170. プレスタ―・ジョンの王国
文字数 349文字
敗戦した。
国民が屈辱に肩を震わせると、書簡が届く。
「絶対なる友よ。私は72人の果敢なる王を統べる、王の中の王だ。その領土は日の昇る地から砂漠を越え、三つの大河を越え、日の沈む地平線のその先まで続く。大河には乳と蜜が流れ、ゾウやラクダ、あらゆる善良な獣たちがのびのびと暮らしている。我が王国の富と力は、空の星、海の砂を凌駕するほどだ」
強力な味方の出現に、国民は奮起した。
戦争が再開した。
王国は東方に見つからなかった。
王の不在を誰も信じたがらなかった。
望みを南方に託し、地図は未知の大陸に王国を描いた。
月日が王国を伝説に押しやる。
書簡は、戦争大好きっ子のイタズラだった。
虚構は戦争の道具だろうか?
大西洋を越えたように、真相への第一歩だろうか?
私達は、私達の物語の中に住んでいる。
国民が屈辱に肩を震わせると、書簡が届く。
「絶対なる友よ。私は72人の果敢なる王を統べる、王の中の王だ。その領土は日の昇る地から砂漠を越え、三つの大河を越え、日の沈む地平線のその先まで続く。大河には乳と蜜が流れ、ゾウやラクダ、あらゆる善良な獣たちがのびのびと暮らしている。我が王国の富と力は、空の星、海の砂を凌駕するほどだ」
強力な味方の出現に、国民は奮起した。
戦争が再開した。
王国は東方に見つからなかった。
王の不在を誰も信じたがらなかった。
望みを南方に託し、地図は未知の大陸に王国を描いた。
月日が王国を伝説に押しやる。
書簡は、戦争大好きっ子のイタズラだった。
虚構は戦争の道具だろうか?
大西洋を越えたように、真相への第一歩だろうか?
私達は、私達の物語の中に住んでいる。