第29話 『理由はいらない』補足と雑談
文字数 1,825文字
タイトルどおり、今回は『桐ノ匣』の新作『理由はいらない』についての補足となります。ほんとうなら作品内に収めたかったのですが、あまり文字数が増えすぎるのも困りもの、やむを得ない、とこちらで触れることにいたしました。
本編を未読の方はどうぞご注意くださいませ。
***
犬飼さんは、決して安易にボランティアの方々に仔猫を預けようとしたわけではありません。彼女なりの苦渋の選択です。
彼女の台詞にありました
「里親を探します」
は、犬飼さん個人として里親を探す、という意味です。ボランティアの方々に丸投げするという意味ではありませんので、ご理解いただけると幸いです。
野良犬については、わたしはわからないのですが、野良猫は、どんどん増えます。去勢・避妊手術をしない限り、増え続けます。
ときどきニュースで見かける「多頭飼 い崩壊」なども、このパターンではないかと思います。当然ですが、飼育されている猫でも去勢・避妊手術をしていないオスとメスがいっしょにいれば、仔猫が生まれます。しかも、一度のお産で五、六匹。発情期あたりになると、保護団体に持ち込まれる仔猫も増えるのではないかと想像できます。
市町村によっては、去勢・避妊手術の補助金が出るところもあります。とくに避妊のほうは、手術と処置費用あわせてだいたい二万円を超えるので(去勢手術のほうがお安いのです)、すこしでも負担を軽くするためにも、補助金の申請を検討されてみるのもよいかもしれません。
(補助金じたいがなかったり、あったとしても申請のための条件や各年度の締め切りが設定されているかと思います。あと、先着順とか。ホームページなどをご確認ください。)
保健所に捕獲された野良犬や野良猫は、ほとんどが一週間とかそのくらいのあいだに引き取り手が現れないと、殺処分となります。もちろん、保健所の方々もそんなことはしたくない、できることならだれかに新しい家族として迎えてもらいたいと思われていることでしょう。
もし、新しく犬や猫を家族として迎えたい、とお考えの方がいらしたら、お住まいの地域の保健所から引き取るという方法もぜひご考慮いただけたらと思います。
作中のボランティア団体につきましては、友人から聞いた話を参考にさせていただきました。
いつだったか、わが家の猫たちが、飽きたのか急に食べなくなったフード(個包装で未開封)やおやつを、友人が預かって代わりに届けてくれて
「すっごくよろこんでもらえてたよ。フードはいくらあっても困らないからって」
といってもらえて、こちらも助かりました。食べなくなったからといって捨てるのも忍びないし、よその猫さんに食べてもらえたらわたしもうれしいので。
(そのボランティア団体の本拠地は遠いので、車を運転しないわたしは自力では行けないのです)
***
続きまして、寄付について、です。
こどものころ、わたしにとっては大金だった三千円をとある団体に寄付したことがあるのですが、のちに、どうやらその団体は(一部のひとかもしれませんが)集めた寄付金を遊興費に流用していたらしく、それを知ったこどもの桐乃はものすごくショックを受けました。
そしてこちらは、十代のころにアルバイトをしていたお店の社長から聞いた話ですが、学生時代、社長は募金活動に参加したことがあるそうで。募金箱を持って、道行くひとに寄付を呼びかけるタイプのあれです。
その活動が終わったあと、その場の責任者らしきひとがみんなにジュースをふるまってくれたらしいのですが、そのお金の出所が、なんと、募金箱のなかの寄付金だったそうで。
それ以来、社長は「寄付はしない」と心に決めたそうです。
うえのふたつは、かなり特殊なパターンだと思いますが(おそらく組織の末端のひとたちの暴走かと)、寄付金を集めるほうの方々も
「なんのための寄付金なのか」
ということを最後までしっかり考えて使っていただきたいと思います。こどもの善意を踏みにじるような真似は二度としないでいただきたいです(泣)
そのせいで寄付に対してちょっとトラウマというか、抵抗があります。主人公の鮫島のように気軽にはできないのが悲しい。
寄付金といえば、広島県は呉市の大和ミュージアムにて、戦艦大和の大型旋盤展示のためのクラウドファンディング、とうとう二億円を超えましたね。すごい。ふるさと納税型で返礼品も豪華とはいえ、みなさんの並々ならぬ熱意を感じます。
本編を未読の方はどうぞご注意くださいませ。
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犬飼さんは、決して安易にボランティアの方々に仔猫を預けようとしたわけではありません。彼女なりの苦渋の選択です。
彼女の台詞にありました
「里親を探します」
は、犬飼さん個人として里親を探す、という意味です。ボランティアの方々に丸投げするという意味ではありませんので、ご理解いただけると幸いです。
野良犬については、わたしはわからないのですが、野良猫は、どんどん増えます。去勢・避妊手術をしない限り、増え続けます。
ときどきニュースで見かける「
市町村によっては、去勢・避妊手術の補助金が出るところもあります。とくに避妊のほうは、手術と処置費用あわせてだいたい二万円を超えるので(去勢手術のほうがお安いのです)、すこしでも負担を軽くするためにも、補助金の申請を検討されてみるのもよいかもしれません。
(補助金じたいがなかったり、あったとしても申請のための条件や各年度の締め切りが設定されているかと思います。あと、先着順とか。ホームページなどをご確認ください。)
保健所に捕獲された野良犬や野良猫は、ほとんどが一週間とかそのくらいのあいだに引き取り手が現れないと、殺処分となります。もちろん、保健所の方々もそんなことはしたくない、できることならだれかに新しい家族として迎えてもらいたいと思われていることでしょう。
もし、新しく犬や猫を家族として迎えたい、とお考えの方がいらしたら、お住まいの地域の保健所から引き取るという方法もぜひご考慮いただけたらと思います。
作中のボランティア団体につきましては、友人から聞いた話を参考にさせていただきました。
いつだったか、わが家の猫たちが、飽きたのか急に食べなくなったフード(個包装で未開封)やおやつを、友人が預かって代わりに届けてくれて
「すっごくよろこんでもらえてたよ。フードはいくらあっても困らないからって」
といってもらえて、こちらも助かりました。食べなくなったからといって捨てるのも忍びないし、よその猫さんに食べてもらえたらわたしもうれしいので。
(そのボランティア団体の本拠地は遠いので、車を運転しないわたしは自力では行けないのです)
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続きまして、寄付について、です。
こどものころ、わたしにとっては大金だった三千円をとある団体に寄付したことがあるのですが、のちに、どうやらその団体は(一部のひとかもしれませんが)集めた寄付金を遊興費に流用していたらしく、それを知ったこどもの桐乃はものすごくショックを受けました。
そしてこちらは、十代のころにアルバイトをしていたお店の社長から聞いた話ですが、学生時代、社長は募金活動に参加したことがあるそうで。募金箱を持って、道行くひとに寄付を呼びかけるタイプのあれです。
その活動が終わったあと、その場の責任者らしきひとがみんなにジュースをふるまってくれたらしいのですが、そのお金の出所が、なんと、募金箱のなかの寄付金だったそうで。
それ以来、社長は「寄付はしない」と心に決めたそうです。
うえのふたつは、かなり特殊なパターンだと思いますが(おそらく組織の末端のひとたちの暴走かと)、寄付金を集めるほうの方々も
「なんのための寄付金なのか」
ということを最後までしっかり考えて使っていただきたいと思います。こどもの善意を踏みにじるような真似は二度としないでいただきたいです(泣)
そのせいで寄付に対してちょっとトラウマというか、抵抗があります。主人公の鮫島のように気軽にはできないのが悲しい。
寄付金といえば、広島県は呉市の大和ミュージアムにて、戦艦大和の大型旋盤展示のためのクラウドファンディング、とうとう二億円を超えましたね。すごい。ふるさと納税型で返礼品も豪華とはいえ、みなさんの並々ならぬ熱意を感じます。