第66話 バラバラな所感

文字数 253文字

「親しい人が亡くなったとする。それに際して、あなたは悲しみ、泣き暮れたとする。だがあなたは、その人の死を悲しんでいるのではないのだ。親しい人を失ってしまった自分自身が悲しくて泣き暮れているのだ」

「本を読むのは身体に良くない」とモンテーニュは言い、「朝から本を読むのは愚か者のすることだ」というようなことをニーチェは言い── 荘子は言葉そのものを憂いた。「真と言えば嘘がうまれ、一と言えば二が生まれてしまう」というふうに。
 そう、何一つ、たった一つのことさえ、確言できないのだ。

 無為。無為でありたいと思う。
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