26. タブー

文字数 210文字


 男が美しい妖精に結婚してほしいと頼むと、妖精は条件を出した。

「正体を誰にも言わないこと」
「本名を呼ばないこと」
「三度叩かないこと」

「鉄で触らないこと」
「通り道に汚い水を()かないこと」
「古い魚を出さないこと」

「怒鳴らないこと」
「嘘をつかないこと」
「常に台所を整理すること」

 試用期間は一年、破れば即、死。男は禁忌(タブー)を守れないと察し、結婚を諦めた。
 彼は、怒りっぽかったのだ。

 妖精が鈴鳴るように笑い、
「これが、人間の愛?」
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