照れすぎＪＫと宇宙人

　私は普通の女子高生、円香(まどか)16歳。とあるバー「スペースデュエット」で密かにアルバイトをしている。人里離れたこの店は、地球外の客でにぎわっているのが面白い。

　今日はゲド星からの客がいた。姿は人間と似ているが、体が半透明でとてもきれいだ。注文したカクテルを運んでいると、私の手が震えて、グラスからこぼれ落ちてしまった。

「あ、ごめんなさい!」

　ゲド星人は優しく微笑んで言った。

「大丈夫だよ。私の手が滑ったのかもしれない」

　私は照れくさくなり、頬を赤らめた。ゲド星人はそれを見て愉快そうに笑った。

「君の赤い顔、とても可愛いね」

「えぇ~っ!?」

　私はますます恥ずかしくなり、さらに赤面した。すると彼は大きな笑い声をあげた。

「ふふふ、赤面している君はまるでリンゴのようだ」

「りんご!? あ、ごめんなさい!」

　そう言うと私はそそくさと立ち去ろうとしたが、ゲド星人に優しく制止された。

「いや、待って。照れ臭いのは悪いことではないよ。逆に愛らしくてかわいらしいんだ」

　私は小さく溜め息をついた。地球人とはこうも違う感覚なのだろうか。

　そして、ゲド星人が改めて話しかけてきた。

「僕の名前はラド。君の名前はどうかな?」

「え、あ、円香(まどか)です」

「素敵な名前だね、円香。実は僕、今回が地球に来るの初めてなんだ」

「そうなんですか。わたしも最初は違和感があって……」

　そう言いながら私は思わず視線を合わせてしまい、あわてて目を逸らした。ラドはまた心地よく笑った。

「地球のみんなは皆、こんなにかわいいのかな? 君のような人がいると、僕も地球が大好きになれそうだよ」

「えっ!? い、いえ、そんな」

　私は頬を掻きむしりながら、小さく声を潜めた。ラドは少しだけ首を傾げ、穏やかな表情を見せている。

「地球ではこういう振る舞いが普通なのかい? 僕にはよくわからないんだ。だからもっと教えてくれないか?」

　私はゲド星人の言葉に戸惑いながらも、徐々にこの異質な雰囲気に慣れていった。

　しばらく会話を重ねるうちに、私たちは意気投合し、終業後にラドを案内することになった。街を歩きながら、ラドは星空を楽しそうに眺めていた。

「きれいだね。僕の故郷とはまた違う、味わい深い夜空だ」

「そうですか。私はこの地球の夜が一番好きです」

　ラドはくすくす笑いながら言った。

「円香の気持ち、よくわかるよ。自分の故郷が何より大切なものだからね」

　私たちはそのまま深夜まで散策を続けた。最後はラドがお土産を買ってくれ、笑顔でお別れした。

「円香、大変ありがとう。君のおかげで地球がとてもよく分かった」

「いえ、こちらこそラドさんに教えられたことが多かったです」

　ラドはそっと私の頬に手を添えた。するとまた私の顔は真っ赤になってしまった。

「赤面も、とてもかわいかったよ」

　そう言ってラドは静かに去って行った。私は夜風に吹かれながら、いつまでもただ照れくさそうにしていた。

　それから私は、ゲド星の人々のように赤面を恥ずかしがらず、むしろ楽しむようになった。同僚たちは最初は戸惑っていたが、やがて私の照れながらも明るく接する様子に、みんな柔らかな笑顔を向けるようになった。

　人は誰でも、照れたりする一面があるもの。それを恥じることはないのだ。ラドの教えは、私の中に大切な何かを芽生えさせてくれた。星と星の出会いから学んだ、まっすぐで素直な心の作法。照れ笑いの向こう側に透ける、優しさに満ちた宇宙。

　今でも私は時々、夜空を見上げては、ラドの優しいまなざしを思い出す。そしてまた、だれかに会うたびに、素直に照れ笑いをしてしまうのだ。


（使用AI：Gemini Pro 1.5）