51. 巣籠

文字数 187文字


 親折り鶴が雛を育てていた。
 旅立ちの瞬間、折り鶴の雛は親折り鶴の背に乗り、夜空を見上げる。

「わーい、高いたかーい!」

 紙の翼では月面は遠すぎる。
 巣籠は続き、親子の繋がりは断ち切れない。

 親折り鳥は残念そうに、けれどほっとしたように(うつむ)き、大きな翼で雛を守っていた。
 雛は巣立ちの誇らしさに(くちばし)を立て、小さな翼を一生懸命に広げる。

 折り鶴が飛べないなんて、誰が決めたのだろう?
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