29. 子ども部屋のボギー
文字数 312文字
子どもが夜遅くまで遊んでいた。
心配した母親が言うには、
「日が暮れると、トム・ポーカーにさらわれますよ」
子どもが頻繁に他人の庭から果物を盗んでいた。
怒る母親が言うには、
「泥棒ばかりしていると、ものぐさローレンスに食べられますよ」
子どもが橋の上ではしゃぎ回っていた。
呆れた母親が言うには、
「橋を侮ると、グリンディローに川底に引きずり込まれますよ」
日暮れ時、子どもは庭の果物を盗り、主人に追いかけられて、橋の欄干の上をはしゃぎ回って逃げていると、足をくじいて川に落ちた。
子どもは泳げなかった。
決死の救助の末、川から救出された直後、子どもは言った。
「子ども部屋のボギーは確かにいた。僕の無知と浅慮の中に住んでいた」