第52話 

文字数 624文字

 いうことをきかない、あいてを、ころす
 どうして、そんな、にんげんに、なった
 どうして、そんな、にんげんが
 いっこくの、あるじになった

 にんげんの、ざんこくせい
 だれにでも、ある、ざんぎゃくせい
 それを、とぎすまし
 けんりょくの、どれいになったひと
 けんりょくに、しがみつづけたひと

「とにかく叫び続けることだ、戦争、反対、と」
 もう遅いのに? こうなる前に、どうにかするべきだったのに?
「われわれ下々には、何もできないことだって?」
 下々と、上々。こっちとあっち。対岸の火事。
「よくそんなことが言えるな」
 だって、どうしようもないじゃん。
「…」

『超えていくしかないんだよ』かの人は云う、
『起きたこと、起きるかもしれないこと、起きていたかもしれないこと、これから起きるであろうこと…、ぜんぶの可能性が可能となり、不可避であり、不可能であり可能であったとしても、そのいちいちを、そのたびに超えていくんだよ。
 あらゆることが、ありえざる、ありうべきに関わらず、起こり続ける。それを超えていくんだよ。超えて、超えて、超え続けるんだよ…』

「しかし、どうしてあんなことができるんだろう? 銃を持ち、爆弾を落とし、何をしているんだろう、って思わないんだろうか」
 何なんだろうね、この世界は。
 お前も、自分に攻撃する時があるだろう、それが、他者に、他国に向かってるんだ。
 どっちにしたって、人間は攻撃的なんだ。
『超えていくんだよ、それを。超えていくんだよ、それを』
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