第122話 兵ども

文字数 5,811文字

一番古い記憶なので確か四つか五つの頃だったと思う。

日が暮れて夜の闇が深くなると育ての父シルベはソハヤを連れて里から離れ、ちょうど里の裏手にある見事に切り込んだ崖のごつごつとした岩肌に向かって広げた両手を上に向けながら(うずくま)り、何やら意味のわからない言葉を長々と唱え何かに向けて祈り続けた。

やがてさっぱりとした顔でシルベが立ち上がるとソハヤに向けてわざと怖い顔して、

「このことは誰にも言うんじゃないぞ」と口止めするのはいつものこと。

あれは父が逝っちまう十日前、
「いったいお(とう)は『誰』に祈っているの?」とずっと前から知りたかった事をとうとう尋ねた。

俺達エミシが信じる神の名は絶対秘密で、もし口にしたり誰かに教えたりしたら神のご加護を失う。

と言い聞かせて今まで息子にも教えずにきたシルベは、もしかしたら自分の命が残り少ないと予感してたのかもしれない。

「…わかった。今から言う名前を決してヤマトの人間に言うんじゃないぞ」

と額から左目を通り顎にかけて斜め下に向けて切り裂かれた古傷をさらした隻眼のエミシの戦士、シルベは唇を上下に開いて…

「ソハヤ、ソハヤ」と妻シリンに揺り起こされて賀茂騒速(かものそはや)は目を醒ました。

(くりや)のほうから飯を(ふか)したり菜を煮炊きする匂いが鼻腔に入ってきて途端に空腹を覚える。

そうだ、今日は上皇さまの鷹狩りが行われるので準備しなければ!

慌てて顔を洗って白湯を飲み、朝餉を腹に入れて身支度した騒速は最近、鷹戸(たかかいべ)(鷹匠)の仕事に興味を持ち、見習いとして入ることを許された十一歳の次男、志留辺(しるべ)を連れていつもより早く職場である主鷹司(しゅようし)(皇族の狩猟を管轄する部署)に入り、まずは床に落ちている羽毛や獣の糞を箒で掃いて鷹狩の為に飼育されている鷹や猟犬たちの小屋の掃除をしてから…

「今日はお前たちの活躍の場だから飯は少なめにするぞ」
とまるでわが子にするように優しく語りかけて餌付けを行った。

主鷹司の長で六位を賜った世襲の鷹戸(たかかいべ)である御室戸鷹戸(みむろとのたかかいべ)が本番で獣たちが貴人を傷つけぬように、と鷹と猟犬の機嫌を確かめ最終確認をする。
「やっぱり騒速が餌付け当番の日は鷹も犬たちも落ち着いている」
長からお褒めの言葉を頂き、は、と騒速は息子と共に(こうべ)を垂れた。

「鷹狩は貴人の方々がご無事に帰宅なさるまでが鷹狩だからな。常に周りに気を配っているように」
鷹狩を行う前にいつも注意なさる長が言葉の最後にちら、と騒速を見たのは。

狩装束に身を固めた嵯峨上皇を護衛する武官である巨勢清野(こせのきよの)どのがいつもなら気安く声をかけて下さるのに今日はこちらを見て下さらないのは。

上皇さまの随員である源信さまと小野篁どのが馬上から時々心配そうな視線を我に送るのは。

全て気の所為(せい)では無かった。と騒速は思い知る事となる。


遡って延暦二十年(801年)胆沢(いさわ)

三尾鉄の飾りを頭頂部から垂らした銀色の兜を被り、銀色の甲冑を身に纏って進軍する将軍、坂上田村麻呂が、

いよいよここら辺りだな。

と思って手を上げて軍勢を止めさせた。

「一町(300メートル)先の草むらが不自然に動きました。あれは敵の斥候かと」
と田村麻呂の右側、(くつわ)を並べて耳打ちするのは副官の文室綿麻呂(ふんやのわたまろ)
「じきに敵の騎馬兵達が来ましょう。アテルイ率いる最精鋭の戦士たちならここから死地になります」
田村麻呂の左側でなんの事はない、といった口調で最悪の予測を告げるのは巨勢野足(こせのたり)

二人とも歴戦の武官で田村麻呂が最も信頼を寄せる部下たちである。

半刻後、野足の読み通りにアテルイ率いる騎馬兵たちが黒漆の鎧に黒母衣という出で立ちで田村麻呂率いる朝廷軍と対峙した。

アテルイと田村麻呂。二人の将軍の間につむじ風が起こり夏草が巻き上がる。

「我の指示通りに動けば負けない。この胆沢での(いくさ)こそが大和と蝦夷の最後の戦いと思え」

背後で緊張する歩兵たちに余裕の笑顔を見せて励ました田村麻呂は「歩兵前へ、鉄棒で馬の脚を砕けっ!」と命令してから手にした直刀をかざす。

「綿麻呂と野足は歩兵が出た後で槍兵と騎兵を指揮しろ…絶対ここを奪るぞ!」

命じられた副官二人は夏草の野原の中手綱を捌いて騎乗のまま将軍の前に躍り出、蝦夷の戦士たちの雄叫びが近づく中我が手の直刀を将軍の直刀に交差させた。

「ご武運を!」


「…それが心許しあった三人だけが交わす武運を祈る合図だった、と我が父野足が生前よく話し聞かせてくれましたよ」

時は下って天長元年(824年)。
父たちの過去の武勇を語るのは野足の息子で右衛門祐である武官の巨勢清野三十一才。

「やっぱりおじじ様は本当に格好良かったのだなあ…」

清野の話と蒸した豆を肴に酒を飲む桓武帝皇子で田村麻呂の孫、葛井親王(ふじいしんのう)二十三才。

空海が降らせた、という春の長雨を廊下に立って眺めていた少年がおもむろに振り返って背後の清野と親王に言った。

「戦も政変も終わって平穏な世の中なのはいい事なのです。が、その頃に比べると我々武官が活躍する機会が減りました」

彼は文室綿麻呂の長男の文室巻雄(ふんやのまきお)。この年十五歳の武官見習いである。

そうですねえ、相槌を打った清野は弘仁七年(816年)に検非違使(けびいし)(皇宮警察)が設立されて都の治安は良くなって来たものの、

明らかに武官の家の子は昇進が滞り清野自身、右衛門佐にはなったものの十三年間その地位に据え置かれているのが現状である。

親王邸の庭の草木が打ち付ける激しい雨に項垂れるのと反対に、今まさに忘れ去られようとしている(つはもの)たちの子らには

抗いたい。どんなに時勢に撫で付けられようとも。

という気持ちが芽吹いて天に向かって伸びたがっていた。

「そういえば六年前から入っている鷹戸に蝦夷の戦士の血を引いている者がおりまして。ぜひ一度仕合ってみたいとの願いがなかなか叶いません」

最初に口火を切ったのは清野だった。

ふうん…と親王はしばし黙り込み、はた、と膝を打つと「決めた!私から兄上皇に頼んでその場を作ってやる」との願いが実現されたのはそれから二月後。

嵯峨上皇による鷹狩で思った以上の獲物を狩り、事情を知らない何人かの随員が帰り支度を始めた時のことである。

床几に腰を下ろしたままの嵯峨上皇が「これから狩りよりも面白い事が起こるから見てはくれぬか」と言い騒速に向かって済まなそうな顔で「賀茂騒速よ、日頃の鍛錬は欠かさずにいるか?」と仰った。

「は」

「今更東国でのいくさの血をたぎらせた者たちが居てね。頼むが彼の者らを鎮めてやってくれないか」

上皇のうなずきを合図に側に控えていた篁が長さ一尺(約30センチ)の木の棒二本と二尺三寸の棍棒一本を騒速に手渡した。

棍棒の方は直刀の鍛錬時に使うもので…短い方はエミシの武器蕨手刀を模したものだと騒速にだけは解った。

「あなたさまが教えで不殺の誓いを立てている事は相手の方々に言い含めておりますゆえ、得意な方でご存分に」

そう言って武器を模した棒を握らせる篁の目には無邪気な光が小躍りした。

狩場である初夏の草原を振り返ると既に巨勢清野が貴人の青年と武官見習いの少年を連れて進み出ていた。皆、棍棒を手に構えている。

「我は巨勢野足の息子、清野。エミシの戦士シルベの子であるソハヤどのに仕合を申し込む」

背後の貴人の青年が
「我は坂上田村麻呂の孫、葛井親王」
と白い歯をちらりと見せて笑い、少年が「我は文室綿麻呂の息子、文室巻雄」
と勢いよく名乗った。

なるほど、つまりはそういうことか。

この御狩場で行われるのは東国で朝廷軍を勝利に導いた将たちの子らと蝦夷の戦士の子同士が仕合う、いわば代理戦争。

穏やかな世が二十年以上も続き、彼らに色濃く受け継がれる(つはもの)の血が沸騰しそうになっているのだろう…

「上皇さま」
「ん?」
「これが座興なら本気で怒りますよ」
「そのつもりは無い。と彼の者らは申しておる。存分に戦え」


「お言葉ですが上皇さま」
床几の上で仕合を楽しみにしている上皇に意見する者が居た。
「何だ、篁」

「親王さまと清野どの、巻雄どのお三方は上皇さまの、ではなく『今上(きんじょう)(おほきみ)(淳和帝)の』大切な臣下です。せめて帝のご政務に差し障りのないようなご配慮を」

在位中から僧侶の論戦の場を設けたり貴族同士の弓矢対決をよく行い、この間の神泉苑での修法を空海と修円の呪力対決にすり替えたり、と。
とにかく他人の喧嘩をご覧なさるのが好きで好きでたまらない荒ぶったご気性の嵯峨上皇に篁は諫言した。

篁の的を射た諫言に上皇はしばし黙り込み、
「…あい解った。騒速」
「はい」
「葛井と巻雄は二十日くらい、清野は半月くらいで」
「心得ました」
と何やら二人にしか解らない指示の後、

「それでは始めっ!」
と目を輝かせて開戦の合図をなさった。

まずは騒速が挑戦者三人の前に進み出て蕨手刀を模した木刀を持った手を前腕で交差させてこころもち背を丸めて右足を前に出して屈み、構えの姿勢を取ると…

騒速の髪が逆立ち、相手の皮膚を突き破りそうな程の殺気が彼の収縮した筋肉から迸り出た。

「まずはお若いお二人からかかって来て下さい」

そう言って上げた相手の顔はまるで獲物を前にした狼の如く爛々と見開き、舌舐めずりしたそうな笑みまで浮かべている。

二間(約3.6メートル)も先にいる相手に気圧され、棍棒を持つ手が震える。

こ、これが本物の蝦夷(えみし)の戦士なのか…!

何年も武術の鍛錬を受けた筈の葛井親王と文室巻雄の足が竦む。
肚の底から恐さがせり上げてくるし、今すぐ参った!と言って逃げ出したい。

それでも。
我が祖父や父がかつて戦った相手は何百人もいたのだ。

逃げるものか!
うりゃーっ!と掛け声を上げながら葛井親王は相手の右手を、巻雄は相手の左側の胴を狙って駆け寄り棍棒を振り上げ打ち据え掛かった。

刹那、相手の姿のが消えて二人の若者の棍棒は大きく空を切った。

相手の頭上を遥かに高く飛び越えた騒速は背後から短い木刀の側面で右手で巻雄の尻に、左手で葛井親王の背中に

べちっ!
と二打、御狩場に音が響く位の鞭打をくれた。

突然の灼けるような痛みに親王と巻雄は悶絶した。が、歯を食いしばって構え直し再び両側から騒速に打ち込もうとするも紙一重で交わされまたも鞭打を食らう。

それが二十数回続く攻撃の間騒速はずっと無表情でいた。

激痛で顔を歪めよだれを垂らしながら肩で息をつき、よろよろになりながら二人は蝦夷の最後の戦士に立ち向かい全身叩かれながら最後は痛みのあまり気絶し、前のめりに地に倒れた。

「お二人とも叫び声一つ上げず武器を手離さず最後まで我の攻撃に耐えました…流石は征夷大将軍とその副官の子孫であらせられる」

騒速は倒れた二人の前に片膝をついて深く頭を垂れた。

上皇の後ろで戦いを見物していた貴族たちの間にどよめきが起こり、

我々の父や祖父世代はあのような恐ろしく強い者どもを相手に戦っていたのか…

いかに上皇さまのお許しとはいえ親王さまに対するあの仕打ちはさすがに無礼ではないのか?
「まだ戦いは終わっていない!」

無責任な貴人たちの不穏な囁きを打ち消すかのように巨勢清野が叫んだ。

「ソハヤよ、その肩と背中の鍛え方で解る。そろそろ小手先だけの技はやめてお互い本気でいかぬか?」

そうですねえ…と木刀の先で頭を掻いた騒速は足元に置いたままの棍棒を片手に持ち、その小柄な体から意外な程の力でぶんっ!と音を立てて振り回した。

「坂上将軍から言われて直刀で戦えるよう常に鍛えて来ました」

「お前、天野の里でのいつか手合わせしたい、と言う我の言葉覚えてたんだな?」

「本当に強い、と思った相手の言葉は絶対忘れません」

それだけで蝦夷討伐以来必要とされなくなり不遇に置かれていた清野の、

いや何度にも渡って戦地に赴き命がけで戦った武官の心と魂が救われたような気がした。

涙が滲んできそうになるのをこらえながら清野が先に仕掛けた。
「巨勢清野、参るっ!」突進してきた清野は頭上に高々と振り上げた棍棒を振り下ろし、横に構えた棍棒で騒速が受け止める。

がつん!!と御狩場一帯に棍棒のぶつかる音が響き、受け流した騒速が清野の腹を薙ぎ払おうとする。が、清野が素早く自分の左背後に回ったので騒速は急いで前方に足を踏み出し振り返ろうとしたその時、腰背部に熱い衝撃が走った。

まさか、大柄な清野どののがこうも俊敏に動くとは。初めての直刀での戦いを俺は舐めていた。

打たれた箇所の激痛に耐えながら騒速は棍棒の先を正眼に構え直した。

「ほう、我の打撃に耐えるか!?」
生まれて来てこれ以上楽しいことはない。といった痛快な笑い声を上げて清野が打撃した箇所を再び狙おうと斜めに棍棒を構えて来る。

だが、素早さでは騒速の方が半歩勝った。喉元を突きに見せかけて右手首をぐるり、と回して棍棒の先を左斜め下に向け、薙ぎ払うように清野の胸板を打った。

両胸の肺に圧力を受けてぐ、ふっ…!と清野が仰向けになって倒れた。

この打撃は武官として日頃鍛えた清野の分厚い胸板でなければ肋骨を砕き、肺腑を破って死に至らしめていただろう。

数秒の間失神していた清野は慌てて口を開けて息を吸ってから顔だけを上げ、背中の痛みで倒れそうになりながらも棍棒を支えに立つ騒速に向かって、

「参った…さすがは東国の(つはもの)

と敗けを認め、清野の言葉を受けて騒速は前のめりに倒れた。 

平和な日常を享受してきた貴族の子弟たちは剣を振り回して戦うなど身分の低い武官か盗賊のする事だ、と親から言われて育ってきたが…何だろう?この四人の戦いが見せてくれた清冽さは。

嘘やごまかしの無い世界を初めて目の当たりにした貴族たちはこの気持ちが何なのか言葉にできずにいたが、

「我が弟葛井親王、巨勢清野、賀茂騒速、文室巻雄、お前らはよくやった!」

という嵯峨上皇のお言葉が全て代弁してくれた。

そうだ!そこの鷹戸よくやった!
さすがは二度も朝廷を救った野足どのの倅、巨勢の清野だ!

と貴族たちの歓声に包まれた清野と騒速は痛むからだを引きずって曇りのない笑顔でその声に答えた。

最初からずっと父の戦いを見ていた騒速の次男志留辺は、

「あの父上に一太刀くれるなんて清野どのはすごい…」

と全身の血管が開くぐらいの興奮で頬をさせた。ソハヤの実の父アテルイから続く東国の戦士の血が、この時確かにシルベの中で騒ぎ始めた。

エミシ最後の戦士ソハヤと武官巨勢清野。
二人の(つはもの)の前につむじ風が起こり巻き上がった夏草が二人の足元に落ちた。

この戦いのお陰なのかは解らないが。

翌年の天長二年に清野は従五位上に叙爵され、淳和朝で順調に出世を遂げる事となる。











 











































































 












 











 





























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登場人物紹介

空海、本名は佐伯真魚。香川県善通寺市出身の裕福な豪族のせがれ。学業優秀で長岡京の大学寮に入るが、そこで遭った悲劇が彼を仏門に向かわせる。

嵯峨天皇(神野親王)桓武天皇の第二皇子。

問題だらけの平安京に真の平安をもたらす名君。空海とは生涯の友になる。欠点、浮気性でパリピ。

橘嘉智子

嵯峨天皇に最も愛され、橘氏出身の唯一の皇后となる。仏教への傾倒は人生から逃げる術。

私は和気清麻呂。「これから起こる悪い事全部怨霊のせいにしちゃいましょう」と御霊信仰の悪知恵吹き込みました。

本音?桓武帝が起こした人災だろーが。

藤原薬子です。後に悪女呼ばわりされる私も言い分いっぱいあるんですのよー

嘉智子さまお付きの女童、明鏡です。薬子登場でなんだか不穏な予感…

空海に山岳修行教えた勤操ですぅ〜。時々奈良仏教の中間管理職としてぼやきます。桓武帝と戒明じいさんとの因縁ってなんやろな?


役行者六代子孫にして作中最もヤバいおっさんタツミ登場。わし空海のエグい修行生活のはじまりです。

新キャラ藤原葛野麻呂、空海を唐に連れて行く貴族です。私の顔は東寺の帝釈天像がモデルです。イケメンですよー。

兄貴、自分の息子の誕生祝いで不倫ばれてんじゃねーよ…って親父に対して正論で返してるし!義理の叔父、田村麻呂初登場。

by嵯峨帝

ふっふっふ。俺様は修験者の頭タツミ。真魚よ、よくぞ試練を乗り越えたな…っていつまでも妻の手握ってんじゃねえ!

若き日の坂上田村麻呂も絡む平安ミステリー、藤原種継暗殺事件の真相です。


最新話まで話を読んできた登場人物全員の心の声


「そりゃ祟られるわ!!」

実在した前の遣唐使僧、戒明です。史実上の真魚との接点は不明です。唐から偽経を持ち帰ったとして失脚してた私の名誉回復をしてくれたのは空海だから最初に出会った師として登場。

荒行の末に悟ったもの。仏性、すなわち人の心なり。善行も悪行もそれを行う人の心次第。

やっぱりわたくし、親王さまを好きになっていたのね。(浮気者だけれど)

多治比高子です。嵯峨帝側室として寵愛された理由はインテリだった設定。

あれ?「あの四重奏ドラマ」のエンディングシーンみたいなことしてない?

三行指帰現代語訳コント風、はじまりまじまり〜

何これ⁉︎空海の書いた話おもしれーじゃん!と吠えて宮女に叱られる神野。三教指帰は日本初の小説と呼ばれる。

空海、実家に帰る。真魚が一番可愛いお母さん。激烈お兄ちゃん、実家あるあるな心配するお父さん。

空海の実家をそのまま父親の名前にしたのはオヤジ、ありがとう…グスッ(泣)の気持ちやったんや。

後の法相宗のトップにして東日本に仏教を伝える男、徳一の本心。

高雄山寺プロレス回。奈良仏教の裏番長、実忠しれっと初登場。

やっと最澄登場。美坊主泰範のせいで既に不穏な比叡山寺。

ある意味最強キャラ、朝原内親王登場。

飛べない小鳥、から明鏡の出生の秘密編へ。

尚侍明信の罪は亡国の姫、明信の若き日の過ち。

「陽の下の露」冬嗣の長男、藤原長良誕生。ちなみに薬子と葛野麻呂の不倫関係は史実です。

「風が吹く」遣唐使に選ばれなかった空海に起こったありえへん奇跡。それにしても徳一口悪ぃな。

桓武帝が仏教勢力を叩いた理由は脱税摘発のため。しかし宗教法人を使った脱税って1200年経った今でもやってますなあ。

「受戒」どーもどーも、三論宗のアイドルにして空海の頭を剃った勤操ですぅー…ってじいさんどないしたー⁉︎

最初の師戒明との別れ。わし、行ってきます。

「船乗り星」朝廷も一目置く宗像氏の濃いマダム登場。

どうもー、空海を唐に送り最澄を唐から連れ帰ってながらも後世にほとんど知られていない葛野麻呂。ここでは準主役です。

徳政論争回。現実的にこれ以上の東国進出は無理だった。徳川家康の次に鷹狩り好きな歴史上の人物として有名な桓武天皇の最後の鷹狩り。

仙境天台山、思えばこのひと時が最澄の一番の幸福だったかもしれない。

「崩御と即位」皇帝陛下の崩御と新皇帝の即位に立ち会っちゃった俺って持ってる〜。からの、カネが無いから2年で逃げ帰れ命令。

「聖俗同船」帰国できなかった遣唐使もいるんですよ…葛野麻呂の最澄へのツンデレっぷりをお楽しみ下さい。

「密の罠」帰国した途端最澄に降り掛かる悪意。

平安京を開いた帝の最期。これから不穏な平城朝が始まるー

秀才、橘逸勢にトリプルの悲劇。留学生たちの寂しさを癒す楽の音。

恵果と戒明との邂逅から三十年。やっと後継者に出会えた恵果。

まるで唐密教の滅びを予測していたかのような恵果の発言。実際にそうなります。

「遍照金剛」かくして遍照金剛空海誕生。で、何で俺様がナレーション?

「柳枝の別れ」長安出立前夜に明かされる霊仙の正体。次回から日ノ本、平城朝編。

「平城朝」最後の薬子の表情は読者さんのご想像にお任せします。

「春宮神野」

宮中も 女子回なければ やってらんない

by明鏡 字余り

「天皇の侍医」官僚として、医師として苦労する弘世の人生が始まる。

「謀」とうとう粛清に向けて動きだした薬子。朝原内親王、神野に迫る毒殺の危機。

「比叡山夜話」最澄に迫る危機。平城帝の悪意。

「翡翠の数珠」空海のせいでまた逸勢がヒドい目に遭うお話。

「阿保の本音」父平城帝への不信感が募る阿保親王。後に彼と妻の伊都内親王から生まれたのが在原業平。

前半の薬子の兄、仲成が起こした暴行事件。これ史実です。後半の勤操の述懐は創作ですが。

「咎人空海」空海、やっと帰国。あの三姉妹再び登場。

「海辺のふたり」空海だけを都に帰さなかった藤原縄主の思惑とは。この時代、芋粥は極上スイーツ扱いでした。

「白雪」兄帝の危険性を思い出す神野。

「神泉苑行幸」策謀に満ちた宮中。筑紫で布教を始める空海に届いた悲報…

「藤原家の毒薬」いつの世も女の仕返しって陰湿なのよねえ。

「譲位」嵯峨天皇が即位した夜に明かされる伊予親王の死の真相。冬嗣の胸に去来するのは怒りか、諦めか。

「実ちて帰る」主人公2人がやっと初対面。次回から第3章「薬子」のはじまり。

わたくし藤原薬子が主役の章、「薬子」、開始ですわよ。空海阿闍梨、神野の坊やとの初謁見でいきなりド不敬発言。

「橘の系譜」女性天皇が女性の部下に姓を与えた女性が始祖の橘家。

明鏡、家族と再会し、そして母になる。

「背徳」性描写あり。そして、薬子は悪女になった。

「真言の灯」最澄さまの千利休感と人手不足の密教。ある事で滅多になくブチ切れる空海。

「宮女明鏡」嵯峨後宮ベビーラッシュ。身籠った明鏡がこれまでの人生を振り返る。

「阿修羅」、怒らせるとシャレにならないレベルで怖い空海のダークサイド。

「東国の勇者」アテルイ回前編。13000vs500で朝廷軍にに勝利した巢伏の戦いと田村麻呂との対話。

「王の器」アテルイと田村麻呂の物語、後編。胆沢制圧戦後のアテルイ、田村麻呂、桓武帝。

真の王の器は誰にある?

どぅもー、宮中のイケオジ葛野麻呂です。「負の遺産」、宮女同士のマウントバトルが怖ぇわ…

「征夷大将軍殿の憂鬱」田村麻呂、愛妻とのフルムーン旅→ヒリヒリするような駆け引き。

「小鳥立つ」明鏡、13年ぶりに父との対面で思い切った決断を告げる。そして運命の子は誕生した。

「火の継承」

この時代の年明けのお祭り、修二会。ググった結果検索トップがさだまさしの「修二会」だったので公式の自分がまさしに敗けて悔しい実忠。

「智泉の祈り」

嘉智子さまへのマタハラ案件、「皇子を産め」とのたまう橘家の兄君たちにブチギレる空海阿闍梨。

「豪奢なる遁甲」嵯峨天皇vs平城上皇最後の争いが万葉サーカスの歓声の中始まる。


この回から三人目の主人公、ソハヤ登場。

「私刑」

池波か!とツッコミ上等な回。法具を本来の目的(明王の武器)で使う空海。

「なるほど、これがお役所仕事か」by嵯峨天皇

「隘路」、暗殺者集団土蜘蛛vsタツミ率いる修験者たち。薬子の変クライマックス前編。

「火宅」一万字越えの大作です。嵯峨天皇vs平城上皇最後の戦い後編。


藤原薬子と語らう老婆の正体は…

「徒花散る」失脚がそのまま死に繋がる全然平安で無かった平安初期の、最後の政変。


勝ってもあまり嬉しくない戦いでしたね…


by田村麻呂

第3章「薬子」終わり。後ろ暗い取引をしてもカッコいい俺様であーる。


by修験者タツミ

第54代仁明天皇こと正良誕生でおめでたい事からはじまる弘仁元年。

「弘仁おじさん」と呼ばないで。

by藤原冬嗣

明けましておめでとうございます。嵯峨天皇の叔母にして宮中屈指の美魔女、酒人内親王です。ここぞとばかりに気合い入った命婦たちのファッションと空海vs朝原の新春disり合い回で御座います…

若い頃の実忠さまはやさぐれていたなあ。

この世でやるべきこともやったし…じゃあね!

by和気広世

嵯峨天皇の兄、良岑安世の恋人の真名井でございます。「九条にて」はさあ、これから庶民と渡来人たちが活躍する平安アンダーグラウンドな物語の幕開け。

空海in伊勢神宮。朝原内親王より託されたとんでもない密命。

エミシ最後の戦士、ソハヤの人生のはじまり。

前半、終了。

険しい高野の山道を抜けるとそこは…異文化レベルの集落だった。

「丹生一族」パツキン彫金師、ムラートです。今回は丹生一族と秦一族と高野山のお話。



奈良の大仏建立時の人に言えない過去。老いた僧ほど暗い秘密を抱えているものなのですよ。

by実忠

「集光」実は、この話で作者は話を終わらせるつもりだったのですが、取材で高野参りをし、そこの宿坊でご住職の説法を聞いた時に「物語のラストシーン」が頭に浮かびあと50話位書く事に。

「田口三千媛」今では虐待と言われる育てられ方をされたと思います。訳を聞かされて納得しても、無理に許さなくてもいいのよ。

「弘仁格式」100年ぶりの法改正にとりかかる嵯峨帝。謎の美僧、泰範の師に対する本音。

平城上皇が会いたかった東大寺の重鎮、実忠の昔語り。前編。光明皇后に仕えた日々。

「光の時代、後」実忠の過去の話。

後半は道鏡事件の真相。

遊女真名井の人生の転機。家族との再会と共に恋人との別れを覚悟する。

「軛」

丹生のシリン姫の花占い。「来る、来ない。来る、来ない…来たあー!」

「灌頂」

死んで生まれ変わりたい気持ちで空海に会いに行った泰範。

最澄はんの「泰範、行かないでくれ」

の熱烈な文が歴史的資料として残っておます。

by空海


ぐすっ、ぐすっ…生きながら生まれ変わる事って出来るんやな…


by泰範

「信源氏」日本史最初の源氏、源信です。あのね、四さいの時にお家(宮中)から出されて明鏡お母様と離されてしまったの。


信源氏物語のはじまりはじまり〜。

高野の麓、天野の里に帰ってきたムラートです。妹の結婚式がゾロアスター教通りの儀式だと⁉️


天野わっしょい物語をお楽しみに。

嵯峨帝と正妻高津内親王との離婚の真相に迫る「高津退場」後宮サスペンス回。

橘嘉智子、立后のお話。

「わたくし、覚悟を決めました」

「常の白珠」

延暦十五年四月(796年5月)、日の本初の公然セクハラ&パワハラの記録でございます。

by明信

あの時は恥ずかしい思いさせてごめんよ…まだ怒ってる?

ねえ明信、こっち向いて(焦)

by桓武帝

お二人とも、犬も喰わない痴話喧嘩を板上でやらないで下さいまし。

by葛野麻呂

「わし、とうとう最澄はんと絶交する覚悟決めました」

空海を本気でブチギレさせた最澄の言動。


そして、高野山開基に向けて動き始める弟子たち。

「高野」

私ムラート、生まれも育ちも高野山でございます。このお山の自然の洗礼に遭う実叡と泰範。

高野を舐めちゃあいけねえよ。


なぜか寅さん口調。

「時鳥」

小野篁初登場回。そして、現世での役目を果たした巫女との別れ。

「落花宴」

民を食わせるために働いた藤原、葛野麻呂の最期。日ノ本初の茶事と花見の宴の記録。



「拠り処」

天皇皇后だってもふもふふくふくで癒されたい。徳一、東国に進出宣言。

「橘秀才」

「弘法も筆の誤り、って肝心な時に大ポカをやらかすって事なんだね」

古今随一の芸術家となった逸勢、空海にツッコミを入れる。

「シリン都に行く」

はーい、私は高野山の麓天野の里に住む主婦シリン。夫に下された辞令で子供たち連れて平安京へお引越しですって⁉️ドギマギしちゃう!

…って魔法少女みたいなあらすじ紹介でいいのかしら?

「篁」

ちーっす、小野篁でーす。僕の風評「なんだかすげえ奴」みたいに言われてるけど、嵯峨帝に出会った頃は脳筋の野生児でしたよ。

「一隅を照らす」

最澄、最期のことば。戒壇認可を遅らせた嵯峨帝の真意。


そして、たそがれ空海。



「進士篁」

ちーっす!篁っす!それでは一句。


竹の子(篁)が ドラゴン桜(三教指帰)で サクラサク


物語の主人公空海阿闍梨から僕に交代っす!

白秋の章、「嵯峨野」のはじまり。淳和帝即位。遡って嵯峨帝による黄櫨染御袍プロデュース秘話。

「正子と正良」

嵯峨上皇と嘉智子お母様の息子、正良(後の仁明帝)です。十四で結婚したお嫁さんが可愛過ぎてキュートなハートにズキンドキン!です。

「祈雨(きう)」

元服した源信信です。空海阿闍梨による伝説の雨降らしの祈祷の裏に蠢く大人たちの陰謀に、

うわあああ…

皆さんお久しぶり。田村麻呂です。平安初期の貴族たちは麻呂麻呂っなくて武士武士ってたんですよ。


ごきげんよう、小野篁です。

(官吏になったのでパシリ口調はやめました)

今回は私のルーツとソハヤ、シルベに隠された秘密が明かされる回です。

「在るがまま」

平城上皇の第三王子、高岳親王です。今回は父の最期の想いと私の出家の物語。


◯ウケンシルバーのモデルになった私の人生の出発でしたねえ。

「哀しい哉」

このエピソード書くために作者、高野山にお参りに行き智泉の御廟(お墓)に手を合わせました。

「天長二年の旅立ち」

久しぶりの金髪仏師ムラートです。東寺の立体曼荼羅完成秘話。あの時の空海さんは某劇作家か!って位ダメ出しして来て参りましたよ…


そしてラスト主要人物、在原業平初登場。

「夫人たちの夏」嵯峨帝の側室、藤原緒夏です。後宮で生きる憂鬱と高子さまとの友情の回。


「頭の冬嗣」

今年の◯河はやり過ぎちまった私の愚孫どものいざこざですが一人ちゃんと遺言を守った奴がいたようです。

「心の中の明王」

篁と徳一の出会い。東国にて。

空海と最澄を支援した破天荒僧侶、勤操の最期。さよならだけが人生や。

喫茶去(きっさこ)は禅語で「ま、茶でも一服」の意味。人生最後の対面を惜しむ主人公二人。

「光明」全ての務めを終えた空海の眠り。次回から次世代編へ。

「流人篁」百人一首で有名な「わたの原」から始まる篁の反骨最骨頂行動と流人生活。


ちゃっかり現地妻作ってました。

「落日」

葛野麻呂の息子で遣唐大使、藤原常嗣サイドの最後の遣唐使節の行程。


支援者の張宝高は新羅の海将で外交官で大商人。

この回のゲストは唐代の大文人。

「円仁の旅・使命」

どうも、遣唐使団からバックれた不法滞在僧侶の円仁(最澄の弟子)です。私の9年以上に及ぶ旅はいきなりホラーな展開から始まります。

実質、最後の遣唐使である円仁の旅の後編。空海より託された三つの遺言は果たしたものの武宗による仏教弾圧を受ける苦難の復路。オカルトな場面あり。

「胡蝶」

「胡蝶の夢」になぞらえた常嗣の帰国後の辛い立場と責任を感じる篁。二人とも苦しんだんだ。

「観月」

嵯峨上皇が家族たちにそして遥か未来の子孫に向けて述べた言葉。

人生最後の観月の宴。



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