132. エンドウ豆の上に寝たお姫様

文字数 469文字


 王子様が本物のお姫様を探していました。
 面接が始まります。

「気象国第一王女・虹です。雨上がりにしか顔を出さない引っ込み思案ですの。あなたにしか私は見えないのよ?」

「気象国第二王女・巻雲よ。上空八千メートルから民の安寧を見守っているわ。追っかけの荒天はもうたくさん、あんたはどうかしら」

「気象国第三王女・竜巻。全部、巻き上げる。雲の王の下僕、それだけ。近づかないで……あなたの不幸は、私、見たくない」

 どうにもしっくりきません。誰もがお姫様に見えますが、一つか二つ、お姫様でない気がするのです。
 本物のお姫様とは、どんな存在でしょうか?

 気高い?
 思いやりがある?
 不穏な影や問題を抱えている?

 考えれば考えるほど、本物、その一言に惑わされて、王子様は混乱します。

 幼馴染のメイドが言いました。

「王子様のお姫様は、王子様が愛した方ですよ。見た目も、肩書も、繊細さも、第一の要素ではありません。どれほど大事に思えるか、それに尽きるのでは?」

 王子様は納得し、ついにお姫様を見つけました。

 虹?
 巻雲?
 竜巻?

 さあ。それは、あなたの心次第。
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