第137話 観月

文字数 5,805文字

平安初期の日ノ本は、誰の子に生まれたかでその後の人生が大体決まってしまう厳然とした階級社会であった。

貴と賎。富と貧。

そして勝ち組と負け組。

という対極する二種類で人間は分けられていてそれを仕方のないことだ。と疑問を持つことも憤る事も無く民たちは今いる環境の中で死ぬまでの期間を生きたこの世情で、

かつての政変の負け組として処刑された南家の藤原巨勢麻呂(ふじわらのこせまろ)の孫に生まれ、

「五男として生まれたお前はどう頑張ってもせいぜい地方官どまりで終わる人生なのだから悪事をせずに生きて行くだけでいいのだよ」

と最初から野心なんて持つな。と同じ意味の言葉を父の真作からかけられて育った子供の名は、藤原三守(ふじわらのみもり)

生まれる前から負け組の人生が確定されていた彼は五歳の頃、時の天皇であった桓武帝に目をかけられ、

「やあ賢そうな顔の子だね…三守よ、もうじき三才になる我が皇子の遊び相手になってくれないかなあ」

と請われた事で彼の人生は神野親王こと嵯峨天皇という強い光に手を引かれ、平城上皇が起こした政変や遷都と蝦夷討伐による財政逼迫などいくつもの難事を乗り越え異例の若さで出世を重ねた。

「後手である白石を持たされて生まれた貴方はとうとう右大臣にまで登り詰めて盤上に残りましたなあ」

と悩んだ末に黒い碁石を盤上に置いたのは三守の長年の碁の友である伴雄堅魚(とものおかつお)

若い頃より碁の腕に優れていた彼は腕を磨くために遣唐使として空海、橘逸勢と共に海を渡り本場唐でいくつもの妙手を体得して今では天皇の碁の師匠として宮中に務め、身分では無く自分の実力で生きてきた稀有な貴族である。

承和七年六月末、淳和後上皇崩御で都じゅうの貴族が喪に服している最中のことである。

右大臣藤原三守は白い碁石をためらいなく盤上に置いてから、

「私の人生のほとんどは嵯峨野の上皇さまに引き立てて頂いた、運がいいだけのものだよ。
上皇さまの果敢なご決断に従うまま生きて気がついたら今こうしてあなたと碁遊びをしている」

邸の外では梅雨の雨がぱらぱらと小石が降るような音を立てて縁側を打つ。

盤上を見つめてあと三手先で自分の勝ちを確信した雄堅魚は自信たっぷりに黒石を置いたが珍しく不敵な笑みを浮かべた三守の次の一手で瞬く間に石を取られ、どの石も動かせない状態に置かれた。

その一手は長年の何千もの対局を勝ち抜いて来た雄堅魚でさえ今まで見た事もない妙手であった。

「雨が降るたびに体が芯まで冷えて骨の髄まで痛い。雄堅魚どの、私はたぶん、この夏を越せない。だから南家に伝わる最後の妙手を今、見せたよ。忘れないようにね」

それは碁の名手として知られる三守の曽祖父にして藤原南家の祖、武智麻呂から子孫にだけ伝わる必勝の一手。

「伴の雄堅魚、最後の一手しかと受け取りましたぞ」

と雄堅魚は涙声で碁盤の前にひれ伏し、三守人生最後の対局で家司の肩にもたれて病床に戻る好敵手を見送った。

人生如棋,落子無悔
人生は棋のようなもの、待ったなし。
季分子

梅雨が明け、夏の花が蕾を開かせる頃に三守はいよいよ危篤状態になり、坂上田村麻呂の娘をはじめとする側室たち、
有統、仲統、有方、有貞、貞子、睦子の我が子ら、そして睦子の夫小野篁を枕辺に寄せて最期の時を迎えようとしていた。

「いいかいお前たち…この南家から大臣になった者はたぶん、私が最後だ。
この先家を潰したくなかったら決して南家から皇后を出そうとか大臣になろうとか、

過ぎた野心を抱くんじゃないよ。

私の人生も上皇さまの学友に選ばれて引き立たられたおまけのようなものだからね。

人は勝ちとか負けとか、幸運とか不運とかで人生を断じるけどね。それは全ての存在に対する不遜というものだ。

生きているその時その時を有難く受け取り、生から死までの(あわい)を漂ってるくらいでちょうどいいのだよ」

枕頭でこれが最後、と思った三守は庭が見たいと言って御簾を巻き上げさせ、

枕頭で顔だけ傾けて開いたばかりの白百合が香気を発する夏の庭を見ながら「ああ美しい…」と鼻腔に流れ込む草花の香りを堪能するとやがて穏やかな笑みを浮かべて床を取り囲む者たちの顔一人一人確認してから、

「お前たちと家族になれて幸せだったよ」

とはっきりした声で伝え、そのまま息を引き取った。

承和七年(840年)七月七日。

藤原三守薨御。享年五十六。

最終官位は右大臣従二位皇太子傅。即日、従一位が追贈された。

その人柄温和で慎み深く一方で決断力もあった。
詩人を招いて親しく酒杯を交わしたり、参朝の途中で学者に会った際は必ず下馬して通り過ぎるのを待つ身分を問わず敬意を払う姿を語り草にした都びとは

実に得難い御方を失ってしまった。

と貴賤問わず彼の死を惜しんだ。


蒸し暑い夏の夜、大きめの蛾が灯火を目指して入り込んでたちまち燃えていくのを、室内で寝転んでいた貴人の兄弟の弟のほうが

「やれ、飛んで火に入る夏の虫とはまさにこの事。身の危険も解らず光を求めて行くとは哀れな…」

と悪臭を発して燃え尽きた虫をやけにじっと見つめながら言う。それを聞いた兄の方は、

「おい…服喪の最中(さなか)に死にゆくものにあまり気持ちを向けるものではない。魂を持っていかれるぞ」

と女房を呼んで灯火を交換させ、先程の死の穢れを払拭させるように室内に香を焚いた。

眠れぬほどの暑さの中、既に二人とも衣を上半身脱いで袴だけという恰好で色白でしなやかな裸体の背中を床につけ、藤原常嗣、淳和後上皇、そして右大臣藤原三守と貴人の薨去が立て続けに起きこの年の夏じゅう都の貴人たちは喪に服して自邸に籠りきりでいる。

「ねえーぇ兄上、いつまでも死者を弔い続けるばかりでは気が滅入るから生きているものの話でもして活気を取り戻しませんか?例えば色の事とか」

と弟の方が床に腹ばいになったまま顔を上げて言い、兄の方は「なるほど、つまりは女人か」とにたりと笑みを浮かべた。

この兄弟の名は在原行平と業平。阿保親王の皇子に生まれ、幼い頃「在原」の姓を賜って臣籍降下し、

ことし二十二才の行平は蔵人に任ぜられ、十五才の業平も天皇の警備職である左近衛に身を置いて共に仁明帝に眼を掛けられている将来有望な若者である。
のだが…

二人とも生まれついての美貌と

「だだ頭の中に歌が降ってきてそれを詠んでいるだけの事ですよ」

と言ってのける程の和歌の才に恵まれていながらもそれを宮中での吟詠よりも女人との逢瀬の方に発揮し、今通っている女人の数、両の手の指でも足りぬ程の好色ぶり。

そのせいで高貴の家は
「後宮に召し出す前に娘を在原兄弟にお手付きにされてはたまらぬ!」
と夜は固く門扉を閉ざし、

中流の地方官の妻や娘たちは夫や父の単身赴任中に平城帝の孫という高貴な血筋の殿方でその上眉目秀麗な在原兄弟との逢瀬を愉しむという、

実に不道徳の極み。

な行為なのだがこのように風雅を極めた傑出した遊び人が登場するのも嵯峨朝以降安定した治世が三十年以上も続いている故の、

平和な時代の産物と言えよう。

それからの兄弟はにやにやしやがら互いに女人から貰った結び文の数比べをしたり、

兄は兄で、
「やはり、家人の訪れも少なくうら寂しい家の中におや、これはまた。という位美しい未亡人やら薄幸な娘がいて夜毎寂しさをお埋めしてあげる事が夜這いの醍醐味だと思うのだよ」

弟は弟で、
「私はやはり自分より格上の姫を歌で心ときめかせてこっそり自分にだけ気を許し、文通を重ねた末に側仕えの女房に手引きされて邸の暗い廊下を分け入って寝所でうつむく姫のお顔を隠す団扇を外す瞬間ときたら!思い出しただけでも背中がぞくぞくしてたまらないものですよ!」

と「我が夜這いの醍醐味」を語り合いながらへらへら笑っているところで…

首筋に冷たく細長いものを急に押し当てられて背筋を凍らせた。

「…さっきからあなた方ご兄弟の不埒千万な会話を聞いてこの賀茂の志留辺(しるべ)、我が主ながら情けなや。夜離(よが)れされて棄てられた女人がたに代わってあなた方を成敗致します」

背後から強い怒気をはらんだ志留辺の、その一声で部下たちを従わせると評判の朗々とした声が降りかかる。在原兄弟は舌の根が渇いてもつれ、目線を動かすことも出来なくなる。

続いて目の前の几帳が乱暴にめくり上げられ、現れたのは真言宗の高僧真如こと在原兄弟の叔父でことし四十一才の高岳親王。

剃髪のこめかみをひくつかせて本気で怒っている高岳は「我が甥ながら情けなや…」と大仰に嘆息するとさらに几帳の中に呼び寄せた団扇で顔を隠している貴婦人に向かい、

「残念ながらご子息がたの行状は度を過ぎた邪淫という他ありません。

そこにいる賀茂志留辺はエミシの戦士の息子で検非違使の中で最も賊を検挙した凄腕の武官。

逃げられないのはあなた方がよおっくご存じの筈。阿保親王家の恥をそのお命で濯いで貰うか母君に最後にお尋ねします。…いかがなさります?」

ことし三十九才の伊都内親王は団扇を降ろし、怒りと情けなさと憐みの混じった興福寺の阿修羅像そのももの顔つきで我が子らを見下ろすと志留辺に向かって、

「やっておしまい」

と厳然と言い放ち、冷たいものが首筋を滑る感触。

「ひいっ!」と叫び声を上げた兄弟はしばらく経ってから体の何処も痛くないし出血もしていないのを確かめて硬く瞑っていた目を開け、やっと背後の志留辺を振り返る。

「先日の宴の忘れ物ですよ」
と志留辺は青い目に悪戯っぽい光を宿して兄弟の手に篳篥(ひちりき)龍笛(りゅうてきを)それぞれ手渡し、

首に当たっていたものはこれだったか!と気付くと兄弟は脱力して床にへたり込んだ…


その話を聞いてあはははは!と快活な笑い声をあげるのは事実上天皇家の家長である嵯峨上皇。

「この甥たちはそれくらいきつく懲らしめて丁度いいのだ。首を掻き切られそうな恐怖の中、漏らさなかっただけでも大したものだ」

と上皇の眼前で並んで首をすくめるのは在原兄弟。背後から不肖の息子たちをきろりと睨む伊都内親王に「お前も大変だねえ…」と十七才年下の異母妹に上皇はいたく同情した。

ここ御所冷然院の広場にまずは兄平城上皇の子である高岳親王と阿保親王。在原姓を賜り臣籍降下した高岳と阿保の息子たち。

次に上皇の子供達で源の姓を賜り臣籍降下した源信(みなもとのまこと)をはじめとする嵯峨源氏の貴族たち。

淳和帝より平の姓を賜った桓武帝の実子である貴族たち。

親王号を持つ上皇の兄弟と息子たち。

そして淳和帝皇子で上皇の孫である皇太子恒貞親王とその母で上皇の娘正子内親王。

最後に今上の帝、仁明帝と彼の第一皇子道康親王が入場しこれで天皇家の血を引く主だった皇族たちが集められた。

「上皇さま、お支度全て整いました」

と側仕えの宮女明鏡の報告を合図に(素性を隠しているが彼女も桓武帝の孫娘である)
さて、と上皇は広場にいる家族全員を見まわし…

「私も今年で五十五になり、二十三で即位してから長いこと働き続けてきたねえ。我が身もいつどうなるか分からぬ老境ゆえ我が父桓武帝以来の家族たちにこれだけは伝えておこうと思って…」

とこほんと空咳をしてから、

「まずは帝と春宮。あなたたちも知っての通り天皇家は古来より太陽神と天地(あめつち)の神々に祈りを捧げ、五穀豊穣の契約を代々行ってきた祭祀の家。

(まつりごと)とはすなわち『祀りごと』であり他国の王家とは在り方が違うのだよ。

祭祀のことと政務で後の代の天皇は色々と大変だと思うけどね、これだけは忘れないで欲しいんだ…

この日ノ本の国土に住まう全ての民の命を両肩に背負っているのが天皇としての心構え。

民あってのこの国。ということを常に心するように」

と温かくも威厳を持ったお顔と声でそう言われた仁明帝と道康親王はは、と姿勢を正し、

「決して忘れは致しませぬ」

と頭を垂れた。

「次に親王、内親王たち。あなたたちは帝の皇統に故あれば自分自身や我が子孫が天皇になる身の上だ。ゆめゆめ日頃の行いに気をつけ、仕えてくれる侍従たちを大切にしなさい。

周りの者すら大事に出来ない者が民を大事に出来る訳が無いからねえ。
その時が来たら周りは敵ばかりだった。というていたらくにならないように、ね?」

と上皇に口調は柔らかだが強い眼差しで見つめられて

「は…常に日頃の態度心掛けます」

と親王たちは心身を引き締めた。

「最後に、臣に下った賜姓皇族たちよ。あなたたちはまさに民と皇族とを繋ぐ架け橋である。

民の窮状、日ノ本の現実を己が(まなこ)で見て忖度無く帝に伝えて欲しい。

堅苦しい立場を脱ぎ捨てて自由を得たとしても、その五体に天皇家の血が流れている事からは逃げられないからね。

自由どころか野放図に生きたかったら貴族辞めて労動して税を納めるかぁー?」

と最後の言葉は明らかに在原兄弟に向けた叱責だったので仁明帝はじめ周りの皇族たちからぶ、くく…と堪えられぬ笑い声が漏れ、

笑いながら怒る嵯峨上皇に兄弟はますます身を竦め、

「素行をあらためまするのでなにとぞなにとぞ…」

と顔に大汗を浮かべながら今までの遊蕩を謝した。

家族たちの笑い声の中で上皇は今までの肩の荷が降りたかのように大きなため息をつき、

これで、自分の為すべき事を全て終えたような気がする。

と思いながら、

「話は終わったからそれぞれ気を付けて帰るのだよ」と家族たちを解散させて自分も嵯峨野の離宮に戻った。


神野は、天皇となったその時から決して直に太陽と月を観る事は無かった。

その訳は自分がこの国では至尊の身であろうとも決して、

太陽と月の巡りが織りなす自然の御業を支配する事も抗うことも出来ない。

と心得、自分が生きている内は常に太陽と月に頭を下げ続け、直接見るという不遜な真似はしない。

という彼なりの自然への敬意の表れだった。

承和九年(842年)初夏。

神野は頭脳の方は明晰だが体力の弱りを感じ嵯峨野の離宮で愛する橘嘉智子や明鏡、最も長く仕えていてくれる女御の百済王貴命(くだらのこにしききみょう)たちと穏やかな日々を過ごしていた。

定期的に開く観月の宴の最中、神野は湖面に浮かぶ満月の本当のかたちをどうしても観たくなり、

我が人生、やりたいこともやるべきことも全てやり終えたから見てもいいか。

と顔を上げて夜空にほの白く浮かぶ満月と正対して…

ああ、なんと神々しく美しい光なのだ。

分かったぞ、仏の像が背負っているのは月輪です。と空海が言った意味が。

一日の終わりに貌を出す月の正体とは、人生の後ろ姿だったのだな。

そこで神野は急に目眩を起こし、「父上!」と慌てて駆け寄った息子、源信の胸の中で意識を失い、倒れた。

帝。
人は月の光を浴びすぎない方がいいんですよ…







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登場人物紹介

空海、本名は佐伯真魚。香川県善通寺市出身の裕福な豪族のせがれ。学業優秀で長岡京の大学寮に入るが、そこで遭った悲劇が彼を仏門に向かわせる。

嵯峨天皇(神野親王)桓武天皇の第二皇子。

問題だらけの平安京に真の平安をもたらす名君。空海とは生涯の友になる。欠点、浮気性でパリピ。

橘嘉智子

嵯峨天皇に最も愛され、橘氏出身の唯一の皇后となる。仏教への傾倒は人生から逃げる術。

私は和気清麻呂。「これから起こる悪い事全部怨霊のせいにしちゃいましょう」と御霊信仰の悪知恵吹き込みました。

本音?桓武帝が起こした人災だろーが。

藤原薬子です。後に悪女呼ばわりされる私も言い分いっぱいあるんですのよー

嘉智子さまお付きの女童、明鏡です。薬子登場でなんだか不穏な予感…

空海に山岳修行教えた勤操ですぅ〜。時々奈良仏教の中間管理職としてぼやきます。桓武帝と戒明じいさんとの因縁ってなんやろな?


役行者六代子孫にして作中最もヤバいおっさんタツミ登場。わし空海のエグい修行生活のはじまりです。

新キャラ藤原葛野麻呂、空海を唐に連れて行く貴族です。私の顔は東寺の帝釈天像がモデルです。イケメンですよー。

兄貴、自分の息子の誕生祝いで不倫ばれてんじゃねーよ…って親父に対して正論で返してるし!義理の叔父、田村麻呂初登場。

by嵯峨帝

ふっふっふ。俺様は修験者の頭タツミ。真魚よ、よくぞ試練を乗り越えたな…っていつまでも妻の手握ってんじゃねえ!

若き日の坂上田村麻呂も絡む平安ミステリー、藤原種継暗殺事件の真相です。


最新話まで話を読んできた登場人物全員の心の声


「そりゃ祟られるわ!!」

実在した前の遣唐使僧、戒明です。史実上の真魚との接点は不明です。唐から偽経を持ち帰ったとして失脚してた私の名誉回復をしてくれたのは空海だから最初に出会った師として登場。

荒行の末に悟ったもの。仏性、すなわち人の心なり。善行も悪行もそれを行う人の心次第。

やっぱりわたくし、親王さまを好きになっていたのね。(浮気者だけれど)

多治比高子です。嵯峨帝側室として寵愛された理由はインテリだった設定。

あれ?「あの四重奏ドラマ」のエンディングシーンみたいなことしてない?

三行指帰現代語訳コント風、はじまりまじまり〜

何これ⁉︎空海の書いた話おもしれーじゃん!と吠えて宮女に叱られる神野。三教指帰は日本初の小説と呼ばれる。

空海、実家に帰る。真魚が一番可愛いお母さん。激烈お兄ちゃん、実家あるあるな心配するお父さん。

空海の実家をそのまま父親の名前にしたのはオヤジ、ありがとう…グスッ(泣)の気持ちやったんや。

後の法相宗のトップにして東日本に仏教を伝える男、徳一の本心。

高雄山寺プロレス回。奈良仏教の裏番長、実忠しれっと初登場。

やっと最澄登場。美坊主泰範のせいで既に不穏な比叡山寺。

ある意味最強キャラ、朝原内親王登場。

飛べない小鳥、から明鏡の出生の秘密編へ。

尚侍明信の罪は亡国の姫、明信の若き日の過ち。

「陽の下の露」冬嗣の長男、藤原長良誕生。ちなみに薬子と葛野麻呂の不倫関係は史実です。

「風が吹く」遣唐使に選ばれなかった空海に起こったありえへん奇跡。それにしても徳一口悪ぃな。

桓武帝が仏教勢力を叩いた理由は脱税摘発のため。しかし宗教法人を使った脱税って1200年経った今でもやってますなあ。

「受戒」どーもどーも、三論宗のアイドルにして空海の頭を剃った勤操ですぅー…ってじいさんどないしたー⁉︎

最初の師戒明との別れ。わし、行ってきます。

「船乗り星」朝廷も一目置く宗像氏の濃いマダム登場。

どうもー、空海を唐に送り最澄を唐から連れ帰ってながらも後世にほとんど知られていない葛野麻呂。ここでは準主役です。

徳政論争回。現実的にこれ以上の東国進出は無理だった。徳川家康の次に鷹狩り好きな歴史上の人物として有名な桓武天皇の最後の鷹狩り。

仙境天台山、思えばこのひと時が最澄の一番の幸福だったかもしれない。

「崩御と即位」皇帝陛下の崩御と新皇帝の即位に立ち会っちゃった俺って持ってる〜。からの、カネが無いから2年で逃げ帰れ命令。

「聖俗同船」帰国できなかった遣唐使もいるんですよ…葛野麻呂の最澄へのツンデレっぷりをお楽しみ下さい。

「密の罠」帰国した途端最澄に降り掛かる悪意。

平安京を開いた帝の最期。これから不穏な平城朝が始まるー

秀才、橘逸勢にトリプルの悲劇。留学生たちの寂しさを癒す楽の音。

恵果と戒明との邂逅から三十年。やっと後継者に出会えた恵果。

まるで唐密教の滅びを予測していたかのような恵果の発言。実際にそうなります。

「遍照金剛」かくして遍照金剛空海誕生。で、何で俺様がナレーション?

「柳枝の別れ」長安出立前夜に明かされる霊仙の正体。次回から日ノ本、平城朝編。

「平城朝」最後の薬子の表情は読者さんのご想像にお任せします。

「春宮神野」

宮中も 女子回なければ やってらんない

by明鏡 字余り

「天皇の侍医」官僚として、医師として苦労する弘世の人生が始まる。

「謀」とうとう粛清に向けて動きだした薬子。朝原内親王、神野に迫る毒殺の危機。

「比叡山夜話」最澄に迫る危機。平城帝の悪意。

「翡翠の数珠」空海のせいでまた逸勢がヒドい目に遭うお話。

「阿保の本音」父平城帝への不信感が募る阿保親王。後に彼と妻の伊都内親王から生まれたのが在原業平。

前半の薬子の兄、仲成が起こした暴行事件。これ史実です。後半の勤操の述懐は創作ですが。

「咎人空海」空海、やっと帰国。あの三姉妹再び登場。

「海辺のふたり」空海だけを都に帰さなかった藤原縄主の思惑とは。この時代、芋粥は極上スイーツ扱いでした。

「白雪」兄帝の危険性を思い出す神野。

「神泉苑行幸」策謀に満ちた宮中。筑紫で布教を始める空海に届いた悲報…

「藤原家の毒薬」いつの世も女の仕返しって陰湿なのよねえ。

「譲位」嵯峨天皇が即位した夜に明かされる伊予親王の死の真相。冬嗣の胸に去来するのは怒りか、諦めか。

「実ちて帰る」主人公2人がやっと初対面。次回から第3章「薬子」のはじまり。

わたくし藤原薬子が主役の章、「薬子」、開始ですわよ。空海阿闍梨、神野の坊やとの初謁見でいきなりド不敬発言。

「橘の系譜」女性天皇が女性の部下に姓を与えた女性が始祖の橘家。

明鏡、家族と再会し、そして母になる。

「背徳」性描写あり。そして、薬子は悪女になった。

「真言の灯」最澄さまの千利休感と人手不足の密教。ある事で滅多になくブチ切れる空海。

「宮女明鏡」嵯峨後宮ベビーラッシュ。身籠った明鏡がこれまでの人生を振り返る。

「阿修羅」、怒らせるとシャレにならないレベルで怖い空海のダークサイド。

「東国の勇者」アテルイ回前編。13000vs500で朝廷軍にに勝利した巢伏の戦いと田村麻呂との対話。

「王の器」アテルイと田村麻呂の物語、後編。胆沢制圧戦後のアテルイ、田村麻呂、桓武帝。

真の王の器は誰にある?

どぅもー、宮中のイケオジ葛野麻呂です。「負の遺産」、宮女同士のマウントバトルが怖ぇわ…

「征夷大将軍殿の憂鬱」田村麻呂、愛妻とのフルムーン旅→ヒリヒリするような駆け引き。

「小鳥立つ」明鏡、13年ぶりに父との対面で思い切った決断を告げる。そして運命の子は誕生した。

「火の継承」

この時代の年明けのお祭り、修二会。ググった結果検索トップがさだまさしの「修二会」だったので公式の自分がまさしに敗けて悔しい実忠。

「智泉の祈り」

嘉智子さまへのマタハラ案件、「皇子を産め」とのたまう橘家の兄君たちにブチギレる空海阿闍梨。

「豪奢なる遁甲」嵯峨天皇vs平城上皇最後の争いが万葉サーカスの歓声の中始まる。


この回から三人目の主人公、ソハヤ登場。

「私刑」

池波か!とツッコミ上等な回。法具を本来の目的(明王の武器)で使う空海。

「なるほど、これがお役所仕事か」by嵯峨天皇

「隘路」、暗殺者集団土蜘蛛vsタツミ率いる修験者たち。薬子の変クライマックス前編。

「火宅」一万字越えの大作です。嵯峨天皇vs平城上皇最後の戦い後編。


藤原薬子と語らう老婆の正体は…

「徒花散る」失脚がそのまま死に繋がる全然平安で無かった平安初期の、最後の政変。


勝ってもあまり嬉しくない戦いでしたね…


by田村麻呂

第3章「薬子」終わり。後ろ暗い取引をしてもカッコいい俺様であーる。


by修験者タツミ

第54代仁明天皇こと正良誕生でおめでたい事からはじまる弘仁元年。

「弘仁おじさん」と呼ばないで。

by藤原冬嗣

明けましておめでとうございます。嵯峨天皇の叔母にして宮中屈指の美魔女、酒人内親王です。ここぞとばかりに気合い入った命婦たちのファッションと空海vs朝原の新春disり合い回で御座います…

若い頃の実忠さまはやさぐれていたなあ。

この世でやるべきこともやったし…じゃあね!

by和気広世

嵯峨天皇の兄、良岑安世の恋人の真名井でございます。「九条にて」はさあ、これから庶民と渡来人たちが活躍する平安アンダーグラウンドな物語の幕開け。

空海in伊勢神宮。朝原内親王より託されたとんでもない密命。

エミシ最後の戦士、ソハヤの人生のはじまり。

前半、終了。

険しい高野の山道を抜けるとそこは…異文化レベルの集落だった。

「丹生一族」パツキン彫金師、ムラートです。今回は丹生一族と秦一族と高野山のお話。



奈良の大仏建立時の人に言えない過去。老いた僧ほど暗い秘密を抱えているものなのですよ。

by実忠

「集光」実は、この話で作者は話を終わらせるつもりだったのですが、取材で高野参りをし、そこの宿坊でご住職の説法を聞いた時に「物語のラストシーン」が頭に浮かびあと50話位書く事に。

「田口三千媛」今では虐待と言われる育てられ方をされたと思います。訳を聞かされて納得しても、無理に許さなくてもいいのよ。

「弘仁格式」100年ぶりの法改正にとりかかる嵯峨帝。謎の美僧、泰範の師に対する本音。

平城上皇が会いたかった東大寺の重鎮、実忠の昔語り。前編。光明皇后に仕えた日々。

「光の時代、後」実忠の過去の話。

後半は道鏡事件の真相。

遊女真名井の人生の転機。家族との再会と共に恋人との別れを覚悟する。

「軛」

丹生のシリン姫の花占い。「来る、来ない。来る、来ない…来たあー!」

「灌頂」

死んで生まれ変わりたい気持ちで空海に会いに行った泰範。

最澄はんの「泰範、行かないでくれ」

の熱烈な文が歴史的資料として残っておます。

by空海


ぐすっ、ぐすっ…生きながら生まれ変わる事って出来るんやな…


by泰範

「信源氏」日本史最初の源氏、源信です。あのね、四さいの時にお家(宮中)から出されて明鏡お母様と離されてしまったの。


信源氏物語のはじまりはじまり〜。

高野の麓、天野の里に帰ってきたムラートです。妹の結婚式がゾロアスター教通りの儀式だと⁉️


天野わっしょい物語をお楽しみに。

嵯峨帝と正妻高津内親王との離婚の真相に迫る「高津退場」後宮サスペンス回。

橘嘉智子、立后のお話。

「わたくし、覚悟を決めました」

「常の白珠」

延暦十五年四月(796年5月)、日の本初の公然セクハラ&パワハラの記録でございます。

by明信

あの時は恥ずかしい思いさせてごめんよ…まだ怒ってる?

ねえ明信、こっち向いて(焦)

by桓武帝

お二人とも、犬も喰わない痴話喧嘩を板上でやらないで下さいまし。

by葛野麻呂

「わし、とうとう最澄はんと絶交する覚悟決めました」

空海を本気でブチギレさせた最澄の言動。


そして、高野山開基に向けて動き始める弟子たち。

「高野」

私ムラート、生まれも育ちも高野山でございます。このお山の自然の洗礼に遭う実叡と泰範。

高野を舐めちゃあいけねえよ。


なぜか寅さん口調。

「時鳥」

小野篁初登場回。そして、現世での役目を果たした巫女との別れ。

「落花宴」

民を食わせるために働いた藤原、葛野麻呂の最期。日ノ本初の茶事と花見の宴の記録。



「拠り処」

天皇皇后だってもふもふふくふくで癒されたい。徳一、東国に進出宣言。

「橘秀才」

「弘法も筆の誤り、って肝心な時に大ポカをやらかすって事なんだね」

古今随一の芸術家となった逸勢、空海にツッコミを入れる。

「シリン都に行く」

はーい、私は高野山の麓天野の里に住む主婦シリン。夫に下された辞令で子供たち連れて平安京へお引越しですって⁉️ドギマギしちゃう!

…って魔法少女みたいなあらすじ紹介でいいのかしら?

「篁」

ちーっす、小野篁でーす。僕の風評「なんだかすげえ奴」みたいに言われてるけど、嵯峨帝に出会った頃は脳筋の野生児でしたよ。

「一隅を照らす」

最澄、最期のことば。戒壇認可を遅らせた嵯峨帝の真意。


そして、たそがれ空海。



「進士篁」

ちーっす!篁っす!それでは一句。


竹の子(篁)が ドラゴン桜(三教指帰)で サクラサク


物語の主人公空海阿闍梨から僕に交代っす!

白秋の章、「嵯峨野」のはじまり。淳和帝即位。遡って嵯峨帝による黄櫨染御袍プロデュース秘話。

「正子と正良」

嵯峨上皇と嘉智子お母様の息子、正良(後の仁明帝)です。十四で結婚したお嫁さんが可愛過ぎてキュートなハートにズキンドキン!です。

「祈雨(きう)」

元服した源信信です。空海阿闍梨による伝説の雨降らしの祈祷の裏に蠢く大人たちの陰謀に、

うわあああ…

皆さんお久しぶり。田村麻呂です。平安初期の貴族たちは麻呂麻呂っなくて武士武士ってたんですよ。


ごきげんよう、小野篁です。

(官吏になったのでパシリ口調はやめました)

今回は私のルーツとソハヤ、シルベに隠された秘密が明かされる回です。

「在るがまま」

平城上皇の第三王子、高岳親王です。今回は父の最期の想いと私の出家の物語。


◯ウケンシルバーのモデルになった私の人生の出発でしたねえ。

「哀しい哉」

このエピソード書くために作者、高野山にお参りに行き智泉の御廟(お墓)に手を合わせました。

「天長二年の旅立ち」

久しぶりの金髪仏師ムラートです。東寺の立体曼荼羅完成秘話。あの時の空海さんは某劇作家か!って位ダメ出しして来て参りましたよ…


そしてラスト主要人物、在原業平初登場。

「夫人たちの夏」嵯峨帝の側室、藤原緒夏です。後宮で生きる憂鬱と高子さまとの友情の回。


「頭の冬嗣」

今年の◯河はやり過ぎちまった私の愚孫どものいざこざですが一人ちゃんと遺言を守った奴がいたようです。

「心の中の明王」

篁と徳一の出会い。東国にて。

空海と最澄を支援した破天荒僧侶、勤操の最期。さよならだけが人生や。

喫茶去(きっさこ)は禅語で「ま、茶でも一服」の意味。人生最後の対面を惜しむ主人公二人。

「光明」全ての務めを終えた空海の眠り。次回から次世代編へ。

「流人篁」百人一首で有名な「わたの原」から始まる篁の反骨最骨頂行動と流人生活。


ちゃっかり現地妻作ってました。

「落日」

葛野麻呂の息子で遣唐大使、藤原常嗣サイドの最後の遣唐使節の行程。


支援者の張宝高は新羅の海将で外交官で大商人。

この回のゲストは唐代の大文人。

「円仁の旅・使命」

どうも、遣唐使団からバックれた不法滞在僧侶の円仁(最澄の弟子)です。私の9年以上に及ぶ旅はいきなりホラーな展開から始まります。

実質、最後の遣唐使である円仁の旅の後編。空海より託された三つの遺言は果たしたものの武宗による仏教弾圧を受ける苦難の復路。オカルトな場面あり。

「胡蝶」

「胡蝶の夢」になぞらえた常嗣の帰国後の辛い立場と責任を感じる篁。二人とも苦しんだんだ。

「観月」

嵯峨上皇が家族たちにそして遥か未来の子孫に向けて述べた言葉。

人生最後の観月の宴。



「草木のままに」

我が夫、嵯峨天皇の最期。お休みなさい、あなた…


あと10話で完結です。

最終章「檀林」、それはカリスマ嵯峨天皇が去るのを待っていたかのように始まった粛正の嵐。

承和の変。三筆最後の一人逸勢の退場。

「繭」政変で息子、仁明帝の行いと本心を知った皇太后嘉智子の絶望。

「反骨の種子」政変の真相を知った篁の決意と、蹂躙される政変の敗者の家族たち。

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