１．　見たものがすべて

文字数 177文字

　卵と見ればなんでも丸のみにしていた犬が、巻貝を見つけて、さっそく跳びかかっては丸呑みにした。

　胃が重くなってから、犬が言うには、
「丸ければ卵だなんて、どうして思い込んでいたのだろう。ちょっと叩いてみれば、すぐに分かったのに」

　視界の外にも、世界は広がっている。映った景色だけで、人間は物事を判断しがちだ。

　広げる努力なくして、最善の選択は見つからない。

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