22. レプラホーン

文字数 286文字


 少年が虹の根元を掘ると、黄金の詰まった(かめ)を発見した。
 レプラホーンが隠したお宝に違いないと喜び、さっそく持ち帰ろうとしたが、重くて取り出せない。

 後日また取りに来ようと、甕を埋め直して、目印に石ころを置いた。

 一週間が経過した。
 友達とたくさん遊んでいたら、宝なんて忘れてしまった。

 ふとしたきっかけで思い出し、友人数人と掘り返せば、甕の中はすべて石ころに変わっていた。

 少年は察する。
「あの黄金は、この一週間だったのかな。僕には、あと、どのくらい残っているのかな?」

 見渡せば、友人たちがいた。
 ちゃんと傍にいた。

 夕日差せば、紅く光る宝の向こうに、虹が架かっていた。
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