第99話 光の時代、後

文字数 6,562文字

僧である私が(まつりごと)を語るのは少し気が引けますが、

光明子さま存命中にただ一人の娘である女帝、孝謙天皇が傍系の皇族である大炊王(おおいのおう)(淳仁天皇)に譲位なさり、政の表舞台から降りたのでいちおうは母と臣たちを安堵させました。

しかし、
お母上の薨去後に

これで自分に意見するものが居なくなった。

とそれまで抑えつけられていた強すぎる自我が御身を破って溢れ出てしまったのか、

女帝は自らの感情のままに政に口出しし、言うとおりにならないと
「何故、至尊の地位にいる我に従わないか!?」
と大声で相手を罵る我儘ぶりは、淳仁帝と臣たちを辟易させました。

そして…病で静養なさっていた保良宮で、ある意味運命の相手である弓削道鏡(ゆげのどうきょう)に出会ってしまったのです。

私は当時その道鏡に仕えていましたが、弓削氏という弓作りの職人のせがれでしかないのに
「母方の三代前は古来豪族の物部氏であった」
と血筋を騙り、

大した能力もないのに出世のためなら平気で色を使う、実にいけ好かない奴でした。

道鏡が病室に籠ってくすぶっている元女帝にどのような療治をなさったかは…大体ご想像がお付きでしょう?

私はそれを知らずにこの年まで来てしまいましたがいやはや、肉慾(にくよく)の虜になるというのは実に恐ろしいものですなあ。

実忠の話は決して自分を揶揄しているものではない。

と解ってはいるが平城上皇は在りし日の薬子の肌身を思い出し、

このまま身も心も溶けていい。死んでも離れたくない!

とまで思わせる肉慾の快楽の素晴らしさと理性さえ人間であることさえ溶かしてしまう恐ろしさ。

それに溺れたがために破滅した我が身を鑑みて背筋が凍った。

特殊な療治で満たされた元女帝孝謙はこうして色坊主道鏡の虜になりました。
すぐに噂は広まり孝謙の従兄で愛人の藤原仲麻呂は、

「太上天皇が坊主に入れ込みすぎるのは国を腐らせる元である!」

ときつく諌めました。女帝の威を借りて権勢を(ほしいまま)にしたろくでもない男でしたが、根っこの部分は忠臣だったのですねえ。

本当の事を言われて激怒した孝謙は即出家して尼になり、淳仁帝から御璽と駅鈴を奪い取って仲麻呂に軍勢を差し向け、琵琶湖のほとりで家族もろとも殺してしまいました。

その報を聞いた我々奈良の僧たちは捨てられた男の哀れな末路だ、いやいや邪魔な政敵を全て殺してきた残虐な男への因果応報だ、と噂し、

権力を持った女は必ず報復する。

という唐の則天武后の故事を思い出し怒らせたら次は我が身、と身震いしました。

お前の父のことを掘り返してしまって済まなかった徳一。
…でも、仲麻呂はそういう男だったのだ。

徳一は仲麻呂の遺児だったのか!

そこで初めて上皇は師で養父でもある老僧の背後に控えている徳一を見た。

以前軽い気持ちで出家した理由を徳一に訪ねた事がある。そこで徳一は強く目を(つむ)り、

「…私は、生まれながらに僧にならなくては生きていけない身だったのです」

とわざと素っ気なく答えたがその語尾には何か秘められた強い痛みがある。
と感じた上皇はそれ以上は聞かなかった。

今の話で上皇は、実忠が徳一を自ら養子にした背景を察し、
「あの時は気まぐれに辛い事を聞いてしまって済まない」
と謝すと徳一は「いいんです」とだけ言って上皇に気を遣わせないよう珍しくにこりと笑って見せた。

さらに孝謙は淳仁帝に「不孝である」
と言いがかりをつけて退位させ、淡路国に配流してしまったのです。

そして、皇極斉明天皇以来99年間行われたことの無い退位した天皇が再び即位する

重訴(ちょうそ)

という大それた行為を尼姿のまま断行したのです。全ては道鏡の企みでした。

これでいいのか?

本来ならば生ける神として崇められるべき天皇である御方が尼姿で御椅子に座り、道鏡に言われるままの勅を臣下たちに下す異常な事が起こっている。

これでいいのか?

という疑念は臣たちの胸中にありましたでしょうが、誰も仲麻呂のようになりたくなかったので皆保身で口をつぐんでいました。

その頃、実力で東大寺での地位を得ていた私は一度だけ道鏡に警告した事があります。

「法王どのはよもや天皇家を害そうなどという大それた考えをお持ちではないでしょうね?」

馬鹿な?と道鏡は69にもなるのに色事を繰り返しているお陰か黒々とした眉をそびやかして、

「功績高い実忠和尚から酷い言われようだな

私は、天皇以上の存在になる。
それだけのことだ。我に(なび)けば大僧正にしてやるぞ」

と言ってのけました。

その一言で…

国のため必ずこの男を排除しなくてはならない。

という決意が私の胸に生まれました。

懸念通り道鏡が事を起こしたのはそれから間もなくです。

そうです、上皇さまも御存知の通り宇佐八幡宮の巫女が「道鏡を天皇にすべし」と嘘の託宣をしたのです。

いわゆる神護景雲3年(769年)5月に起こった道鏡事件です。

なぜ女帝称徳は皇位という至尊の地位を自らの飼い犬道鏡に継がせようとしたのでしょうか?

独身のまま皇太子になり、即位なさった故に夫も子も持つ事が出来ない天皇という自分の血筋と立場を一番憎んでいたのは…女帝自身なのです。

天皇家になんて生まれなければいづれかの皇子と縁付いて子を産み、女人としての幸せを享受出来たのに一旦即位した自分はそれも許されない。

もし自分が子を生めばお(たね)は誰なのだ?と疑われ続け、所詮女帝の子だから皇位を継ぐなんてあり得ませんよ。と冷笑の内に抹殺される。…それはできない。

私の未来まで奪ってしまった天皇家なんて何処かに棄ててしまいたい!

いや、棄てる位なら私に女人としての歓びを教えてくれた道鏡にくれてやろうではないか。

放り出すくらいなら犬にでも喰わせてしまえ。という位のやけくそな気持ちになっていたのではないか。

と私は思うのですよ。

いくら託宣はいえこのままでは天皇家の血筋による優位性が消滅してしまう!

と焦った貴族たちは紛糾の末、宇佐八幡に使者をやり託宣を聞き直すという結論にたどり着き使者には和気広虫さまが選ばれました。

その夜、和気清麻呂どのが広虫さまを連れて
「…頼む、姉上を匿ってくれ」と青ざめた顔で私の庵を訪れました。

「貴族たちの本音は道鏡を退けたい。しかし、自ら宇佐八幡に赴き嘘の託宣に反論すべき役目をあろうことにか女人である姉上に押し付けた…貴族なんてみんな覚悟のない卑怯ものばかりだっ!」

私の数少ない友、清麻呂どのはそう吐き捨てて拳を強く床に打ち付けました。

「女帝は広虫さまなら自分の言いなりになる、と思ったのでしょうな」

「元々病弱な姉上が宇佐までの遠い行程に耐えられる筈が無い。だから代わりに私が行く。巫女が何と言おうと私ははね除けてやる」

そう言って顔を上げた清麻呂どのの表情は決死の覚悟で満ちていました。

「私にもしもの事があれば、妻子を頼む」

と言って清麻呂どのが去った庵の隅では…広虫さまが子供のように震えていました。

「私が行けば道中貴族たちに殺されてしまうと案じた清麻呂が代わりを買って出たのです…あの子も無事でいられるかどうか。どうしよう、どうしよう実忠どの…」

私は思わず広虫さまを抱き締めていました。
それは
男としての情欲からではなく
僧としての慈悲でもなく
ただ人としてこの方を守ってさしあげたい。という強い気持ちからでした。
「大丈夫です広虫さま。大丈夫です」

広虫さまの震えがおさまり、やがて疲れて眠ってしまうまでの長い間私はあのひとを抱き締めていました。

私が女人を腕に抱いたのは、それが最初で最後でございます。


宇佐八幡での清麻呂の活躍は見事なものでした。
託宣を始めた巫女、辛嶋勝与曽女(からしまのすぐりよそめ)のためらいに気付き、すかさず

「わが国は開闢(かいびゃく)このかた、君臣のこと定まれり。臣をもて君とする、いまだこれあらず。天つ日嗣(ひつぎ)は、必ず皇緒(こうちょ)を立てよ。無道の人はよろしく早く掃除すべし!」

と強い口調で宣言し、その場を押し切ったのです。

それが大神の託宣である。として道鏡の帝位簒奪の野望は阻まれました。

しかし女帝は激怒し、清麻呂どのを別部穢麻呂(わけべ の きたなまろ)と改名させて大隅国へ、
広虫さまを無理矢理還俗させて別部広虫売(わけべ の ひろむしめ)と改名させ備後国へ配流の沙汰を下しました。

大事な人たちを奪われた私はもう、女帝を許すことが出来ませんでした。

光明子さま。
あなたが私に託した最後の密命。

もし我が娘が天皇家を自ら滅ぼすような真似をしたら実忠、あの子を殺して。お願い。

なれど皇太后さま、僧侶に殺生を依頼なさるとは…

ふふ、と光明子さまは唇を隠してお笑いになり、

施薬院であなたが行っていた秘密の療治を知らないと思って?

と言われた時、鉛の毒で体の自由の効かなくなった村人の前に附子の毒の入った壺を置いて…

六粒飲むと苦しまずに浄土へ逝ける。

飲むか、どうか?

と問うた時、飲む。とうなずいたり、こうなってしまっても…生きたい!と首を振る村人の顔が次々とまぶたの裏に浮かびました。

そうです。私は大仏建立の際に川に流れた鉛の毒の病に苦しむ村人に、頼まれれば密かに附子の丸薬を飲ませて楽に死なせてやっていたのです。

その数二百余り。

ああ、このお方は何もかも御存知でいらしたのだな…

毘盧遮那仏建立は間違いだった。
結局は最も弱き民を何百も殺してしまった。

なれど、精神的に追い詰められて現世に救いを求めていた夫、聖武天皇の人生最大の願いを叶えてあげたくて黙認なさっていたのだ。

私は腹をくくりました。

「御意、皇太后さまの御心のままに」

女帝のお命を頂くのは拍子抜けする程簡単でした。

和気姉弟が流されて一年後、女帝は病で崩御なさりました。

貴族の支持を失った女帝は毒殺を恐れて女官の吉備由利(きびのゆり)しかお側に付けなかったので誰も、何も疑わかった。

以前お脈を取らせていただいた時女帝には血の道の持病があり、過度な興奮で頭痛を起こされる。

と診断したことがあり、私は主治医として由利に血の道を良くする附子のお薬を毎日飲ませるよう指示しただけ。

結果、附子の過剰摂取でお(つむ)の血の道が破れ、卒中を起こされたのですな。

道鏡は既に女帝から離され失脚したも同然で崩御にも立ち会えませんでした。

それでも自ら女帝の御陵の守りを願い出たのはやはり主を愛していたのか、はたまた野望をくすぶらせていたのか解りかねますがね。

その後道鏡は死ぬまで一庶民として過ごしました。

新たに即位なされた天智帝のお孫、光仁帝がすぐ出されたのは和気姉弟を都に呼び戻し、名前も地位も元通りにするという勅。

悲田院の畦道でご姉弟と再会した私は思わず駆け出してお二人の手を取って泣き笑いをしていた…と後々まで清麻呂どのにからかわれました。

清麻呂どのは新都平安京の造営に尽力し、広虫さまも孤児を育てる仏のような尼と讃えられて共に13年前に逝かれました。

広虫さまを看取った時の、
「人は誰でも救われるべきなのにね…」という最期のお言葉。息を引き取る直前の、憐れむように私を見る眼差し。

もしや、広虫さまは私が女帝に手を下したことを察していらしたのか?

「それがいまでも心から離れなくてですねえ…ここまで打ち明けたのだからもうお解りですよね?上皇さま」

眼から涙を溢れさせた上皇はゆっくりうなずいて「…薬子の毒の丸薬。あれを作ったのはお前なのだね」と毒を服した薬子が今際の際に上皇の袖口にねじ込んだ、丸薬の製造法が記された冊子のことを口にした。

「如何にも」

薬子。

お前がくれた、この決して誰にも見せてはならない書き付けをどうしたらいいのか解らず何度も焼いてしまおうと思ったが、周りの目があるのでそれも出来ず本当に苦しかった…

上皇は厨子を開き、観音像の下にある引き出しを開いて中から古びた紙の冊子を取り出すとそれを実忠に手渡した。

かっと眼を見開いて文章を検分する実忠の顔には鬼気迫るものがあった。

「此を悪意を以て人に用いるならその者は自分で此を仰いで死に至る破目になり家は滅びる」
最後に自分が記した注意文まで読んで「本物です」とだけ告げると実忠は目の前の火鉢に冊子をねじ込んだ。

紅い炎が冊子を包み、禁断の書がみるみる灰になっていく。小さな火鉢の中でこれでもか、という位大きな火柱が立ち昇った。

「見なさい、黒い秘密を持った書ほどよく燃える」

実忠は火柱を前に大声で笑いだす。
たがが外れたように笑う老僧と、予想外の燃えかたに水を持とうかと躊躇う徳一。

その中で上皇は見たのだ。辺り一面白く輝く空間の中で前に立っているのは弟、伊予親王。

その顔は上皇を見て微笑んでいた。

伊予の口元が動いて何と言っているかが読み取れる。

「これでいいのです、兄上」

と確かに伊予はそう言ったのだ。

伊予。お前は自分を謀殺したこの兄を、

怨霊になって恨んでいたのではなく、ずっと心配してくれていたのだな?

「優し過ぎるんだよおまえは…」

涙ぐむ上皇が最後に見たのは光の中心に向かって去っていく伊予の後ろ姿だった。

消耗した実忠に向けて上皇は、
「私を悩みから解き放ってくれてありがとう」
と最大限の感謝の言葉を述べ、徳一に背負われて退出する老僧に合掌した。

人生の最後に自らの罪と業を打ち明け、私を救済してくれてありがとう実忠。

死してもずっと私を気遣ってくれてありがとう伊予。

そして…

「さようなら、薬子」

そろそろ夕餉をお持ちしよう、と

内舎人が上皇さまのお部屋に伺うと上皇さまは厨子に向かって読経をなさっていて、火鉢の中の炭が灰になっていたので取り替えた時に気づかなかった程、罪業の証拠は全て燃えきっていた。

東大寺に戻った実忠はそのまま高熱を出して寝込み、3日後に目を覚ましたとき見たのは心配そうに自分を覗き込む徳一と空海の顔。

「お前たちが看病してくれていたのか」
はい、と無骨そうにうなずく徳一は無表情の下に我が養父は今夜が峠だ、という悲痛さを隠していた。

「長い夢を見ておいでだったようで沢山寝言を聞いてしまいました」
空海は深い眼差しで東大寺権別当に話しかけた。

「ほう、どんな事を?」

「聞きたかったお話も、聞きたくなかったお話も」

「これで解ったであろう?わしの正体は仏教に売られた異教徒の子で数多(あまた)の人々を殺した偽坊主。わしこそが東大寺の最後の汚点だったのだ」

「いいえ、あなた様は現世の人々の苦しみと罪と業を一身に背負って生きてこられた仏です」

空海のその一言で物心ついてから晴れることの無かった
虚無。という名の黒い霧がかき消された。心の中には晴れた青い空が広がっている。

実忠はほとんど泣く直前の顔になったが涙は出ず、
やれやれ、このまま業にまみれて神も仏も呪ったまま死ぬつもりだったのにな。とほんのり笑顔を浮かべた。

「命の終わりにお前に救われるとは思わなんだよ、空海」

「我もあなた様のようにかくありたいと思う…でも全てを救済するには人ひとりの一生は短すぎる」

「釈迦王子だってそう思われたから教えを弟子たちに語り継がせ、今の仏教があるのではないか。わしだって92年生きてきたがまだ伝え足りないことが山ほどある」

そこで徳一はわが養父の実年齢を初めて知り、実忠の左手をしっかと握って「ほんとうにお世話になりました…」と涙をぽろぽろこぼす。空いた右手で実忠はよしよし、と徳一の頭を撫でる。

「今解ったことなんだがな」

実忠は徳一と空海、その隣にいる大僧正永忠を交互に見てから、

「人は皆、かりそめの姿でこの世に生まれて来たジュド・チフル(異邦人)なのだよ…」

と微笑んだまま言うとそのまま昏睡状態になり、そして日の入り時。何か夢を見ていらっしゃるのか聴き取れないうわ言が口から洩れたが最後に、

「では、風呂(ふうろ)をいただきます」

と明瞭な言葉を発して深呼吸をひとつするとそのまま永の眠りについた。

弘仁二年(812年)初冬、実忠入寂。享年92才。

弟弟子の永忠が実忠の脈がふれないのを確認すると講堂を埋め尽くす僧たちに実忠の死を告げ、間もなく全ての僧が実忠のなきがらに向けて平伏した。

その夜、

東大寺を中心に奈良の各地で人々が灯籠を掲げ、長年の功労者実忠の死を悼んだ。

これは、盂蘭盆会(うらぼんえ)(お盆)に開かれる東大寺万灯会(とうだいじまんどうえ)を開催者である酒人内親王ご自身が各寺に号令して特別に開かせたものである。

奈良に住まう僧侶、貴族、役人、商人、農民、渡来人の職人たち、そして平城上皇ご自身も灯籠を掲げ奈良の都じゅうが一夜だけかつての輝きに包まれた。

昔、実忠という名の渡来人の僧が光に満ちた時代を生き彼の死と共に、

奈良時代が終わった。

















































































































































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登場人物紹介

空海、本名は佐伯真魚。香川県善通寺市出身の裕福な豪族のせがれ。学業優秀で長岡京の大学寮に入るが、そこで遭った悲劇が彼を仏門に向かわせる。

嵯峨天皇(神野親王)桓武天皇の第二皇子。

問題だらけの平安京に真の平安をもたらす名君。空海とは生涯の友になる。欠点、浮気性でパリピ。

橘嘉智子

嵯峨天皇に最も愛され、橘氏出身の唯一の皇后となる。仏教への傾倒は人生から逃げる術。

私は和気清麻呂。「これから起こる悪い事全部怨霊のせいにしちゃいましょう」と御霊信仰の悪知恵吹き込みました。

本音?桓武帝が起こした人災だろーが。

藤原薬子です。後に悪女呼ばわりされる私も言い分いっぱいあるんですのよー

嘉智子さまお付きの女童、明鏡です。薬子登場でなんだか不穏な予感…

空海に山岳修行教えた勤操ですぅ〜。時々奈良仏教の中間管理職としてぼやきます。桓武帝と戒明じいさんとの因縁ってなんやろな?


役行者六代子孫にして作中最もヤバいおっさんタツミ登場。わし空海のエグい修行生活のはじまりです。

新キャラ藤原葛野麻呂、空海を唐に連れて行く貴族です。私の顔は東寺の帝釈天像がモデルです。イケメンですよー。

兄貴、自分の息子の誕生祝いで不倫ばれてんじゃねーよ…って親父に対して正論で返してるし!義理の叔父、田村麻呂初登場。

by嵯峨帝

ふっふっふ。俺様は修験者の頭タツミ。真魚よ、よくぞ試練を乗り越えたな…っていつまでも妻の手握ってんじゃねえ!

若き日の坂上田村麻呂も絡む平安ミステリー、藤原種継暗殺事件の真相です。


最新話まで話を読んできた登場人物全員の心の声


「そりゃ祟られるわ!!」

実在した前の遣唐使僧、戒明です。史実上の真魚との接点は不明です。唐から偽経を持ち帰ったとして失脚してた私の名誉回復をしてくれたのは空海だから最初に出会った師として登場。

荒行の末に悟ったもの。仏性、すなわち人の心なり。善行も悪行もそれを行う人の心次第。

やっぱりわたくし、親王さまを好きになっていたのね。(浮気者だけれど)

多治比高子です。嵯峨帝側室として寵愛された理由はインテリだった設定。

あれ?「あの四重奏ドラマ」のエンディングシーンみたいなことしてない?

三行指帰現代語訳コント風、はじまりまじまり〜

何これ⁉︎空海の書いた話おもしれーじゃん!と吠えて宮女に叱られる神野。三教指帰は日本初の小説と呼ばれる。

空海、実家に帰る。真魚が一番可愛いお母さん。激烈お兄ちゃん、実家あるあるな心配するお父さん。

空海の実家をそのまま父親の名前にしたのはオヤジ、ありがとう…グスッ(泣)の気持ちやったんや。

後の法相宗のトップにして東日本に仏教を伝える男、徳一の本心。

高雄山寺プロレス回。奈良仏教の裏番長、実忠しれっと初登場。

やっと最澄登場。美坊主泰範のせいで既に不穏な比叡山寺。

ある意味最強キャラ、朝原内親王登場。

飛べない小鳥、から明鏡の出生の秘密編へ。

尚侍明信の罪は亡国の姫、明信の若き日の過ち。

「陽の下の露」冬嗣の長男、藤原長良誕生。ちなみに薬子と葛野麻呂の不倫関係は史実です。

「風が吹く」遣唐使に選ばれなかった空海に起こったありえへん奇跡。それにしても徳一口悪ぃな。

桓武帝が仏教勢力を叩いた理由は脱税摘発のため。しかし宗教法人を使った脱税って1200年経った今でもやってますなあ。

「受戒」どーもどーも、三論宗のアイドルにして空海の頭を剃った勤操ですぅー…ってじいさんどないしたー⁉︎

最初の師戒明との別れ。わし、行ってきます。

「船乗り星」朝廷も一目置く宗像氏の濃いマダム登場。

どうもー、空海を唐に送り最澄を唐から連れ帰ってながらも後世にほとんど知られていない葛野麻呂。ここでは準主役です。

徳政論争回。現実的にこれ以上の東国進出は無理だった。徳川家康の次に鷹狩り好きな歴史上の人物として有名な桓武天皇の最後の鷹狩り。

仙境天台山、思えばこのひと時が最澄の一番の幸福だったかもしれない。

「崩御と即位」皇帝陛下の崩御と新皇帝の即位に立ち会っちゃった俺って持ってる〜。からの、カネが無いから2年で逃げ帰れ命令。

「聖俗同船」帰国できなかった遣唐使もいるんですよ…葛野麻呂の最澄へのツンデレっぷりをお楽しみ下さい。

「密の罠」帰国した途端最澄に降り掛かる悪意。

平安京を開いた帝の最期。これから不穏な平城朝が始まるー

秀才、橘逸勢にトリプルの悲劇。留学生たちの寂しさを癒す楽の音。

恵果と戒明との邂逅から三十年。やっと後継者に出会えた恵果。

まるで唐密教の滅びを予測していたかのような恵果の発言。実際にそうなります。

「遍照金剛」かくして遍照金剛空海誕生。で、何で俺様がナレーション?

「柳枝の別れ」長安出立前夜に明かされる霊仙の正体。次回から日ノ本、平城朝編。

「平城朝」最後の薬子の表情は読者さんのご想像にお任せします。

「春宮神野」

宮中も 女子回なければ やってらんない

by明鏡 字余り

「天皇の侍医」官僚として、医師として苦労する弘世の人生が始まる。

「謀」とうとう粛清に向けて動きだした薬子。朝原内親王、神野に迫る毒殺の危機。

「比叡山夜話」最澄に迫る危機。平城帝の悪意。

「翡翠の数珠」空海のせいでまた逸勢がヒドい目に遭うお話。

「阿保の本音」父平城帝への不信感が募る阿保親王。後に彼と妻の伊都内親王から生まれたのが在原業平。

前半の薬子の兄、仲成が起こした暴行事件。これ史実です。後半の勤操の述懐は創作ですが。

「咎人空海」空海、やっと帰国。あの三姉妹再び登場。

「海辺のふたり」空海だけを都に帰さなかった藤原縄主の思惑とは。この時代、芋粥は極上スイーツ扱いでした。

「白雪」兄帝の危険性を思い出す神野。

「神泉苑行幸」策謀に満ちた宮中。筑紫で布教を始める空海に届いた悲報…

「藤原家の毒薬」いつの世も女の仕返しって陰湿なのよねえ。

「譲位」嵯峨天皇が即位した夜に明かされる伊予親王の死の真相。冬嗣の胸に去来するのは怒りか、諦めか。

「実ちて帰る」主人公2人がやっと初対面。次回から第3章「薬子」のはじまり。

わたくし藤原薬子が主役の章、「薬子」、開始ですわよ。空海阿闍梨、神野の坊やとの初謁見でいきなりド不敬発言。

「橘の系譜」女性天皇が女性の部下に姓を与えた女性が始祖の橘家。

明鏡、家族と再会し、そして母になる。

「背徳」性描写あり。そして、薬子は悪女になった。

「真言の灯」最澄さまの千利休感と人手不足の密教。ある事で滅多になくブチ切れる空海。

「宮女明鏡」嵯峨後宮ベビーラッシュ。身籠った明鏡がこれまでの人生を振り返る。

「阿修羅」、怒らせるとシャレにならないレベルで怖い空海のダークサイド。

「東国の勇者」アテルイ回前編。13000vs500で朝廷軍にに勝利した巢伏の戦いと田村麻呂との対話。

「王の器」アテルイと田村麻呂の物語、後編。胆沢制圧戦後のアテルイ、田村麻呂、桓武帝。

真の王の器は誰にある?

どぅもー、宮中のイケオジ葛野麻呂です。「負の遺産」、宮女同士のマウントバトルが怖ぇわ…

「征夷大将軍殿の憂鬱」田村麻呂、愛妻とのフルムーン旅→ヒリヒリするような駆け引き。

「小鳥立つ」明鏡、13年ぶりに父との対面で思い切った決断を告げる。そして運命の子は誕生した。

「火の継承」

この時代の年明けのお祭り、修二会。ググった結果検索トップがさだまさしの「修二会」だったので公式の自分がまさしに敗けて悔しい実忠。

「智泉の祈り」

嘉智子さまへのマタハラ案件、「皇子を産め」とのたまう橘家の兄君たちにブチギレる空海阿闍梨。

「豪奢なる遁甲」嵯峨天皇vs平城上皇最後の争いが万葉サーカスの歓声の中始まる。


この回から三人目の主人公、ソハヤ登場。

「私刑」

池波か!とツッコミ上等な回。法具を本来の目的(明王の武器)で使う空海。

「なるほど、これがお役所仕事か」by嵯峨天皇

「隘路」、暗殺者集団土蜘蛛vsタツミ率いる修験者たち。薬子の変クライマックス前編。

「火宅」一万字越えの大作です。嵯峨天皇vs平城上皇最後の戦い後編。


藤原薬子と語らう老婆の正体は…

「徒花散る」失脚がそのまま死に繋がる全然平安で無かった平安初期の、最後の政変。


勝ってもあまり嬉しくない戦いでしたね…


by田村麻呂

第3章「薬子」終わり。後ろ暗い取引をしてもカッコいい俺様であーる。


by修験者タツミ

第54代仁明天皇こと正良誕生でおめでたい事からはじまる弘仁元年。

「弘仁おじさん」と呼ばないで。

by藤原冬嗣

明けましておめでとうございます。嵯峨天皇の叔母にして宮中屈指の美魔女、酒人内親王です。ここぞとばかりに気合い入った命婦たちのファッションと空海vs朝原の新春disり合い回で御座います…

若い頃の実忠さまはやさぐれていたなあ。

この世でやるべきこともやったし…じゃあね!

by和気広世

嵯峨天皇の兄、良岑安世の恋人の真名井でございます。「九条にて」はさあ、これから庶民と渡来人たちが活躍する平安アンダーグラウンドな物語の幕開け。

空海in伊勢神宮。朝原内親王より託されたとんでもない密命。

エミシ最後の戦士、ソハヤの人生のはじまり。

前半、終了。

険しい高野の山道を抜けるとそこは…異文化レベルの集落だった。

「丹生一族」パツキン彫金師、ムラートです。今回は丹生一族と秦一族と高野山のお話。



奈良の大仏建立時の人に言えない過去。老いた僧ほど暗い秘密を抱えているものなのですよ。

by実忠

「集光」実は、この話で作者は話を終わらせるつもりだったのですが、取材で高野参りをし、そこの宿坊でご住職の説法を聞いた時に「物語のラストシーン」が頭に浮かびあと50話位書く事に。

「田口三千媛」今では虐待と言われる育てられ方をされたと思います。訳を聞かされて納得しても、無理に許さなくてもいいのよ。

「弘仁格式」100年ぶりの法改正にとりかかる嵯峨帝。謎の美僧、泰範の師に対する本音。

平城上皇が会いたかった東大寺の重鎮、実忠の昔語り。前編。光明皇后に仕えた日々。

「光の時代、後」実忠の過去の話。

後半は道鏡事件の真相。

遊女真名井の人生の転機。家族との再会と共に恋人との別れを覚悟する。

「軛」

丹生のシリン姫の花占い。「来る、来ない。来る、来ない…来たあー!」

「灌頂」

死んで生まれ変わりたい気持ちで空海に会いに行った泰範。

最澄はんの「泰範、行かないでくれ」

の熱烈な文が歴史的資料として残っておます。

by空海


ぐすっ、ぐすっ…生きながら生まれ変わる事って出来るんやな…


by泰範

「信源氏」日本史最初の源氏、源信です。あのね、四さいの時にお家(宮中)から出されて明鏡お母様と離されてしまったの。


信源氏物語のはじまりはじまり〜。

高野の麓、天野の里に帰ってきたムラートです。妹の結婚式がゾロアスター教通りの儀式だと⁉️


天野わっしょい物語をお楽しみに。

嵯峨帝と正妻高津内親王との離婚の真相に迫る「高津退場」後宮サスペンス回。

橘嘉智子、立后のお話。

「わたくし、覚悟を決めました」

「常の白珠」

延暦十五年四月(796年5月)、日の本初の公然セクハラ&パワハラの記録でございます。

by明信

あの時は恥ずかしい思いさせてごめんよ…まだ怒ってる?

ねえ明信、こっち向いて(焦)

by桓武帝

お二人とも、犬も喰わない痴話喧嘩を板上でやらないで下さいまし。

by葛野麻呂

「わし、とうとう最澄はんと絶交する覚悟決めました」

空海を本気でブチギレさせた最澄の言動。


そして、高野山開基に向けて動き始める弟子たち。

「高野」

私ムラート、生まれも育ちも高野山でございます。このお山の自然の洗礼に遭う実叡と泰範。

高野を舐めちゃあいけねえよ。


なぜか寅さん口調。

「時鳥」

小野篁初登場回。そして、現世での役目を果たした巫女との別れ。

「落花宴」

民を食わせるために働いた藤原、葛野麻呂の最期。日ノ本初の茶事と花見の宴の記録。



「拠り処」

天皇皇后だってもふもふふくふくで癒されたい。徳一、東国に進出宣言。

「橘秀才」

「弘法も筆の誤り、って肝心な時に大ポカをやらかすって事なんだね」

古今随一の芸術家となった逸勢、空海にツッコミを入れる。

「シリン都に行く」

はーい、私は高野山の麓天野の里に住む主婦シリン。夫に下された辞令で子供たち連れて平安京へお引越しですって⁉️ドギマギしちゃう!

…って魔法少女みたいなあらすじ紹介でいいのかしら?

「篁」

ちーっす、小野篁でーす。僕の風評「なんだかすげえ奴」みたいに言われてるけど、嵯峨帝に出会った頃は脳筋の野生児でしたよ。

「一隅を照らす」

最澄、最期のことば。戒壇認可を遅らせた嵯峨帝の真意。


そして、たそがれ空海。



「進士篁」

ちーっす!篁っす!それでは一句。


竹の子(篁)が ドラゴン桜(三教指帰)で サクラサク


物語の主人公空海阿闍梨から僕に交代っす!

白秋の章、「嵯峨野」のはじまり。淳和帝即位。遡って嵯峨帝による黄櫨染御袍プロデュース秘話。

「正子と正良」

嵯峨上皇と嘉智子お母様の息子、正良(後の仁明帝)です。十四で結婚したお嫁さんが可愛過ぎてキュートなハートにズキンドキン!です。

「祈雨(きう)」

元服した源信信です。空海阿闍梨による伝説の雨降らしの祈祷の裏に蠢く大人たちの陰謀に、

うわあああ…

皆さんお久しぶり。田村麻呂です。平安初期の貴族たちは麻呂麻呂っなくて武士武士ってたんですよ。


ごきげんよう、小野篁です。

(官吏になったのでパシリ口調はやめました)

今回は私のルーツとソハヤ、シルベに隠された秘密が明かされる回です。

「在るがまま」

平城上皇の第三王子、高岳親王です。今回は父の最期の想いと私の出家の物語。


◯ウケンシルバーのモデルになった私の人生の出発でしたねえ。

「哀しい哉」

このエピソード書くために作者、高野山にお参りに行き智泉の御廟(お墓)に手を合わせました。

「天長二年の旅立ち」

久しぶりの金髪仏師ムラートです。東寺の立体曼荼羅完成秘話。あの時の空海さんは某劇作家か!って位ダメ出しして来て参りましたよ…


そしてラスト主要人物、在原業平初登場。

「夫人たちの夏」嵯峨帝の側室、藤原緒夏です。後宮で生きる憂鬱と高子さまとの友情の回。


「頭の冬嗣」

今年の◯河はやり過ぎちまった私の愚孫どものいざこざですが一人ちゃんと遺言を守った奴がいたようです。

「心の中の明王」

篁と徳一の出会い。東国にて。

空海と最澄を支援した破天荒僧侶、勤操の最期。さよならだけが人生や。

喫茶去(きっさこ)は禅語で「ま、茶でも一服」の意味。人生最後の対面を惜しむ主人公二人。

「光明」全ての務めを終えた空海の眠り。次回から次世代編へ。

「流人篁」百人一首で有名な「わたの原」から始まる篁の反骨最骨頂行動と流人生活。


ちゃっかり現地妻作ってました。

「落日」

葛野麻呂の息子で遣唐大使、藤原常嗣サイドの最後の遣唐使節の行程。


支援者の張宝高は新羅の海将で外交官で大商人。

この回のゲストは唐代の大文人。

「円仁の旅・使命」

どうも、遣唐使団からバックれた不法滞在僧侶の円仁(最澄の弟子)です。私の9年以上に及ぶ旅はいきなりホラーな展開から始まります。

実質、最後の遣唐使である円仁の旅の後編。空海より託された三つの遺言は果たしたものの武宗による仏教弾圧を受ける苦難の復路。オカルトな場面あり。

「胡蝶」

「胡蝶の夢」になぞらえた常嗣の帰国後の辛い立場と責任を感じる篁。二人とも苦しんだんだ。

「観月」

嵯峨上皇が家族たちにそして遥か未来の子孫に向けて述べた言葉。

人生最後の観月の宴。



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