨頂行動と流人生活。


ちゃっかり現地妻作ってました。

「落日」

葛野麻呂の息子で遣唐大使、藤原常嗣サイドの最後の遣唐使節の行程。


支援者の張宝高は新羅の海将で外交官で大商人。

この回のゲストは唐代の大文人。

「円仁の旅・使命」

どうも、遣唐使団からバックれた不法滞在僧侶の円仁(最澄の弟子)です。私の9年以上に及ぶ旅はいきなりホラーな展開から始まります。

実質、最後の遣唐使である円仁の旅の後編。空海より託された三つの遺言は果たしたものの武宗による仏教弾圧を受ける苦難の復路。オカルトな場面あり。

「胡蝶」

「胡蝶の夢」になぞらえた常嗣の帰国後の辛い立場と責任を感じる篁。二人とも苦しんだんだ。

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み